オリュンポス山(オリンポス山)は、ギリシャ神話でオリュンポス12神(オリンポス12神)の居所とされる山です。
冒頭の画像はリトホロから眺めたオリュンポス山で、下の画像はオリュンポス山の頂上です。
1.ギリシャ最高峰のオリュンポス山(オリンポス山)
オリュンポス山は、ギリシャ共和国中北部の海にほど近い山地上に位置し、複数ある山頂のうち最高地点は標高2,917mでギリシャ最高峰です。
古代ギリシャでは、ここに主神ゼウスをはじめとするオリュンポス12神が住むと考えられていました。
「日本三霊山」の富士山・白山・立山と同じような信仰の山だったのでしょう。
ギリシャ第二の都市テッサロニキからセルマイコス湾をはさんで南西80kmのところにあります。日本人客の多くはアテネから山の東麓のリトホロを経由して入山します。登山日程は途中の山小屋で宿泊する1泊2日が原則です。登山ルートにあるリトホロは「神の街」と呼ばれています。
山頂部は急峻な岩山のため、最高峰のミティカス峰(2,917m)ではなく、道中がより安全な2番目のスコリオ峰(2,912m)までにする登山客も多いそうです。
この山域は、日本の白馬岳や伊吹山などの「お花畑」ほど美しい群落ではありませんが、豊かな植物相で知られ、固有種23種を含む約1,700種が生えています。
オリュンポス山の南部には、ペーリオン山とオサ山が連なっており、これらの山々もギリシャ神話に登場します。ポセイドーンの息子である双子の巨人族アロアダイが、この二つの山をオリュンポス山の頂上に乗せて神々の宮殿に攻め入ろうと目論んだという逸話があります。
ちなみにオリンピック発祥の地とされる「オリンピア」は、ギリシャ南部のペロポネソス半島西部にあります。
なお、オリュンポス山の名は、光学機器メーカー「オリンパス」の社名の由来にもなっています。
2.火星の火山のオリュンポス山(オリンポス山)
火星にある巨大な火山もオリュンポス山と呼ばれています。
地球と違って水をたたえた海洋がないため、「標高(海抜高度)」とは言えませんが、地表からの最高地点は約27kmと観測されており、太陽系では最高峰です。
「惑星探査機」が訪れる前の地球からの望遠鏡による観測では、周囲より白く見えることから、かつては「オリュンポス雪原」と呼ばれていました。オリュンポス山という名前は、これを部分的に引き継いだものです。
長らく死火山と思われていましたが、2004年にドイツのチームが240万年まえに噴火した形跡を発見し、将来の噴火の可能性もあると発表しました。活火山である可能性も指摘されました。
火星の火山は数十億年という長い寿命の中で、数十万年から数百万年にわたって活動を休止することもあるそうです。