欧米や中国でも「月」に対する思いは格別にあるようですが、日本人も古来月に対する細やかな思いを持っていたようです。
前に「十六夜・十五夜・十三夜」の記事を書きましたが、今回はそれ以外の「立待月」「居待月」「寝待月」「更待月」などの月の呼び名についてご紹介したいと思います。
1.「立待月」とは
「立待月(たちまちづき)」とは、「立ちながら待つうちに出てくる月」という意味で、「陰暦17日の夜の月、特に8月17日の夜の月のこと」です。「十七夜(じゅうしちや)」「立待(たちまち)の月」とも言います。
2.「十八夜」から「二十夜」までの呼び名
満月の「十五夜」以降、月の出は次第に遅くなります。「十六夜(いざよい)の月」は山の端(は)にいざよい、「十七夜」は立ち待つほどに出、「十八夜」の「居待月(いまちづき)」は座し居て待ち、「十九夜」の「臥待月(ふしまちづき)」は臥して待ち、「二十夜」の「更待月(ふけまちづき)」は夜半近くと遅くなります。
なお、「十九夜」は「寝待月(ねまちづき)」とも呼ばれます。「二十夜」は「亥中(いなか)の月」「二十日亥中(はつかいなか)」とも言います。
3.「月齢別」の月の呼び名
月齢0:新月
月齢1:繊月
月齢2:三日月/若月/眉月
月齢6:上弦の月
月齢9:十日夜(とおかんや)
月齢12:十三夜
月齢13:小望月(こもちづき)/十四日月(じゅうよっかづき)
月齢14:満月/十五夜/望月/三五の月/望
月齢15:十六夜
月齢16:立待月
月齢17:居待月
月齢18:臥待月/寝待月
月齢19:更待月/亥中の月
月齢22:下弦の月/二十三夜月
月齢25:有明月(ありあけづき)
月齢29:三十日月(みそかづき)
4.「七夜待ち」とは
「七夜待ち(しちやまち/ななよまち)」とは、「密教で、毎月17日の夜から23日夜までの7夜を、聖(しょう)観音・千手(せんじゅ)観音・馬頭(ばとう)観音・十一面(じゅういちめん)観音・准胝(じゅんでい)観音・如意輪(にょいりん)観音・勢至(せいし)菩薩を本尊として順次に祀り祈願成就を求めること」です。