新型コロナウイルス肺炎の感染拡大防止のために、「営業自粛」要請が広範囲・長期間にわたって行われた結果発生する「コロナ不況」への対策として、「全国民1人あたり10万円給付」が決まったほか、「休業補償」「消費税の引き下げまたは廃止」「家賃・学費の猶予または免除」「各種税金の減免」「実質無利子・無担保融資」などさまざまなことが提案されています。
しかし果たして効果はあるのでしょうか?財源はどうするのでしょうか?また公平性に問題はないのでしょうか?「リーマンショック以上の不況」とか「大恐慌になる可能性」も指摘されています。
そこで今回は「コロナ不況の克服方法」について、私の提案をご紹介したいと思います。
1.金利の引き上げ
現在日銀はすでに金利を下げ過ぎて、マイナス金利になっています。そしていろいろな悪影響・副作用・弊害が出て来ています。これ以上金融緩和して「国債買い入れ上限の撤廃」をしても、有効な金融政策とはなり得ないと思います。逆説的に聞こえるかもしれませんが、むしろ金利を引き上げるべきです。
「金利の引き上げ」の効果としては、次のようなことが期待できます。
①預金金利上昇で預金者の金利収入が増え、消費を刺激できる
「消費税の引き下げ」よりも消費刺激効果は大きいと私は思います。国債買い入れを増やしても、大多数の国民には何の恩恵もありません。設備資金需要などが冷え込んでいる現在、市中に回る金を増やすという「国債買い入れ無制限」政策はあまり説得力がないと思います。
住宅ローン金利は現時点で史上最低金利になっているのですから、この際、大多数の預金者に恩恵をもたらす「金利の引き上げ」をぜひ実行してほしいと思います。
②マイナス金利政策で経営的に苦しい銀行(特に地方銀行)の経営改善が期待できる
利ザヤがほとんどなくなり、現在でも地方銀行は相当苦しい経営状態だと思いますが、コロナ不況が本格化すれば「金融危機」も起きかねません。その意味でも「金利の引き上げ」が必要だと思います。
2.労働力のシフト
「労働力のシフト」の効果としては、次のようなことが期待できます。
①失業者を、従来外国人労働力に頼っていた農業・介護・サービス業などの他業種へシフトさせることで、人手不足を解消できる
3.他業種・業態への業種・業態転換の促進
「他業種・業態への業種・業態転換の促進」の効果としては、次のようなことが期待できます。
①経営の苦しい中小零細企業の個人事業主が「世の中にニーズのあるほかの業種・業態へ転換したら補助金を支給する」ようにすれば、過当競争の緩和にもつながる
②不要不急業種・有害業種を減らし、有用業種の増加が期待できる
4.パチンコ店の営業を法律で禁止
既に2006年に、韓国では、パチンコ店の営業を法律で禁止しています。
「パチンコ店営業の法律での禁止」の効果としては、次のようなことが期待できます。
①ギャンブル依存症の患者を減少させることができる
以前から「ギャンブル依存症」問題は指摘されて来ましたが、今回の「緊急事態宣言」による「営業自粛要請」が出ても、それを無視して営業を継続するパチンコ店があり、しかも、その店に客が他府県からも押し寄せるという事態が連日報道されていました。
もちろん、「パチンコ店の営業の禁止」には、利権を持つ警察や国会議員などの抵抗も予想されますが、この機会にぜひ「パチンコ店営業の法律での禁止」方針を政府の方で決断してほしいものです。
②北朝鮮や暴力団への資金源を断つことができる
③犯罪の減少が期待できる
④いままで「パチンコ代」に回っていたお金が消費に回り、消費を刺激できる