2010年9月の大阪地検特捜部による「証拠改ざん事件」をきっかけに、「取り調べの可視化」を求める声が高まりました。2014年9月に法制審議会は「裁判員裁判の対象事件で取り調べの全過程の録音・録画を警察・検察に義務付ける」との答申をまとめました。
これを受けて2016年に刑事訴訟法改正などの刑事司法改革関連法案が成立し、2019年6月から施行されています。
これは「被疑者保護」「冤罪防止」の観点から行われた動きです。その一方、「被害者」が被害を立証する証拠がなく、「犯人」が「言い逃れ」をすればなかなか犯罪事実が明らかにならないことが多かったように思います。
ところが、最近は「ドライブレコーダー」の普及で、「あおり運転」や「幅寄せ・割り込み」、あるいは交通トラブルに起因する暴行・脅迫の事実が明らかになることが多くなりました。
また、「いじめ」についても、「いじめた側」の「いじめのつもりはなかった」などの言い逃れがあると、「自殺との因果関係」の立証が難しいこともあってうやむやになり、学校や教育委員会も保身体質・隠蔽体質から「いじめに気付かなかった」「いじめと自殺の因果関係は認められなかった」などの釈明が多かったものです。
これが、最近「いじめ」というより「暴行・障害」の現場を撮影した「スマホ動画」が拡散することにより、「動かぬ証拠」となって多くの人々に認知されるようになったことは、誠に喜ばしいことです。
1.ドライブレコーダー
「ドライブレコーダー」とは、車に衝撃(事故発生時や急ブレーキ操作時など)が加わると、その前後の映像や音声などを自動的に記録することが出来る装置です。最近は「常時録画しているタイプ」のドライブレコーダーも登場しています。
現在販売されているドライブレコーダーは大きく分けて「業務用」と「自家用」があります。
(1)業務用
最近「タクシー強盗」や「タクシー運転手への暴行」などの映像がテレビのニュースに流れるようになりました。またバスやトラックの事故前後の映像が出ることもあります。このような業務用車両には、ドライブレコーダーがかなり普及しているようです。
業務用には、事故発生前後の映像に加えて、方向指示器の作動やブレーキの作動、速度や加速度も記録されます。飛行機の「フライトレコーダー」のようなものですね。スキーバスの事故を受けて、2016年には「貸し切りバス」へ装着が義務付けられました。
(2)自家用
最近は「自家用」ドライブレコーダーを装着する人も徐々に増えているようです。交通事故や交通トラブルにかかる犯罪に遭った時に備えて、私も今後ドライブレコーダーの装着を検討したいと思います。価格は1万円~3万円程度であります。6万円以上の高性能品もあるそうです。
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2.スマホ動画
最近、教師が廊下で生徒を暴行する動画がSNSで拡散したとのニュースが流れたことがあります。しかしその前の段階で、その生徒が教師に罵詈雑言を浴びせていたことが明らかになり、賛否が分かれる結果となりました。
似たような話は、明石市長の「暴言問題」でありました。問題を長年にわたって解決できなかった部下を過激な言葉で激しく叱責する録音が公表され、「とんでもないパワハラ」「市長失格」と非難されました。
しかし、その後この発言の前段階の話の部分が公表され、市長を支持する意見が多く出て、結果的に引責辞職した市長が再び市長選挙に立候補し、見事当選する事態となりました。
これは、政治の世界でよくある「発言の一部分だけを取り上げて非難する」パターンの反省材料にすべき出来事だと思います。