京都「祇園祭」のトリビアと絶対外さない楽しみ方。限定「御朱印」もあります!

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祇園祭宵山

「コンコンチキチン、コンチキチン」という心地よい祇園囃子を聞くと、京都に夏がやって来たという実感が湧きます。

与謝野晶子に夜桜見物を詠んだ次のような和歌がありますが、祇園祭の宵山でそぞろ歩く人々の浮き浮きした顔を眺めていると私はなぜかこの歌を思い出します。

「清水(きよみず)へ祇園をよぎる桜月夜 今宵会う人みな美しき」

1.祇園祭のトリビア

(1)祇園祭は7月1日から7月31日までの1カ月間続く行事です

・7月1日:吉符入

・7月2日:くじ取式

・7月10日:お迎え提灯、神輿洗、前祭 鉾建て・山建て

・7月13日:長刀鉾稚児社参

・7月14日~16日:前祭宵山

・7月17日:前祭山鉾巡行、神幸祭

・7月18日~21日:後祭 山鉾建て

・7月21日~23日:後祭宵山

・7月24日:後祭山鉾巡行、花傘巡行、還幸祭

・7月28日:神輿洗

・7月31日:疫神社夏越祭

(2)縁起物の粽(ちまき)は食べられません

祇園祭の粽は、食べ物ではなく、「厄除けのお守り」です。

なお、各和菓子店では、食べられる粽も販売されていますので、ご安心ください。

(3)祇園祭の期間中、八坂神社の氏子さんと祇園祭関係者はキュウリを食べません

キュウリの切り口が、八坂神社のご神紋「祇園木瓜(ぎおんもっこう)」と似ていて、これを食べるのは「恐れ多い」とされているためです。

(4)「長刀(なぎなた)鉾」は前祭(さきのまつり)の不動の先頭です

古来、「くじとらず」と呼ばれ、毎年必ず山鉾巡行の先頭を進みます。また、「注連縄(しめなわ)切り」をする稚児が乗るのも、この「長刀鉾」だけです。

(5)「山」と「鉾」の違い

「山」は、「曳(ひ)き山」と「舁(か)き山」の2種類、「鉾」は、「鉾」「傘鉾」「船鉾」の3種類に分けられます。

「山」は、武器ではなく、見物客や神様の目を引くために趣向を凝らした「作り物」「見世物」の一種です。言わば「移動舞台」です。からくり人形などが演じられ、また「山」ということで常緑樹の松や杉を備え付けます。

「鉾」は、剣鉾などの金属製武器を20m以上の真木(しんぎ)の先に付け、その周りで鉦や太鼓などに合わせて踊って練り歩くという「風流拍子物」が起源だそうです。綾傘鉾の山鉾巡行を見ていると、時折「棒振り踊り」が見られます。そういうわけで、鉾には必ず「祇園囃子」があります。

(6)ユニークな山と鉾

動物をモチーフにしたユニークな山と鉾に、「蟷螂(とうろう)山」「鯉山」「鶏鉾」があります。

①蟷螂山:南北朝時代に町内に館を構えていた四条隆資が足利義詮に立ち向かった逸話を、町内に住む薬商の陳外郎大年宗奇が「蟷螂の斧」の故事に例えて、1376年に四条家の御所車にカマキリの作り物を乗せて巡行したのが始まりとされています。

②鯉山:中国の登竜門の故事を基にした山です。上段には鯉の彫刻と白麻緒で鯉が滝を登る姿が表されています。鯉の彫刻は江戸時代初期の名工左甚五郎作と伝えられています。懸装品は16世紀にベルギーで製作されたタペストリーが裁断されて飾られています。このタペストリーは、ギリシャの叙事詩「イーリアス」のトロイア戦争の一場面を描いたものです。

③鶏鉾:この意匠は、「古事記」の天の岩戸の物語にある「常世(とこよ)の長鳴鶏(ながなきどり)」に取材したものとも、中国古代の堯の時代の故事である「諫鼓(かんこ)」に由来するとも伝えられています。

(7)豪華な懸装品

山鉾の装いは「動く美術館」とも呼ばれるだけあって、豪華絢爛なものです。この豪華な懸装品は、よく見ると、西陣織だけでなく、約400年前にベルギーのフランドル地方で製作されたゴブラン織りの「タペストリー」もあり、京都人の国際性を感じさせます。

2.祇園祭とは

祇園祭は京都市東山区の八坂神社(祇園社)の祭礼です。明治以前は「祇園御霊会(ごりょうえ)」と呼ばれていましたが、明治維新の神仏分離令により、現在の名前となりました。

疫病の流行が続いたため、朝廷は863年に、神泉苑で初の御霊会を行いました。御霊会は疫神や死者の怨霊などを鎮め宥めるために行う祭で、当時は疫病も恨みを現世に残したまま亡くなった人々の怨霊の祟りであると考えられていました。

その後も864年に富士山の大噴火が起きたり、869年には陸奥の貞観地震が起こり津波によって多数の犠牲者が出たりして、社会不安が深刻化しました。

そこで869年に、全国の国の数を表す66本の矛(ほこ)を立て、その矛に諸国の悪霊を移し宿らせることで諸国の穢れを祓い、神輿3基を送り、薬師如来を本地とする牛頭天王(ごずてんのう)を祀り、御霊会を執り行いました。これが祇園祭の起源とされています。

室町時代の「応仁の乱」(1467年~1477年)による中断や江戸時代に発生した「京都の三大火事」と言われる大火による山鉾の被害、第二次大戦による中断などもありましたが、今日まで連綿として受け継がれています。

3.祇園祭の楽しみ方

(1)祇園祭限定の「御霊会朱印

祇園祭の期間中(7月1日~7月31日)、八坂神社では「御霊会朱印」という祇園祭限定の「御朱印」(500円)を授与しています。

(2)宵々山と宵山の方が楽しい

山鉾巡行の方向転換である「辻廻し」も祇園祭の見どころ・醍醐味の一つですが、夜に提灯の明かりが灯った山鉾をそぞろ歩きながら見る宵々山と宵山の方が楽しいと私は思います。

(3)家々に飾られる屏風を見るのも楽しい

祇園祭は別名「屏風祭」と呼ばれるように、山鉾町内の家々では秘蔵の屏風を座敷に出して、外からも鑑賞できるようにしています。これらの豪華な屏風を見ながら歩くのも楽しいものです。

(4)鱧料理も美味しい

祇園祭は、別名「鱧祭り」とも呼ばれています。京都人はもとより関西人にとって、この時期に鱧料理を食べるのはとても楽しみです。鰻ほど脂っこくないあっさりした味で私は大好きです。「鱧の落とし」「鱧寿司」「鱧の天ぷら」など、どの鱧料理も美味しいものです。



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