「古事記」の天地開闢神話をわかりやすく紹介!ただし荒唐無稽で矛盾も多い!

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国生み

古事記」は712年に編纂された「日本最初の歴史書」と言われています。上中下の3巻からなり、上巻では「天地創造」から「神代」を語り、中・下巻では「初代神武天皇」から「33代推古天皇」までの事蹟を記しています。

全体の3分の1が「神代の神話」ですが、その理由は「天皇制を正当化し権威付けをして、永続する国家基盤を作るためには、天皇家が神の子孫であることを示し、支配体制の根拠とする必要があったから」です。

この「神代の神話」は、「天地開闢」といい「出雲と天孫降臨」「高千穂と神々の戦い」といい奇妙奇天烈・奇想天外・荒唐無稽な物語です。当時の統治者である天皇が考えた「天地創造」や「天皇家の祖先が神だとする作り話」は、現代の我々には「子供だまし」に見えます。

「天地開闢」の中の「天地の始まりと神様の誕生」「イザナギ・イザナミの国生み・神生み」「三貴子の誕生」など、国を生んだり男神が子供を産んだりもしますので、我々現代人の常識的感覚からすれば「馬鹿々々しいあり得ない話」が満載です。

しかし、こんな一見不真面目で嘘八百の物語を一体誰が考えたのでしょうか?

今回は天地開闢のさわりだけをご紹介したいと思います。

1.天地開闢

ユダヤ教やキリスト教の「旧約聖書」の「創世記」では、神(エホバという創造主)が6日間で天地や万物を創造し、1日の休息を取ったとされ、アダムとイブが最初の人間として天地創造の最後に創造されたことになっています。

しかし、古事記の方はかなり様子が違っています。

(1)天地の始まりと神様の誕生

天と地が初めて分かれた時、高天原(神たちが住む天上界)に2柱の神と男女ペア5組の神が生まれます。これが「神世七代」(かみよのななよ)ですが、最後に生まれたのがイザナギ(男)とイザナミ(女)です。

(2)イザナギ・イザナミの国生み・神生み

天の神たちはイザナギとイザナミに、「このクラゲみたいに漂っている国を固めて創り上げよ」と、命じ「天沼矛(あめのぬぼこ)」を授けます。

二人が天の橋に立って下界(混沌とした大地)に矛を下ろしてかき回した結果、矛の先から滴り落ちた塩が重なって出来上がったのが「オノゴロ島」です。

これは原始の地球の表面がドロドロに溶けた状態マグマオーシャン)だったことを想起させる話で、古代日本人の奇抜な発想が、あながち的外れなものでなかった証拠とも言えます。

マグマオーシャン

オノゴロ島で、イザナミからイザナギに声を掛けて二人は初めて男女の契りを結び、島々を作ろうとします。しかし最初に出来た子は「ヒルコ」という醜い国だったので、葦の船に乗せて流してしまいます。次の子も同様でした。

そのため、高天原に戻って天の神たちに相談した結果、女から先に声を掛けたのが良くなかったとのことでした。そこでもう一度イザナギからイザナミに声を掛けてやりなおしたところ、うまく行きます。その結果生まれたのが、淡路島・四国・隠岐の島・九州・壱岐・対馬・佐渡・本州です。初めに八つの島が生まれたので、日本は「大八島国(おおやしまのくに)」と呼ばれるのです。

さらにイザナミは吉備の児島・小豆島・五島列島・男女列島などの島をどんどん生んで行きます。

国(島)を生んだのに続いて、イザナミはたくさんの神を生み続けます。港の神・川の神・海の神・風の神・木の神・山の神・野の神・火の神などです。

しかし、最後の火の神(カグツチ)を生んだ時に大やけどを負い、イザナミは死んでしまいます。イザナギは怒ってカグツチを斬り殺します。

(3)黄泉(よみ)の国

イザナミを失ったことを諦めきれないイザナギは、「黄泉の国」(死者の世界)へ行ってイザナミを連れ戻そうとします。

しかしイザナミは黄泉の国の食べ物を食べて、体は腐り果てています。そこでイザナギが逃げ出そうとすると、イザナミは「毎日1000人を殺す」という呪いの言葉を掛けます。これに対してイザナギは「では毎日1500人分の産屋(うぶや)を建てよう」と答え、これでこの世に「生と死が生まれた」ということです。

(4)三貴子の誕生

黄泉の国の穢れを落とそうと、イザナギ(男神)が左の眼を洗うとアマテラス(天照大御神)が生まれ、右の眼を洗うとツクヨミ(月読命)が生まれました。最後に鼻を洗うとスサノオ(須佐之男命)が生まれました。

イザナギは、「多くの子を生んで、最後には貴い3柱の神の子(三貴子)を授かった」と喜びます。

アマテラスには首飾りを与えて、高天原を治めるように命じます。ツクヨミには夜の国を治めるように命じ、スサノオには海を治めるように命じたということです。

2.古事記の「天地開闢」が荒唐無稽で矛盾していること

古事記は、「旧辞」と「帝紀」という天皇家の歴史書を稗田阿礼が暗誦していた内容を太安万侶が筆録して編纂した歴史書です。天地開闢の神話は、「おとぎ話」と考えれば罪はないとも言えますが、現代の我々から見ると首を傾げたくなる部分も多いのです。

(1)日本列島の出来た由来しか説明していない

日本は島国なので、日本の神様が日本の島々を作ったという日本列島の成り立ちだけを説明すれば十分と考えたのかもしれません。しかし昔の言い伝えがそうだったとしても、当時すでに大陸の中国に「遣隋使」や「遣唐使」を派遣していました。

もしこれを中国の人が見たら「馬鹿げた作り話」だと思ったことでしょう。ましてや日本に昔から住んでいる日本人は、こんな話は頭から信じなかったでしょう。信じるように強制されたのかもしれませんが・・・

(2)天皇家の祖先は渡来人か

しかし、もう一つの考え方として、天皇家の祖先が朝鮮半島(高天原)から渡来してまず山陰地方に上陸し、その後淡路島を拠点にして、順次四国・九州・本州を平定して行ったことを「国生み神話として作り上げたと考えれば、納得が行くような気がします。

(3)男神であるイザナギが子供の神を生んでいる

女神のイザナギが「国」(島)や「神」を生むというのも、荒唐無稽な話ですが、男神であるイザナギがアマテラス・ツクヨミ・スサノオという三人の子供(神)を生んだと言うに至っては、奇妙奇天烈としか言いようがありません。オスが出産する「タツノオトシゴ」でもあるまいし・・・

そもそも「天皇家の祖先が神」ということ自体がインチキなのですが・・・

3.憲法と天皇の関係

(1)大日本帝国憲法下の天皇

大日本帝国憲法第1条に「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」、第3条に「天皇ハ神聖ニシテ侵スヘカラス」とあり、「現人神(あらひとがみ)」(この世に人間の姿で現れた神)としての天皇でした。キリスト教におけるイエスのような存在だったのでしょうか?

(2)日本国憲法下の天皇

戦後、「人間宣言」をした天皇は、日本国憲法第1条では「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く」とされています。

しかし、「大嘗祭」のような神道儀式を国費で行ったり、いまだに即位や退位の報告を伊勢神宮に祀られている皇祖神(天皇家の祖先)としての天照大御神に「報告」しているのは、「神代の神話」を引きずっているようで矛盾があり理解に苦しみます。

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