最近テレビを見ていると、やたらに日本人による「ギネス世界記録挑戦」という話題を目にします。
1.日本人の「ギネス世界記録」
(1)芸能人
これは長く愛される芸や番組を続けるなど、卓越した話術・才能などを認められた結果です。
①六代目桂文枝(桂三枝)(1943年~ )
「新婚さんいらっしゃい」(1971年1月31日~ )(毎週日曜日放送)
同一司会者によるトーク番組の最長放送世界記録保持者(更新中)
②黒柳徹子(1933年~ )
「徹子の部屋」(1976年2月2日~ )(毎週平日放送)
同一司会者によるトーク番組の最多放送世界記録保持者(更新中)
「徹子の部屋」は2015年5月72日「放送1万回」を迎え、ギネス世界記録に認定されました。
③愛川欽也(1934年~2015年)
「出没!アド街ック天国」(1995年4月15日~ )(毎週土曜日放送)
2014年、80歳の時に「世界最高齢の情報番組司会者」に認定されました。
④タモリ(1945年~ )
「笑っていいとも!」(1982年10月4日~2014年3月31日)(毎週平日放送)
2014年3月31日に、タモリは「同一司会者による生放送バラエティー番組の最多エピソード数」、番組は「同一チャンネルによる生放送バラエティー番組の最多エピソード数」でギネス世界記録に認定されました。
(2)町おこし・村おこしの一環
観光客を呼び込むための「町おこし・村おこし」の一環として「ギネス世界記録挑戦」が盛んに行われています。
①埼玉県行田市
最大の田んぼアート(27,195㎡)
1カ月で4万人以上の来場者があり、多数のマスメディアに報道される効果があったそうです。
②鳥取県鳥取市
最大の傘踊り(1,688人)
これは「鳥取しゃんしゃん祭」で披露される世界最大の「しゃんしゃん傘踊り」で、全国紙・全国ネットのテレビ局などで大々的に報道されるという効果があったそうです。
③広島県福山市
同時にブーケを贈り受け取った最大ペア数(539組)
「100万本のバラのまち」の意味を市民に浸透させ、郷土愛を育む効果があったそうです。
(3)その他
アミューズメント施設でも、ギネス世界記録を狙う所がいくつもあります。
①芝政ワールドの「トリプルザウルス」
世界一長くて高いウォータースライダー
②ナガシマスパーランドの「スチールドラゴン2000」
運転開始当時4項目「最高部・最大落差・最高速度・コース全長)で世界一のジェットコースターとして認定されました。
2.日本人の「いちびり精神」の表れか?それともテレビ局の仕掛か?
かつては、無謀で冒険的な挑戦は「物好きなヤンキー野郎」か「欧米人」の専売特許だと思っていました。しかし最近は地方自治体による「町おこし」「村おこし」、あるいはテレビ局の番組企画などで「ギネス世界記録挑戦」が増えたように思います。
フランスの英雄ナポレオンは「巨大な物」が大好きで、何でも巨大化させて役に立たず失敗することもあったようです。
関西地方で使われる方言に「いちびり」という言葉があります。「ふざけてはしゃぎまわること」、あるいは「ふざけてはしゃぎまわる人」(お調子者、目立ちたがり屋)のことです。
何事もほどほどにしないと、「後の祭り」になって後悔しますよ。ご用心、ご用心。