図書館の有効利用法。つまらぬ本を読む無駄を避け、異分野の本からも閃きを得る

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前に、「最近の図書館は、新刊書が多く入るようになって魅力が増した」という記事を書きましたが、今回は読書の楽しみを倍増させる「図書館の有効利用法」について考えてみます。

1.芸術は長く、人生は短し

昔、誰かのエッセーで「自分は、つまらない本ほど最後まできっちり読む。その本は今後二度と読むことがないだろうから」という趣旨の話を読んだことがあります。

私は、その時若かったのですが、「そんなものかな?」と疑問を持ちました。

「Ars longa.vita brevis.」これは、古代ギリシアの医者ヒポクラテスが、「医術を学ぶには長い年月を必要とするが、人生は短いので怠らず励むべきだ」という言葉から来た警句です。

転じて、「芸術作品は作者の死後も後世に残るが、芸術家の生命は短い」と言う意味で用いられるようになりました。英語では「Art is long, life is short.」(芸術は長く、人生は短し)」です。

私は、勉強でも仕事でも「無駄な勉強や仕事はしたくない」という主義ですので、短い人生の中で、「つまらない本を読むのに時間を割く」のは馬鹿げていると思いました。

もちろん、自分が興味のあることは、他人から見て「つまらないこと」であっても、熱中することがありますが、自分が「つまらない本」と判断した本をいやいや読み続けることは無駄だと思います。

この人は、「良いと思った本」は何度も読み返す主義の人のようですが、私はそれもあまりお勧めできません。

確かに、「韋編三絶(いへんさんぜつ)」(*)という言葉もあり、「若いころ読んだ時は気付かなかったが、年を取ってから読んでみると違う感動があった」といった話もよく聞きますが、私はほとんどやりません。

(*)「韋編三絶」とは「史記」にある言葉で、何度も繰り返し本を読むことのたとえです。孔子が晩年、「四書五経」の一つである「易経(えききょう)」を愛読してそれを何度も繰り返して読んだので、その書を綴ったなめし皮のひもが何度も切れたという故事から来た言葉です。

たまに、漱石の本を少し読み返して、「この人は何と頭の良い人だったのだろう」と感心することはありますが、1冊の本を最後まで再読する気にはなれません。

再読するにはあまりにも、残された人生の時間が短いと自覚しているからです。ほかに興味のあることがたくさん出て来て、そちらに時間を割く方が、気分がよいからです。

2.図書館の有効活用法

若い頃、私は「汗牛充棟(かんぎゅうじゅうとう)」と形容してもよいようなたくさんの本に囲まれた書斎を自宅に作ることが夢でした。憧れといってもよいかもしれません。

しかし、現実には現代の住宅事情では、そのような広い贅沢な書斎を持つことは叶わず、主寝室の一角に「書斎コーナー」を設けて「自分の城」としています。

現在の家を新築した16年前に、長年にわたって購入した「蔵書」はハードカバーも文庫本もほとんど全部処分しました。しかし、負け惜しみに聞こえるかもしれませんが、このように身軽になって却って良かったと思っています。

その理由は、図書館を自分の書斎代わりに利用できるからです。私は最近、読書する場合でも、書店で新刊書を買うよりも、図書館を利用することが多くなってきました。

図書館の本は、書斎から取り出すように借りてきて「つまらない本」だと判断すれば、途中までしか読んでいなくてもすぐ返却すればよいからです。

もう一つの図書館の魅力は、雑多な分野の本がたくさん収蔵されていることです。

(0)総記(情報学、図書館、図書、百科事典、一般論文集、逐次刊行物、団体、ジャーナリズム、叢書)

(1)哲学(哲学、心理学、倫理学、宗教)

(2)歴史(歴史、伝記、地理)

(3)社会科学(政治、法律、経済、統計、社会、教育、風俗習慣、国防)

(4)自然科学(数学、理学、医学)

(5)技術(工学、工業、家政学)

(6)産業(農林水産業、商業、運輸、通信)

(7)芸術(美術、音楽、演劇、スポーツ、諸芸、娯楽)

(8)言語

(9)文学

このように、図書館には、超大型書店は別として、普通の書店ではあまり見かけない種類の本もたくさんあります。その中で自分が背表紙を見て、興味のあるタイトルの本があれば、気軽にちょっと立ち読みするだけでもよいし、一度借りて帰ってもよい訳です。

そして、つまらなかったら、すぐに返せばおしまいです。私は時々、自分がふだんは滅多に読みそうにないカテゴリーの書架の前で、本の背表紙を眺めることがあります。そして、いろいろなテーマについていろいろな人が昔から研究し、書物を著わしていることに感心します。

そういう本を「ひやかし」のような感じで立ち読みしている時に、今自分の考えていることに関係のあるような記述があったりして、ひらめくこともあります



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