最近、テレビCMがわかりにくくなったと感じるのは、私が老人になったからでしょうか?
1.テレビCM
(1)最近のテレビCMの特徴
①早口で、何を言っているのか聞き取れない(滑舌が悪いのも原因か?)
②何という商品の宣伝なのかわからない
③商品の名前や特長をダイレクトに伝えるCMが少ない
④ショートストーリー調のCMが多い
かつて(昭和30年代)は、商品の名前や特長をわかりやすく説明するオーソドックスなCMが多かったように思いますが、最近はCMクリエーター・プランナーによる「奇抜なCM」や「凝ったCM」が多いように思います。
すぐ何の商品のCMかわかるものよりも、「あれ何のCMだっけ?」と心に引っかかる・気になるCMの方が尊ばれるのでしょうか?
最近大変話題になった「ハズキルーペ」のCMは、何の商品のCMかすぐわかるとともに、商品の特長もきちんと伝えており、消費者(ただし、私のような老人層だけですが)が今困っていることを率直に代弁してくれている「訴求力抜群の優れたCM」だと思います。
若い人には、このCMは不評だったようですが、総合的にはCMランキング1位になったことでもわかるように優れたCMです。
このCMは、同社の社長が、プロのCMクリエーター・プランナーによる企画書を見てことごとく却下し、CMには素人の社長が自ら企画し制作させたものだそうです。
「プロを信用しすぎない」ことです。彼らは「芸術家気取り」でひとりよがりな「作品」を作りたがる傾向があります。これに騙されなかったハズキルーペの社長は偉いと私は思います。
(2)最近のテレビCMのスポンサーの特徴
①ダイエット(「ライザップ」など)
②サプリメント(「青汁」「グルコサミン・コンドロイチン配合の膝腰痛対応サプリ」など)
③通信販売(「ジャパネット」など)
④司法書士・法律事務所(「過払い金返還」など)
⑤パチンコ(「マルハン」「平和」など)
⑥公営ギャンブルなど(競馬・競艇・ボートレース、宝くじ・ロト6など)
かつて(昭和30年代)は、繊維(「帝人」「東レ」「ユニチカ」ほか)、家電(「松下電器産業」「東芝」「日立」ほか)、自動車(「トヨタ」「日産」ほか)など、高度成長期に元気のあった業種のCMが多かったように思います。
2.新聞のCM
最近はスマホの普及で、ニュースもスマホで見る人が多くなり、新聞を定期購読する人は減少傾向にあります。
それにつれて、新聞に公告を出す企業が減少し、新聞社の経営も厳しくなっているようです。新聞社もネット上に「〇〇新聞電子版」というのを作っていますが、今後は電子版の比重がさらに高まるものと思います。
3.SNSのCM
最近はSNSが爆発的な普及を見せています。Facebook、Twitter、YouTube、Instagram、ブログなどがネット上に溢れています。
これらのSNS上に表示される広告は、運営者が独自に選択して掲示しているものもありますが、「cookie」という閲覧履歴追跡機能を使った「行動ターゲティング広告」も混じっています。
この「行動ターゲティング広告」は、テレビCMや新聞広告と異なり、ネット上の記事閲覧者の好みに合うような広告を表示することにより、商品購入に結び付きやすい広告と言えます。しかもCM掲載料も「その広告がクリックされ、閲覧された件数」に応じて支払うものなので、割安と言えます。
今後は従来のテレビCMや新聞広告のような「バラマキ広告」よりも「行動ターゲティング広告」の比重が高まって行くと私は思います。