「新型コロナウイルス肺炎」は全世界に感染が広がる気配ですが、このような事態に対する各国民の反応・対応もさまざまで、国民性の違いを感じさせます。
そこで今回は、民族性や国民性を端的に表す面白い「エスニックジョーク」をいくつかご紹介したいと思います。
1.「エスニックジョーク」( ethnic joke)
「エスニックジョーク」とは、「ある民族の民族性、もしくはある国の国民性を端的に表すような話によって笑いを誘うジョーク」のことです。
国民性や民族性を大げさに皮肉ったり、はぐらかしたりするものなので、「ブラックジョーク」とも言えます。
(1)「沈没船ジョーク」(「タイタニックジョーク」)
各国の国民性を的確に表す「沈没船ジョーク」という面白いジョークがあります。
「豪華客船」と言えば、最近では「新型コロナウイルス肺炎騒動」の「ダイヤモンドプリンセス号」を思い浮かべますが、古くは1912年の処女航海中に北大西洋上で氷山に衝突して沈没した「タイタニック号」がありますね。
「沈没船ジョーク」は「タイタニック号」のような豪華客船を想像してもらえば結構です。ただし、場所は「夜の氷の海」ではなく「昼の暖かい海」だと考えた方がよさそうです。
世界各国の人々が乗った豪華客船が沈没しかかっています。しかし、乗客の数に比べて、脱出ボートの数が足りません。そのため船長は乗客を海に飛び込ませようとしますが・・・。さて、船長が各国の人を飛び込ませるために言った言葉とは何でしょうか?
アメリカ人に対して・・・「飛び込めばヒーローになれますよ」
ロシア人に対して・・・「海にウォッカのビンが流れていますよ」
イタリア人に対して・・・「海で美女が泳いでいますよ」
フランス人に対して・・・「決して海には飛び込まないでください」
イギリス人に対して・・・「紳士はこういう時に海に飛び込むものです」
ドイツ人に対して・・・「規則ですので海に飛び込んでください」
中国人に対して・・・「おいしい食材(魚)が泳いでいますよ」
日本人に対して・・・「皆さんはもう飛び込みましたよ」
韓国人に対して・・・「日本人はもう飛び込みましたよ」
北朝鮮人に対して・・・「今が亡命のチャンスです」
関西人に対して・・・「阪神が優勝しましたよ」
これは日本人ではなく、各国の国民性をよく知る外国人が作ったジョークだそうです。各国の国民性を面白くかつ的確に言い当てていますね。
なお、最後の関西人に対してのジョークは「後で付け足されたジョーク」のようです。
話は横道にそれますが、「沈没船」といえば、私は二つの事件を思い出します。
一つは「ノルマントン号事件」です。イギリス人船長以下ヨーロッパ人の乗組員は全員助かったのに、日本人乗客全員とインド人乗組員が船に取り残されて犠牲になった事件です。この時、付近の和歌山の住民は漂流している乗組員を必死に救助しました。
もう一つは「エルトゥールル号事件」です。「ノルマントン号事件」と同じ和歌山沖で沈没したトルコ軍艦の乗組員を、付近の和歌山の住民が必死で救助したものです。
(2)中国人・アメリカ人・日本人3人の「列車旅」
①アメリカ人が火をつけたタバコを一服吸っただけで窓から投げ捨てた。中国人「もったいない」、アメリカ人「アメリカではタバコは捨てるほどある」
②日本人がカメラを窓から投げ捨てた。中国人「もったいない」、日本人「日本ではカメラは捨てるほどある」
③中国人が隣に座っていた中国人を放り出した。アメリカ人と日本人「何をするんだ」中国人「中国では人間は捨てるほどいるから」
(3)世界的な音楽コンクール
開始1時間前に「ドイツ人」と「日本人」が来る
