「テレビゲーム」や「ファミコン」などの「コンピュータゲーム」は子供の遊びで、教育上もあまり好ましくないという印象がありました。
1980年頃には「インベーダーゲーム」(スペースインベーダー)というゲームが流行し、ゲームセンターだけでなく喫茶店のテーブルとしても置かれていました。
しかし、最近「eスポーツ(エレクトロニックスポーツ)」が年々盛んになり、「オリンピック種目」の候補にも挙がっていると聞いたことがあります。
さらについこの間、テレビを見ていると、80歳代ぐらいのお婆さんがカーレースゲームのような「eスポーツ」に夢中になっている様子がレポートされていました。
この「eスポーツ」は「高齢者の認知症予防にも効果がある」という話もあります。
1.「eスポーツ」とは
「eスポーツ(esports)」とは、「対戦型のコンピュータゲーム」(ビデオゲーム)をスポーツ競技として捉える際の名称で、エレクトロニックスポーツ(electronic sports)の略称です。eSports、e-Sports、電子競技とも表記されます。
世界規模の大会が開催されたり、プロ選手(プロゲーマー)やプロチームも存在します。
スウェーデンには、「シルバースナイパーズ」というシニアのプロチームがあります。この「シルバースナイパーズ」のメンバーの年齢は64歳~76歳です。
初期(1972年~1989年)の最も古いコンピュータゲームの大会は、1972年10月にアメリカのスタンフォード大学で開催された「スペースウォー!」の大会とされています。
その後、オンラインゲームの登場と成長(1990年~1999年)とともに人気が上昇し、2000年以降は世界規模の大会が開催されるまでになっています。
2000年には世界規模の大会が約10でしたが、2010年には約260大会と大会数も観客・視聴者数も賞金額も大幅に増加しています。
ただ、このような「eスポーツ」を囲碁・将棋・麻雀・チェス・オセロ・競技かるたなどと同様に「頭脳スポーツ」(マインドスポーツ)と呼ぶことに異論はありませんが、「オリンピック競技種目」にすることには抵抗・違和感があります。
オリンピックはやはり「身体を使った運動の技術や能力を競うもの」だと私は思います。
2.シニア世代に流行の兆し?
日本の「eスポーツ」の市場規模は2018年には前年比約13倍と急拡大し、以後も毎年増加しています。
この背景には、2018年に「日本eスポーツ連合(JeSU)」が発足し、「プロライセンス」が発行されるようになったことと、マスコミがそのことを大々的に報道したことがあります。
またテレビ局がプロゲーマーを取り扱うeスポーツ関連番組を放送し、スポンサーから得られる収益が大幅に増加したこと、各種ゲームに課金するプレイヤーが増加したことも市場の成長につながっています。
一般的には、「eスポーツ」は若者が楽しむもので、最も年齢の高い世代でも初期の家庭用ゲーム機やPCゲームで育った「X世代」(1960年代~1970年代生まれ)というイメージがあります。
しかし、この市場規模拡大にシニア世代における「eスポーツ」流行も寄与しているようです。
さいたま市では、「さいたま市民シルバーeスポーツ協会」が発足しています。
また神戸市には60歳以上限定のeスポーツ施設「ISR e-Sports」(ゲーミング老人ホーム)というのもあるそうです。
3.高齢者の認知症予防果は?
国立長寿医療研究センターの調査によると、「社会的なつながりがある高齢者」は「社会的なつながりが少ない高齢者」に比べて、認知症発症リスクが4割少ないそうです。
「eスポーツ」が高齢者の脳を活性化させることを示す研究は、近年数多く報告されているそうです。
「eスポーツ」は競技であり、対戦相手とゲーム内容を競い合うのが基本です。人と交流しながら楽しむのが基本となるので、社会的なつながりを維持できるという点での効果は高いといえます。
つまり、「ゲームそのものによる脳の活性化」と「社会との関りから得られる刺激」という二重の認知症予防効果が期待できるというわけです。
ただし私は、この「eスポーツ」に認知症予防効果を期待し過ぎてはいけないと思います。他の「脳トレ」もそうです。
私は「世間の常識やマスコミ報道・中国や韓国のプロパガンダ・専門家の意見などを疑い、自分の頭で考えること」「動植物や天体などの自然や、歴史・社会問題など幅広い分野に関心を持つこと」「(我田引水のようですが)ブログや日記などに自分の考えていることや思っていることを書くこと」が、認知症予防に最も効果があるのではないかと思います。
「eスポーツ」にも「ゲーム中毒(ゲーム依存症)」や「興味の偏り」「目が疲れる」などのデメリットもありますので注意が必要です。