安倍首相はなぜ「緊急事態宣言」を出さないのか?「アベノマスク」配布は愚策!

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新型インフルエンザ特措法の仕組み

1.今や「緊急事態宣言」を出すべき時期ではないか

ここ数日、東京の「新型コロナウイルス肺炎」感染者数が急増しており3ケタになるのも時間の問題です。大阪や関西圏のその他の府県でもクラスターによる感染者が急激に増えています。

吉村大阪府知事や小池東京都知事も先日来、政府に対して「緊急事態宣言」を出すべきだとの意見を述べています。

首相が緊急事態宣言を出す前に意見を聞く「諮問委員会」では、既にほぼ意見は一致しているようです。諮問委員会委員である日本医師会常任理事の釜萢敏氏は、「爆発的な感染の拡大が起こってから緊急事態宣言を出してももう手遅れであるということから、宣言をして頂いた方が良いのではないかという意見がほとんどです」と話しています。

アメリカ、イタリア、スペイン、チェコ、ハンガリーなど15の国と地域では「非常事態宣言」や「緊急事態宣言」を出していますし、フランスやドイツも「外出禁止令」を出しています。

今や日本も国として「緊急事態宣言」を出すべきだというのは多くの人の一致した気持ちではないかと思います。

しかし、安倍首相はなぜか「現在はぎりぎり持ちこたえており、緊急事態宣言を出す状況ではない。しかし少しでも気を緩めればいつ感染が急拡大してもおかしくない。ぎりぎり瀬戸際の状況だ」と繰り返しています。

2.首相が「緊急事態宣言」に慎重な理由

首相は、宣言発令によって経済が大打撃を受けて、雇用不安・大量失業・株価暴落などが起こり、「アベノミクス」の成果が吹っ飛んでしまうことを恐れているのではないかと思います。それによって安倍政権が厳しい批判にさらされて、政権運営に暗雲が垂れ込めることを懸念しているのではないでしょうか?

また、さまざまな「私権制限」が起きることに対する批判を極力避けたいという気持ちもあるかもしれません。

「緊急事態宣言」を発令することになっても、フランスのような「ロックダウン」(都市封鎖)は行えないと明言しています。

それよりも、日本ではゆるやかな「自粛要請」という国民全体へのお願いベースだけで、感染急拡大を防止できると考えているようです。

しかし、首相のこの考えは甘いのではないかと私は思います。むしろ今こそ躊躇なく宣言発令すべきだと思います。

国民の生命・財産・健康を守ることは、政府の最も重要な責任であり、経済が大打撃を受けることへの対応策は別途考えるべき問題だと思います。

「1世帯に布マスク2枚」(いわゆる「アベノマスク」)のようなちまちました対策ではなく、思い切った金銭給付や休業補償などの経済対策もセットにして、早急に「緊急事態宣言」を出すべきだと私は思います。

多くの国民はマスクが店頭で手に入らなくなってからは、不織布の使い捨てマスクの内側にガーゼなどを当ててそのガーゼを取り換えるようにしたり、ハンカチや紙ナプキンなどで「手作りマスク」を作ったりするなど工夫を凝らしています。今回のアベノマスク配布はタイムリーでなく、適切とは言えません。

余談ですが、4月2日に朝日新聞デジタルが出した「布マスクは有効?WHOは『どんな状況でも勧めない』」との見出しの記事は、安倍政権への攻撃材料とするための悪意ある見出しで、写真週刊誌等ならいざ知らず「日本の三大新聞の一つの報道としては。極めて不適切かつ不正確」なものです。

WHOの話は「専門家や医療従事者向け」のものです。上記記事の最後には、専門家の「他人にうつさないという目的を考えれば、『つけない』という選択肢はない」という話を載せていますが、見出しだけ読む人(ヘッドラインリーダー)も多いことを考えれば、誤解を生みやすいと思います。

3.「緊急事態宣言」のメリット・デメリット

(1)メリット

①「自粛要請」だけでは、「金銭的な補償」の裏付けがないため、どうしても徹底を欠くが、「金銭的な補償」も明確にして緊急事態宣言を出すことによって、クラスター感染源の店名公表などの協力も得やすくなり、飲食・宿泊・観光関連の店舗や企業の休業協力も受けやすくなること

②国民全体に、「新型コロナウイルス肺炎」が極めて恐ろしいパンデミックであり、今は感染拡大防止に全員が協力すべき時であるとの認識を強く印象付けることが出来ること

③医療崩壊を招かないように、ホテルや企業施設などを医療施設へ一時的に転用したり、医師・看護師・医療設備機器の感染拡大地域への重点配置などの施策を迅速かつ適切に行いやすくなること

④「緊急事態宣言」の対象地域に指定されると、都道府県知事は外出やイベントの自粛、学校や娯楽施設の使用制限などの要請を、知事の判断で行えるようになること

(2)デメリット

①「休業補償」や「休業中の従業員への給与収入補填」などの財政負担が生じること

②広範な私権の制限や、過度の国家統制、国家権力の濫用が起きる恐れがあること

4.「緊急事態宣言」の法的根拠と具体的内容

(1)法的根拠

2020年3月13日に、「新型コロナウイルス肺炎」を「新型インフルエンザ対策特別措置法」の対象に加える改正法が可決成立し、3月14日から施行されました。

これにより、日本は「新型コロナウイルス肺炎」に関して「緊急事態宣言」を発令することが可能になりました。

(2)具体的内容

安倍首相によって「緊急事態宣言」が出されると、指定区域の「各都道府県知事は、市民に外出を自粛するように指示したり、さらには学校休校の要請または指示を出すことなどができる」ということです。

海外の「ロックダウン」(都市封鎖)で見られるような「道路の封鎖」や「鉄道・バスの運行中止」「強制的な自宅待機命令」などは出来ないことになっています。

①まん延防止措置

・外出自粛要請

・学校、興行場使用制限

・催し物の中止

②医療体制確保措置

・診療提供、医薬品販売義務

・臨時医療施設開設のため土地、建物収用

③国民生活安定措置

・ワクチンなど緊急物資運送指示

・特定物資売り渡し指示

5.「緊急事態宣言」を出す場合の留意点

この宣言発令によって、国民に不安心理やパニックを起こしては元も子もありませんので、くれぐれもその内容をわかりやすく国民に説明してほしいものです。

そして、国民がいたずらに恐怖心を持ったり、買いだめ・買占めに走ったりするパニックを起こさないように、国民に注意喚起をして頂きたいと思います。