AIで「ハピネス度(幸福度)」を測定するテクノロジーはAI過信の象徴!

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ハピネス度

前に「国民の幸福度世界一のブータン」の記事を書きましたが、最近日立がAI技術を駆使して幸福度を測定するという「ハピネステクノロジー」を開発し、組織マネジメントに活用しようとする企業からの注文も多いとの報道がありました。

1.日立がハピネス度(幸福度)計測技術を事業化する子会社設立

日立製作所は、同社が独自開発してきた「幸福度計測技術」を事業化する新会社「ハピネスプラネット」を2020年7月20日に設立するそうです。まずは組織マネジメント支援の事業を展開するとのことです。

この「幸福度計測技術」とは「人や組織の幸せ度を身体行動や生化学現象から解析する技術」だそうです。

人の無意識な身体運動パターンの中に、幸福感と強く相関する普遍的な特長があることを発見したそうです。

幸福度を「ハピネス度」として計測・定量化し、数値により見える化できるようになった点が大きな成果だということです。

2.幸福度は一律に定義できない

しかし「幸福度」というのは、各個人の考え方や感じ方によって変わってくるもので、一律に定義できるものではないと私は思います。「経済的な幸福度」もあれば「精神的な幸福度」、「政治的な幸福度」、「宗教的な幸福度」もあると思います。

かつて「国民の幸福度世界一」と言われたブータンは、GDP(国民総生産)ではなく、GNH(国民総幸福量)という独自の指標を掲げ、その最大化を目標としていました。つまり、「経済的な豊かさではなく、精神的な豊かさを重んじる」ということです。

「豊かになることによる幸せではなく、当たり前の生活を送れる幸せ」ということで、「1日3食を食べられて、寝る所があって、着るものがあるという安心感がある。それだけで満ち足りていて幸福だと思える」ということです。

3.AI過信は禁物

AI(人工知能)は、今やコンピュータサイエンスの枠を超えて、実社会特にビジネスの最前線での本格的な活用が始まっています。

企業の競争力向上や働き方改革という組織マネジメントの根幹にAIを活用する企業が増えているのは事実です。

ただし、クルマの自動運転・「スマートシティーやスーパーシティー」・無人兵器AI絵画・コンピュータ棋士など、AIが人間の頭脳を超える「シンギュラリティ」を身近に感じるようになった昨今ですが、私は「AIを活用しコントロールするのはあくまでも人間である」という考えを強く持っています。

「AIが勝手に一人歩きする社会」は猛獣を放し飼いにするようなもので、想像するだけで恐ろしい気がします。

「AIを使えば何でも出来る」という考え方はAI過信であり、「AIに何でもやってもらおう」という考え方は人間の能力や感覚を退化させるものです。AIを決して過信し過ぎないように心したいものです。