2020年6月に河井克行元法相と妻の河井案里参院議員が公職選挙法違反事件で逮捕されましたが、国会議員にはそれほど魅力・旨味があるのか、その他の利権も多いのかとつくづく考えさせられます。
新型コロナの感染拡大で経済的に苦しむ国民感情に配慮して、国会議員の歳費(給与)が5月から1年間2割削減となりました。2割削減後の給与は約103万円で、税引き後約77万円です。しかし、2割削減となるのは月の給与のみで、年2回の期末手当(ボーナス)(約635万円)や年間1200万円の文書通信交通滞在費などの活動費は削減されていません。
今回は日本の国会議員や地方議員の報酬が諸外国に比べて格段に高く「世界一」という事実をご紹介します。
1.国会議員の報酬
<スイスインフォ2016/5/11記事「議員の給料 国会議員はいくら稼ぐのか?」より引用>
最近、日本の政治家の倫理観を問うようなニュースが続いていますが、「日本の国会議員の給料は世界一」だということはあまり知られていないのではないでしょうか?
イギリスの上院は「貴族院」(House of Lords)と呼ばれるように、歴史的に貴族が世襲で構成していました。1999年労働党ブレア政権の改革により、世襲貴族の議席が大幅に削減され、今では一代貴族を中心とする任命制になっています。しかし昔からの伝統で、今でも無報酬を踏襲しています。一代貴族でも、ほとんどの議員は資産があるため、議員は「名誉職」といった位置づけなのです。
イギリスの下院(House of Commons)の「議員報酬」は、2019年度で年収にして79,468ポンド(約1,060万円)で、これに「各種手当」が加わります。この手当は各議員が「実費を請求」することになっており、その明細は専用のインターネットサイトで詳しく公開されます。
日本の国会議員の報酬についても、イギリスの上院や下院の報酬制度も参考にして引き下げて行くようにすべきだと思います。
2.地方議員の報酬
諸外国の地方議員は「低報酬・ボランティア」のところが多いようですが、日本は突出して高報酬となっており、国会議員と同様に「世界一」です。やはり、改善の余地が十分にありそうです。
日本の場合は、高報酬の上に、「利権」などが絡んで「政治屋」とも言うべき地方議員が多いことも問題です。
3.今後の日本の進むべき方向
前に「参議院廃止・議員定数削減・公務員給与引き下げを実現すべき」という記事を書きましたが、この私の考えは今も変わっていません。
さらに一歩進めて、多くの外国の例に倣って、「国会議員も地方議員も、原則無報酬か低額ボランティアにする」方向に持って行くべきではないかと思います。
そうすれば、大金をばらまいたり饗応・接待などの買収をして、血眼になって議員を目指す人は少なくなる、あるいは全くいなくなるのではないでしょうか?ちょうど「自治会の会長その他のボランティア役員」のように・・・
その実現のためには、与野党を問わず「見識の高い良識ある現役議員」ないしは「首相や地方自治体の首長」が率先して改革に動き出さないことにはどうしようもありません。
マスコミも、いたずらに「政権批判」だけに終始するのではなく、「この国のかたち」をより良くするために、こういった点にもメスを入れて世論を高めて行ってほしいものです。