日本語の面白い語源・由来(は-⑥)埴輪・鼻持ちならない・パンダ・番茶・敗北・羽目を外す・跋扈・捗る

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今城塚古墳・ハニワ

日本語の語源には面白いものがたくさんあります。

前に「国語辞典を読む楽しみ」という記事を書きましたが、語源を知ることは日本語を深く知る手掛かりにもなりますので、ぜひ気楽に楽しんでお読みください。

以前にも散発的に「日本語の面白い語源・由来」の記事をいくつか書きましたが、検索の便宜も考えて前回に引き続き、「50音順」にシリーズで、面白い言葉の意味と語源が何かをご紹介したいと思います。季語のある言葉については、例句もご紹介します。

1.埴輪(はにわ)

埴輪埴輪

埴輪」とは、「古墳時代に古墳の上や周囲に並べられた素焼きの土製品」です。「円筒埴輪」と「形象埴輪」に大別されます。

埴輪の「埴(はに)」は、赤や黄色のきめ細かい粘土のことです。
埴輪の「輪(わ)」は、輪のように並べて立てたことからとする説と、初期の埴輪は筒形の「円筒埴輪」が中心であったため、その形状からとする説があります。

2.鼻持ちならない(はなもちならない)

鼻持ちならない

鼻持ちならない」とは、「言動が嫌味で我慢できないこと」です。

鼻持ちならないは、「鼻持ち(が)ならぬ」が変化した語です。
鼻持ちとは、臭気を我慢する意味の名詞ですが、単独での使用例がなく、意味の不確かな言葉です。

「ならぬ」は「できない」という意味で、鼻持ちならないは、臭気が我慢できないという意味から転じたものです。

古くは、「鼻持ちがせられぬ」とも言いました。
また、臭くて鼻を向けることができないの意味から、「鼻向けならぬ」という類語表現もありました。

3.パンダ/panda

パンダ

パンダ」とは、「食肉目の哺乳類」です。ジャイアントパンダとレッサーパンダの二種ありますが、普通、ジャイアントパンダを指します。熊猫。

パンダ(panda)の語源には、ネパール語で「竹を食べる者」を意味する「ニガリヤ・ボンヤ(ポニヤ)(nigalya ponya)」に由来する説と、「手のひら」を意味する「パンジャ(panja)」に由来する説があります。

このうち、「竹を食べる者」からの説が有力とされています。

本来は、レッサーパンダを指して「パンダ」と呼んでいましたが、ジャイアントパンダが発見されたことで、パンダの呼び分けが必要となり、レッサーパンダは「小さいパンダ」の意味で「lesser panda」と呼ばれるようになりました。

中国語ではパンダを「熊猫」と呼び、「猫」の字が使われていますが、これも本来はレッサーパンダを指して「パンダ」と呼んでいたことに由来します。

それぞれを区別して言う場合は、ジャイアントパンダを「大熊猫」、レッサーパンダを「小熊猫」といいます。

4.番茶(ばんちゃ)

番茶

番茶」とは、「煎茶用に摘んだ後に残る、やや硬いや茎から作る緑茶」です。

番茶は、遅い時期にできる茶の意味で「晩茶」と呼ばれていました。
「晩茶」が「番茶」に変わったのは、最初に摘む「一番茶」に対し、二番目、三番目に摘んでつくる茶の意味からの当て字です。

番茶の語源には、「番傘」の「番」や、京都の一般家庭で作られる「おばんざい(御番菜)」の「番(ばん)」に、「普段の」や「日常の」「粗末な」などの意味があるため、高級品ではなく日常に飲まれる煎茶より品質が劣った茶の意味で、「番茶」と名付けられたとする説もあります。

しかし、元々「番」に「日常の」といった意味があったのではなく、「番茶」や「番傘」に「番」が付くことから、「番」に「日常の」の意味が加わったもので、この説は語源を辿る順序が逆です。

5.敗北(はいぼく)

敗北

敗北」とは、「戦いに負けること。戦いに負けて逃げること」です。敗走。

敗北の「北」は、方角を表しているわけではありません。
「北」の漢字は、二人の人が背を向け合っているさまを示し、「相手に背を向ける」「背を向けて逃げる」の意味があります。

そこから、戦いに負けて逃げることを「敗北」と言うようになり、単に、争いに負けることも意味するようになりました。

6.羽目を外す(はめをはずす)

羽目を外す

羽目を外す」とは、「調子に乗って度を越すこと」です。

羽目を外すの「羽目」は、馬を制するために口に噛ませる「馬銜(はみ)」が転じたものといわれ、「馬銜」は「はめ」とも読みます。

この馬銜を外して馬を自由にすると、自由に走り回って手がつけられなくなることから、調子に乗って度を越すことを「羽目を外す」というようになったと考えられます。

「羽目」の語源には「羽目板」の略とする説もありますが、羽目板を外すことから、調子に乗ったり、度を越す意味に転じるとは考え難いものです。

7.跋扈(ばっこ)

跋扈

跋扈」とは、「わがもの顔に振る舞うこと。勝手気ままに振る舞うこと。のさばりはびこること」です。

跋扈の「跋」は、「踏む」「踏みにじる」「踏み越える」などの意味があり、ここでは「越える」の意。
跋扈の「扈」は、「枠」や「籠」を意味し、ここでは魚をとる竹製のやなのこと。

大きな魚が「扈」を飛び越えてしまうことの意味から、ほしいままに振る舞うことをいうようになりました。

このたとえは、中国後漢の梁冀を「跋扈将軍」と呼んだことからといわれ、日本でも平安時代から見られます。

8.捗る(はかどる)

捗る

捗る」とは、「物事や仕事が順調にどんどん進むこと」です。進捗する。はかが行く。

はかどるの「はか」は、「はかる」「はかばかしい」などの「はか」と同源で、漢字では「捗」「果」「計」「量」などと書き、仕事の分担や目標・進み具合などを意味する語です。

「捗る」のほか「果取る」とも書くように、はかどるの「どる」は「取る」の意味と思われます。

「はかが行く(はかがゆく)」の形では平安時代から見られ、「はかどる」の形は江戸時代から見られます。