1.垣根
童謡の「たきび」(作詞:巽聖歌、作曲:渡辺茂)という懐かしい歌があります。
かきねの かきねの まがりかど たきびだ たきびだ おちばたき 『あたろうか』『あたろうよ』 きたかぜぴいぷう ふいている
さざんか さざんか さいたみち たきびだ たきびだ おちばたき 『あたろうか』『あたろうよ』 しもやけおててが もうかゆい
私も、家を新築する時、この歌を思い出して、家の前にピンク色の花のサザンカの垣根を作りました。道行く人にも、サザンカの花を楽しんでもらえると思ったからです。
戦前に建てられた住宅には、「垣根(生垣)」や「板塀」が多かったように思いますが、戦後はコンクリートブロックの塀が圧倒的に多くなりました。
近年は、「垣根」もちらほら見かけるようになりました。ただ、高槻市内の住宅地の生垣を見ていて気になる樹木があります。
それは「ギンモクセイ」です。大抵虫食い状態になっていて見苦しいものです。しかも、香りもキンモクセイのように遠くからでもわかるほど強い香りではなく、花の色もキンモクセイは鮮やかなオレンジ色ですが、白い控えめなものです。
うまく育てれば、美しい花を咲かせる控えめで可憐な花木と言えるのでしょうが、褐斑病・先葉枯病・炭疽病やカイガラムシなどの被害を受けやすいので注意が必要です。
2.垣根に適した樹木
垣根に用いられる樹木には香りが良いキンモクセイや花がきれいなサザンカ、常緑のイヌツゲ・イヌマキ・カイヅカイブキ・キャラボク・コノテガシワなどたくさんありますが、大半は病害虫に強い樹木です。
やはり垣根には、緑色の葉を楽しむ常緑樹にせよ、季節に咲く花を楽しむ花木にせよ、病害虫に強い育てやすい樹木を選んだ方が無難だと私は思います。
このほか、垣根に適した樹木の条件には、次のようなものがあります。
①芽を出す力(萌芽力)が強く、刈り込みに耐えること
自分の好きな高さ・幅を維持できるように、剪定に強い樹木が適しているのです。
②下枝が枯れにくいこと
木は上へ上へと成長しますので、下の方の枝がなくなりがちです。そうなると、家の中が丸見えで格好が悪くなるため、下枝が枯れにくい樹木が適しているのです。
③葉が密生するものであること
木は種類によっては、枝葉の着生密度がばらばらのものがあります。垣根には、できるだけ葉が細かく、密生するものが向いています。
最近新興住宅地などでは、駐車スペース確保のために、玄関前をオープンにして、垣根や塀を作らない方も多くなったようです。
しかし、新築する住宅に垣根を作ることを検討しておられる方は、ぜひ参考にしてください。