「御堂筋歩行者道路計画」は馬鹿げている!緑地帯を撤去して「自転車専用レーン」新設すべき!

フォローする



御堂筋の魅力

最近、「御堂筋歩行者道路計画」というのがあることを知りました。そういえば、2018年の秋に、難波周辺の御堂筋の側道の一部を「車両通行止め」にして、影響がどの程度あるのかを事前調査していました。

しかし、この「歩行者道路計画」は、大阪市の関一市長が100年後を見据えた先見の明のある構想で、大阪の商業の発展に多大な貢献をしている「大阪の大動脈」たる御堂筋を完成させたのを、台無しにする無謀な計画ではないかと思います。

1.「御堂筋」の歴史

1889年(明治22年)に東京ー大阪ー神戸が鉄道で結ばれ、「大阪駅」は大阪の玄関口として重要視されるようになります。

1908年(明治41年)には、現在の「四ツ橋筋」が梅田ー難波間の最初の南北幹線道路として竣工しますが、基本的に大阪市電のために敷設された道路で、幅員も狭いものでした。

やがて船場・島之内を経由する南北幹線道路の必要性が叫ばれるようになります。そこで、1919年(大正8年)に当時の池上四郎大阪市長が、梅田ー難波間の道路を「都市計画街路第一号線」として、延長4km、幅員44mへ拡幅する事業計画を発表します。

その後、1923年(大正12年)に、元東京高商(現一橋大学)教授、大阪市助役を経て市長に就任した「都市計画学者」でもある関一氏は、将来を考えた都市計画を着々と進め、1926年(大正15年)から地下鉄御堂筋線建設と合わせて御堂筋拡幅工事に着手します。

一部の用地買収に時間がかかりますが、1937年(昭和12年)5月に現在の「御堂筋」が完成します。

2.「御堂筋歩行者道路計画」の概要

2018年3月に、国や大阪市のほか経済団体や沿道のまちづくり団体などの民間団体も参加した「御堂筋完成80周年記念事業推進委員会」は、「2037年までに淀屋橋ー難波間の約3kmの完全歩道化を目指す」という提言案を取りまとめました。

最初の段階は、「6車線のうち、側道2車線を全て歩道にする」計画です。

それによると、「2020年・2025年を節目として、側道の廃止や渋滞への影響調査をしながら段階的に歩道化の範囲を広げていく」見込みです。

この事業のコンセプトは、「みちから未来を考える」で、「車中心から人中心のみちへと空間再編を目指す」とされています。これは何だかかつての民主党政権の「コンクリートから人へ」のスローガンと似ていますね。

3.「御堂筋歩行者道路計画」の問題点

(1)「大阪の大動脈」を止めることになり、四ツ橋筋や堺筋が大渋滞を来たすこと

(2)「御堂筋」のアドバンテージがなくなり、かえって人の賑わいも減少すること。地下鉄利用客だけでは、現在のような賑わいは期待できないこと

(3)御堂筋沿いに新しい高級ホテルがここ1~2年の間に続々と誕生します。さらに、今後は古くなったビルの建て替えが加速し、ニューヨークのマンハッタンのような摩天楼ビル街になる可能性もあるのに、このようなホテルやデパート・商業施設などへ行くのに、「裏口」からしか入れないのでは、せっかく御堂筋に面している意味がなく、台無しになること

また、そんなことになればシャネルやルイヴィトン、オメガやフェラーリ等の海外高級ブランドの店舗も撤退する恐れがあること

(4)パトカーや消防車、救急車などの緊急車両が通れなくなるのも問題であること

(5)沿道の店舗への「荷物の積み下ろし」が、御堂筋側から出来なくなるため、東西方向に走る「通り」と呼ばれる細い一方通行の道を使用せざるを得なくなり、「通り」が大混雑すること

また、それによって、東西方向の細い「通り」を通る歩行者の安全確保に問題が出ること

(6)最近の訪日外国人観光客の増加で、大阪ミナミの御堂筋沿いの道路には、観光バスがたくさん駐車していますが、これが出来なくなると、遠方の駐車場まで移動する必要があり、不便になること

(6)足が不自由な「車いす」の人が、タクシーを使って御堂筋を通り、周辺の店舗、ホテルや劇場に行ったりすることが出来なくなり、大阪メトロでの「車いす」による乗降介助負担も増えること

4.「修正計画」の提言

私は、「歩道」については、以前に比べて随分広くなっているので、これ以上歩道を広げる必要はないと思います。

私は、逆に「大阪市役所から淀屋橋の間」のように、「本線」と「側道」の間にある「緑地帯」を撤去して、自転車の車線を増やすべきだと思います。

つまり、「側道」部分を少し幅を狭くして「自転車専用レーン」にし、「緑地帯」を撤去した部分を少し広げて「側道」に転用すべきだと思います。「側道」は、観光バスの駐車場所としてだけでなく、タクシーの乗降、店舗の荷物の積み下ろしのほか、右折車・左折車のためにも、絶対残しておく必要があると思います。

地下鉄や地下道からの「通風孔」については、上記のように「自転車専用レーン」を作ることにより、何か所か設けることが出来るのではないでしょうか?

また、1年に何回か日曜日か祭日に「フェスティバル」をするような時には、区域を限定して交通規制をし、「歩行者天国」にすればよいと思います。

これが定着してくれば、銀座の「歩行者天国」のように、毎週土曜・日曜・祝日の正午から夕方まで、区域を「心斎橋から難波まで」とかに限定して「歩行者天国」にするのもよいと思います。

もちろん、御堂筋への「過度の自動車集中による渋滞の緩和」のために、地下鉄やバスといった「公共交通機関の利用促進」も図るべきだと思います。しかし、「御堂筋から自動車を締め出す計画」というのは、「大阪の息の根を止めるような暴挙」だと私は思います。

歩道幅44m!?『御堂筋』の“6車線全て歩道化”へ前進!側道の一部区間を閉鎖(2020年12月3日)

ブログランキング・にほんブログ村へにほんブログ村