明け方や夕方の雲の色はなぜピンク色や紫色なのか? 雲の色の不思議(その4) 

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夕焼け空の雲の色

雲の色に関しては前に「雲の色はなぜ白色なのか? 雲の色の不思議(その1) 」「雨雲の色はなぜ灰色や黒色なのか? 雲の色の不思議(その2) 」「彩雲は七色に輝く虹色の不思議な雲! 雲の色の不思議(その3) 」という記事を書きました。

また空の色に関しては前に「空はなぜ青色なのか? 空の色の不思議(その1)」「日の出や日没の空はなぜ赤色に見えるのか?空の色の不思議(その2)」「薄明の焼け空・ブルーモーメント・ビーナスベルトとは? 空の色の不思議(その3)」という記事を書きましたが、雲の色も原理的には空の色と同じ「光の乱反射」です。

今回は、明け方や夕方の空に浮かぶピンク色や紫色に染まる雲の謎についてご紹介します。

1.朝焼け空や夕焼け空の雲の色

「朝焼け空」や「夕焼け空」の雲は赤く染まります。日の出や日の入りは太陽の高度が低いため、太陽光が大気中を通る距離が昼間より長くなります。すると、太陽光に含まれる青色系の光が大気中で散乱し、赤色系の光が青色系の光よりもたくさん届くようになります。

そのため、朝焼けや夕焼けの空に浮かぶ雲は赤く染まって見えるのです。

また、空に青空が残っている時間帯では、次の写真のように、赤く染まった雲に空の青色がかぶって幻想的な色合いになります。

夕焼け空のピンクや紫の雲

2.雲の色にまつわるさまざまな言葉

(1)紫雲(しうん)

紫色の雲。「瑞兆(ずいちょう)」(めでたいしるし)とされ、念仏行者の臨終などにあたって、阿弥陀仏がこの雲に乗って来迎(らいごう)するということです。

(2)茜雲(あかねぐも)

朝日や夕日を浴びて茜色に照り映える雲。

(3)青雲(せいうん)

①青みがかった雲。また、よく晴れた高い空。青空。
②地位や学徳の高いことのたとえ。
③俗世間を離れ、超然としていることのたとえ。

(4)白雲(はくうん/しらくも)

白く見える雲。

(5)黒雲(こくうん/くろくも)

①黒色の雲。
② 物事を妨げる不吉なもの。

(6)暗雲(あんうん)

① 雨を降らしている、または、今にも雨を降らせそうな暗い雲。黒雲。
② 危険、不穏なことが今にも起こりそうな形勢をたとえていう。
③ 心が晴れ晴れしない様子、心の苦しみや悩みをたとえていう。
(7)東雲(しののめ)

「東雲」は、雲の色を表す言葉ではなく、東の空が明るくなる頃のことです。夜明け方。あけぼの。

漢字で「東雲」と書くのは、東の空の意味からの当て字です。

語源は「篠の目(しののめ)」と思われます。
古代の住居では、明かり取りの役目をしていた粗い網目の部分を「目(め)」と言いました。
目の材料には篠竹が使われていたため、それを「篠の目」と呼び、のちに明かり取りそのものを「篠の目」と呼ぶようになりました。

そこから、夜明けの薄明かりを「篠の目」にたとえて「しののめ」と言うようになり、東の空が明るくなる頃や夜明けのことも「しののめ」と言うようになりました。