20年ほど前になると思いますが、知人夫婦が「大阪城ホール」での「アリス」の「一夜限りの復活コンサート」に行く予定だったところ、急な用事で行けなくなり、チケットを譲ってもらって見に行ったことがあります。
環状線の大阪城公園駅を降りると、私たちと同年代の熟年夫婦が大勢ぞろぞろと大阪城ホールに向かっていきました。私たちが入ったアリーナ観客席も、スタンド席もやはり熟年世代が大半でした。
私はアリス解散後の谷村新司や堀内孝雄は好きでしたが、アリス時代はそれほど熱心なファンではありませんでした。家内も同様で、我々は熟年らしく静かに席に座って音楽を楽しもうと思っていました。
谷村新司は、いつものように観客を笑わせる漫談のような語りを披露していました。そして「アリスの隠し球」として、「キンちゃん」こと矢沢透を紹介しました。
紹介を受けた矢沢透は、他の二人に比べてあまり人気がなく、今回も「僕が登場すると観客が急に少なくなる。トイレ休憩や喫煙タイムになっているようだ」と「自虐ネタ」を披露していました。
以前、会社のレクレーション行事で「吉本新喜劇」を見に行った時も、似たような「自虐ネタ」を披露した若手芸人がいました。劇場の楽屋に入って行こうとすると「関係者の方以外は立ち入り禁止です」と止められたとか、自分の出番の時は大半の客が「弁当タイム」だったと嘆いていました。
1.アリスの熱狂的ファン
しかし、プログラムが終盤に近付くにつれて、かつてアリスの熱狂的ファンだったと思しき人たちが席から立ちあがり声援を送るようになり、手拍子まで始めました。
私たちは、少し引いた感じで着席したままでしたが、ステージが全く見えず、熱狂的ファンの後姿が見えるだけの状態が続き、最後まで見ることなく席を立ちました。
2.矢沢永吉ファンのオタ芸
今年1月に、矢沢永吉さんがライブで「オタ芸」をする私設応援団に対し、ほかの一般のファンやお客さんの迷惑になるということで「出入り禁止」にしたという報道がありました。
「私設応援団」の「周囲に威圧感を与えるような旗振り、特攻服などの威圧行為、周囲に迷惑となる永ちゃんコールの強要・煽り」など、一般のファンが、「行きたいけど怖くて行けない」「肝心の矢沢永吉の歌を落ち着いて聞けない(聞こえない)」という迷惑を及ぼしていたのです。
3.アリスの一夜限りの復活コンサートの率直な感想
私たちはアリスの熱狂的ファンでなかったからでもありますが、それほど「ヒートアップ」しませんでしたが、熱狂的ファンは、矢沢永吉さんのファンと同様にヒートアップするようでした。
それを醒めた目で見ていた私たちは、彼らから見れば非常に「浮いた存在」だったに違いありません。