皆さんは「流れ星」を実際にご覧になったことがありますか?私は子供のころ、偶然に1度だけ「あっ、星が流れた!」とほんの一瞬の出来事でしたが見た記憶があります。
「星に願いを」というディズニー映画「ピノキオ」の主題歌もありますが、「流れ星が流れている間に願い事を3回心の中で繰り返せば願い事が叶う」という言い伝えもありますね。
このように流れ星は、我々に「宇宙」を身近に感じさせる「天体ショー」と言えます。
ところで、毎年ほぼ一定して流星群を見ることができる「三大流星群」の一つが「しぶんぎ座流星群」です。あと二つは「ペルセウス座流星群」と「ふたご座流星群」です。
そこで今回は「しぶんぎ座流星群」についてわかりやすくご紹介したいと思います。
1.「しぶんぎ座流星群」の楽しみ方
「ペルセウス座流星群」は真夏の8月、「ふたご座流星群」は真冬の12月に見ることができる流星群であるのに対し、「しぶんぎ座流星群」は「ふたご座流星群」より少し後の12月末~1月中旬に見ることができる流星群です。
(1)見頃の日時・方角・観測に適した場所
毎年12月28日頃から1月12日頃にかけて出現し、1月4日に極大化(見ごろ)を迎えます。
ピークの1月4日夜は、晴れていれば1時間で最大45個ほどの流れ星が見られそうです。
「国立天文台」によると、流星群が活発になるのは放射点が上がって来る真夜中頃からで、観察のチャンスだそうです。6時頃に空が白み始めるまで観察することができます。
見る方角を気にする必要はありません。
視界が開けた場所で街灯や月明かりのない方向を選び、目が暗闇に慣れるまで15分以上観察し続けると見やすいでしょう。
(2)名前の由来
「しぶんぎ座流星群」は、「うしかい座(牛飼い座)」と「りゅう座(竜座)」の境界付近を放射点として出現する流星群ですが、かつてこの流星群の放射点の近くにフランスの天文学者ラランドが「四分儀座」という星座を設定していたため、このように呼ばれています。
なお、「四分儀座」は、1928年に国際天文学連合によって廃止されたため、別名の「りゅう座流星群」が正式名称となりました。しかし、流星観測者が依然として「四分儀座流星群」と言う名前を慣例的に使い続けたため、2009年8月の国際天文学連合総会で「しぶんぎ座流星群」が慣例を引き継ぐ形で「正式名称」に復活しました。
2.「しぶんぎ座流星群」の母天体
母天体については諸説あり、まだ確定していません。2003年に発見された小惑星番号196256の小惑星(仮符号2003EH1)が近年では有力視されています。
3.「流星」と「彗星」の違い
どちらも尾を引いて光るものですが、「流星」は「宇宙の塵が発光する現象」で、「彗星」は「太陽系の小天体」です。
「彗星」(ほうき星)は、氷に個体微粒子が混じった太陽系の小天体で「汚れた雪玉」とも呼ばれます。太陽に近づくと熱で氷が溶け、表面から放出されたガスや微粒子が太陽の光に反射し光って見えます。
尾は太陽風に飛ばされてできるため、進行方向に関係なく、太陽と正反対の方向に伸びます。
「流星」(流れ星)は、宇宙の塵が地球の大気中に高速で突入し、その際の摩擦によって光って見えます。
「流星」も尾を引いて光りますが、高度100キロ付近で光り始め、多くは70キロ付近で燃え尽きてしまうため、地上から見ると一瞬光って見えるだけです。
また、燃えながら地球に近づいているため、流星の尾は進行方向の後ろに伸びます。