30分前に「ユダヤ人」がやって来る
10分前に「アングロサクソン」が現れる
開始時刻ちょうどに「スラブ系」が到着する
5分遅刻して「フランス人」が滑り込む
15分遅れて「イタリア人」が現れる
30分以上経ってから「スペイン人」がようやく現れる
「ポルトガル人」がいつ来るのかは誰も知らない
(4)国際的な学会に遅刻したら
アメリカ人・・・内容を薄めて時間内に収める
イギリス人・・・普段通りのペースでしゃべり、途中でやめる
フランス人・・・普段通りのペースでしゃべり、次の発言者の時間に食い込んでもやめない
ドイツ人・・・普段の二倍のペースでしゃべる
イタリア人・・・普段の雑談をカットすれば、時間内に収まる
日本人・・・そもそも遅刻しない
(5)走る
イギリス人・・・歩きながら考える
フランス人・・・考え終わると走り出す
スペイン人・・・走り終わってから考える
ドイツ人・・・みんなが走り始めると走り出す
イタリア人・・・情熱で走り出す
ロシア人・・・ウォッカのために走り出す
日本人・・・走るために走る
(6)もしも明日世界が滅亡するなら
アメリカ人・・・軍事力で何とかしようとする
イギリス人・・・明日の午後のティータイムに呼ぶ人を考える
フランス人・・・世界の終焉を芸術にしようとする
ドイツ人・・・明日までに新技術を開発して、滅亡を防ごうとする
イタリア人・・・最後のベッドを共にする女性を探す
ロシア人・・・明日はウォッカを飲んでも二日酔いにならないと喜ぶ
日本人・・・会社に行って、仕事を明日までに終わらせる
(7)コロナ禍の今、何が必要か
(「ニューズウィーク日本版」の「ポストコロナを生き抜く日本への提言2020.5.5/12」早坂隆氏の記事から引用)
アメリカ人・・・勇気だ
ドイツ人・・・ルールだ
フランス人・・・愛だ
日本人・・・技術だ
最後にロシア人・・・ウォッカだ
みんなが不思議そうに聞いた。
「ウォッカを飲むとウイルスを抑制できるのですか?」
ロシア人が答えた。
「ウイルスを抑制することはできません。しかし。不安を抑制することはできます」
2.日米中の首脳を「うそ発見器」にかけたら
これは、それぞれの国民性を表す「エスニックジョーク」とは違います。「日米中の首脳がウソ発見器にかけられたら?」というブラックジョークですが、面白いのでご紹介します。
習近平主席と安倍首相とトランプ大統領がかけられた「ウソ発見器」は、ウソをつくと「ビー」とブザーが鳴る装置です。
初めに習近平主席「私はいつも考えています。中国だけでなく世界中が豊かになればいいと」ウソ発見器「ビー、ビー、ビー」
次に安倍首相「私はいつも考えています。日本と北朝鮮が良き友人になればいいと」ウソ発見器「ビー、ビー、ビー」
最後にトランプ大統領「私はいつも考えています」ウソ発見器「ビー、ビー、ビー」
これは、日中首脳は「言っていることは本心ではない」という意味ですが、「トランプ大統領は何も考えていない」という痛烈な皮肉です。
3.天下人と「ホトトギスの鳴かせ方」の比喩(蛇足)
ところで、天下人の性格を面白く表した次の句はよく知られていますね。
信長(非情な性格):鳴かぬなら殺してしまへ時鳥(ほととぎす)
秀吉(人たらしの性格):鳴かぬなら鳴かして見せふ杜鵑(ほととぎす)
家康(忍耐強い性格):鳴かぬなら鳴くまで待とう郭公(ほととぎす)
これは、信長・秀吉・家康の性格を端的に表した有名な句ですが、江戸時代の肥前国平戸藩主の松浦静山の随筆集「甲子夜話(かっしやわ)」に出てくる話です。
「鳴かないホトトギス」は、「天下統一を邪魔する者の比喩」です。