高齢の元官僚による交通事故が「さん付け」報道で「容疑者」でないのは疑問

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高齢者ドライバー

今年4月19日、東京都豊島区池袋で、高齢ドライバーが運転する乗用車プリウスが暴走し、自転車で走行していた母子が死亡し、8人が負傷するという痛ましい事故が発生しました。

この乗用車を運転していた飯塚幸三氏(87歳)が逮捕されず、「容疑者」として報道されることもなかった(「元院長」などの肩書報道で、実名を出しているマスコミは「さん付け」としていました)のは、疑問を禁じえません。

飯塚氏だけでなく、他の高齢ドライバーも同様に「逮捕されず、容疑者としても報道しない」という統一ルールがあるのであれば話は別です。

しかし、4月20日に発生した兵庫県神戸市の市営バスの運転手(64歳)が横断歩道の歩行者をはね、20代の男女2人が死亡し、20~50代の男女6人が重軽傷を負った事故では、運転手は現行犯逮捕された上、容疑者として報道されました。

1.元高級官僚だけが「逮捕されない」謎

バスの運転手や普通の高齢者ドライバーなら逮捕されるのが普通だと思いますが、彼に限って逮捕されないのはなぜでしょうか?

警察は「怪我をしていて」「逃走の恐れがないから」とコメントしていたようですが、なぜ元高級官僚だけが「逃走の恐れがない」と断言できるのかはなはだ疑問です。

国会議員の会期中の「不逮捕特権」のような何らかの「忖度」が働いているのでしょうか?

2.元高級官僚だけが「容疑者として報道されない」謎

警察が逮捕しない理由も釈然としませんが、マスコミがそろって、「容疑者扱い」せず、「さん付け」しているのも理解に苦しみます。

以前からの元高級官僚や政治家の犯罪記事をくまなく調べたわけではないのでわかりませんが、今回の報道の仕方には大いに疑問があります。

3.差別を厳しく糾弾するマスコミがなぜ特別扱いするのか疑問

「人種差別」を含む差別に対して常に厳しい目を向け、「弱者に寄り添う姿勢」を強調しているマスコミが元高級官僚を、「不逮捕特権」のある「上級国民」のような特別扱いにするのか、はなはだ疑問です。

マスコミ各社は政府や官僚を厳しく批判することが多いですが、今回はどこかに「忖度」しているのでしょうか?

この点については、マスコミ各社が国民に対して「丁寧に説明して納得してもらう責任がある」と私は思います。

マスコミには、「逮捕されるか、指名手配されなければ容疑者と呼ばない」というルールがあるようですが、その人が犯人かどうかはっきりしない状況なら「推定無罪」で「さん付け」でよいと思います。

しかし事故を起こしたことが明らかな今回のようなケースの場合、「本人も怪我をして入院しているので逮捕されてない」からといって、「さん付け」するのはやはりおかしいと思います。

一般国民から変な誤解や勘繰りを受けることを防ぐ意味からも、今までのルールの変更を検討する必要があるのではないかと思います。