ウェイボー(微博)は中国最大のSNS。インバウンドにも貢献するが検閲もある!

フォローする



習近平

最近、中国のSNSである「微博(ウェイボー)」に、日本の木村拓哉さんや渡辺直美さんが投稿して話題になっているという話を聞きました。

一体「ウェイボー」とはどのようなものなのでしょうか?今回はこれについて掘り下げてみたいと思います。

1.「ウェイボー」とは

Weibo(正式には「新浪微博(シンランウェイボー)」は、新浪公司が運営する中国最大のソーシャルメディア・プラットフォームです。

「微」はマイクロ、「博」はブログの意味で、140字という「字数制限」があり、少ない文字数で発信する「ツイッター(Twitter)」とよく似ていることから、「中国版ツイッター」とも呼ばれています。

現在、ユーザー数は7億人、1日のアクティブユーザー(実際に使っている人)数は1.39億人にも上っています。その90%がモバイルからのログインだそうで、日本以上にSNSやスマホが普及しているようです。

なお、Weiboとよく似たソーシャルメディア・プラットフォームとして、「WeChat(微信)」があります。これは「中国版LINE」とも呼ばれています。

Weiboは「外に向けた発信」であるのに対し、WeChatは「閉じた空間での交流」です。

Weiboは、「転発(リツイート)」によってどんどん拡散されます。

2.中国のSNS事情

中国は「口コミ大国」です。現代においては、「微博」のようなSNSが重要な役割を担っています。

俳優・女優・文化人などはほとんど「ウェイボーアカウント」を持っており、ファッションや新しいグッズ、アイドルやサブカルチャー情報、健康情報や日本の観光地のコアな情報に至るまであらゆる情報が発信されています。

日本の有名人や日本企業の「対中国情報発信窓口」としても利用されています。

俳優の山下智久さん、AKB48、EXIILEなどの人気アーティスト、ゆるキャラのくまもんなどがアカウントを開設しています。

企業では、アパレル関係、航空会社、旅行代理店、電機メーカー、化粧品会社などが、「越境EC」での販売促進や「インバウンド」のプロモーションに活用しています。

3.中国当局の言論統制や検閲

中国では、1989年6月4日に起きた「天安門事件」に象徴されるように「民主化運動に対する弾圧」があります。

当局による言論統制や、検閲も行われています。最近では2018年2月に「国家主席の任期を2期10年までとする憲法条文を削除する改正案」を中国共産党が発表しました。これで習近平主席は任期が切れる2023年以降もその地位に留まれることになった訳です。

これについて、中国のSNSで批判的な議論が巻き起こったため、中国当局は一気にインターネットの検閲を強化しました。

「検閲される表現」は次のようなものです。

『賛成しない、移民、海外移住、再選挙、選挙期間、憲法改正、憲法規定、皇帝を自称、くまのプーさん』

最後の「くまのプーさん」は、ちょっと不可解に思う方も多いと思います。実はこれは、ネットユーザーたちが習近平につけた「あだ名」だからです。しかも多くの場合、侮蔑的な意味合いで使われているからです。

「ここまでやるか」という感じがします。今の習近平が指導する中国は、「チベット問題」におけるチベット族への人権侵害や弾圧を見てもわかるように、「天安門事件」当時よりもさらに言論統制や検閲がひどくなっているように思います。