「深層心理学」とは?「フロイト」「ユング」「アドラー」について考える

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(フロイト)

ユング2

(ユング)

(アドラー)

「深層心理学」と言えば、「フロイト」「ユング」が有名ですが、「アドラー」も「深層心理学の三巨人」の一人に数えられています。

たまたま昨年、私が派遣社員向けの研修で「アドラー」の話を聞いたので、この機会に考えて見たいと思います。

1.「深層心理学」とは何か?

「深層心理学」とは、「人間の意識や行動のほとんどは『精神の無意識的な部分の働き』によって支配されている」という考え方に基づいて、その無意識の部分(識閾下)、すなわち人間の心の深層を解明して、それによって人間の意識や行動を理解しようとする心理学です。

2.「フロイト」(1895年~1982年)とは

「フロイト」はオーストリアの精神医学者・精神分析学者・精神科医で、ユダヤ人です。彼は「夢判断」「精神分析入門」「リビドー説」などで日本でもよく知られています。

彼は人間の隠し持つ「無意識」すなわち抑圧された欲求や幼児期の心的外傷(トラウマ)に注目したのです。

彼は、人間の全ての行動の背後には必ず心理的な裏付けがあると考えました。そして、その心理的な裏付けのほとんどは「無意識」であると唱えたのです。

そして、「夢とは無意識の現れである」と主張しました。

1938年、ナチスのウィーン占領の際、イギリスに亡命し、翌年同地で亡くなりました。

3.「ユング」(1875年~1961年)とは

「ユング」はスイスの心理学者・精神分析学者・精神科医です。最初フロイトの精神分析に共鳴して、その発展に貢献しますが、のちに独自の「分析的心理学」を確立し「集合的無意識」および「元型」「自己」の存在を主張します。また、性格を「内向型」と「外向型」の2類型に分類したのも彼です。「コンプレックス」の概念でも有名です。

彼は人間の隠し持つ「集合的無意識」すなわち個人の無意識だけでは説明しきれない民族や人類に普遍的に存在する無意識に注目したのです。

4.「アドラー」(1870年~1937年)とは

「アドラー」はオーストリア出身の精神科医・心理学者です。「自己啓発の父」として、最近注目されるようになりました。

彼は最初フロイトと研究を共にしていましたが、のちに決別し独自の「個人心理学」を構築します。

彼は人間の隠し持つ「目的」に注目したのです。

彼は、「全ての悩みは対人関係である」とし、フロイト的な「原因論」を覆して「目的論」を唱えました。人は過去の原因によって突き動かされるのではなく、今の「目的」に沿って生きていると主張しました。

アドラー心理学では、次の6つのライフスタイルが提示されています。

①欲張りタイプ、②赤ん坊タイプ、③人間機関車タイプ、④自己抑制タイプ、⑤興奮探しタイプ、⑥安楽タイプ

要はどのように人と接するかによる分類です。

トラウマを否定するアドラーは、「人生(生き方)とは、いつでも選択可能なもので、過去にどんなつらいことがあったとしても、これからどう生きるかには関係ない」「人は変われないのではなく、変わらないという決心を下しているに過ぎない。それは変わる『勇気』を持たないからだ」と主張しています。ここから「アドラー心理学」は「勇気の心理学」とも呼ばれます。

「勇気の心理学」の「勇気」とは、普通の意味とは異なり、①自分には能力(自己管理能力・貢献能力)があり周囲は仲間(困った時には助けてくれる人)だという感覚、②困難を協力的に克服する活力という意味だそうです。

私は、人間の意識や行動が、無意識の深層心理に基づくという「深層心理学」の考え方には違和感を覚えます。

それぞれの人間が、経験や学習で身に付けた理性的な「知識」や「信念」も、意識や行動に大きく影響していると思うからです。もちろん、それらの知識や信念が、無意識のようにその人間の行動を規定しているという風にとらえることは出来るかも知れません。

また、「アドラー心理学」のように、「全ての悩みは対人関係である」というのは一面的で、「自己啓発」としての考え方としては意味があるとしても、これで対人関係が改善するとは思えません。ましてや国際関係の解決に役立つとは考えられません。



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