大使館等の在外公館職員は全員日本人にすべき。特に中国は機密漏洩のリスク大!

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山尾志桜里議員・中国批判

2021年3月17日に国民民主党の山尾志桜里衆議院議員が、同院外務委員会で「中国にある日本の在外公館における現地採用職員に中国共産党員はいるのか?と質問しました。

これに対して外務省の石川浩司官房長は、「お答えは差し控える」「採用基準を明らかにすることは、わが国の活動の一端を明らかにする恐れがある」とした上で、「情報防護を含め機密保全体制の点検、および徹底に万全を期している」として明確な回答を避けました。

何だか「日本学術会議の会員任命拒否問題」での菅義偉首相の答弁とよく似ています。しかしこの問題は日本の安全保障にかかわるものであり、日本学術会議の件とは本質的に異なります。

1.中国にある日本の在外公館における現地採用職員による機密漏洩の危険性

茂木敏充外相は、「映画の『007』に出てくるソ連では、お掃除をしている女性が(共産党の序列が)一番偉かったりした。いろんな形がある。そういったものはチェックしていく」と語っています。

山尾氏は「基本的に習近平思想を叩き込んで行動実践させている共産党員は入れるべきではない。答弁を聞く限り、党員資格をチェックしていないという印象も持った。茂木外相はスパイ映画を例に出して答弁していたが、事は映画の話ではない。党員が入れば相当のリスクが生じる。政府は緊張感を持つべきだ」と指摘しています。

山尾氏はまた、「中国については現在、覇権主義の台頭を抑えることができるかの瀬戸際にある。対中政策を変換する時期に来ており、これまでの外交政策である『対話と協力』に加えて、『行動』で示さなければならない」と語っています。

山尾氏は「不倫問題」や「議員パスの不正利用」で批判を受けていますが、今回の質問は真っ当なもので、親中派の二階幹事長に忖度しているのか自民党議員からなぜこのような問題提起がなかったのか不なくらいです。

日本は「スパイ防止法」がないため「スパイ天国」とも言われており、中国のスパイ活動は以前から活発です。コロナ禍の中でも外交官や中国軍の情報将校、経済スパイ(産業スパイ)をはじめ、様々な階層の情報収集員(工作員)が情報収集活動と称してスパイ活動をしているのは常識です。

中国には「国防動員法」(2010年)や「国家情報法」(2017年)「香港国家安全維持法」(2020年)があり、中国共産党員でなくても、現地採用職員がスパイ活動をする可能性は十分に考えられます。

今年4月26日には、中国国家安全省が「海外のスパイ機関や各種の敵対勢力による機密を盗む活動が明らかに激しくなっている」として、「国内でのスパイ活動を防ぐための規定を即日施行した」と発表しました。これは米英豪などが、中国の影響力拡大に対処するため安全保障上の機密情報共有を目的として作った枠組み「ファイブ・アイズ」を念頭に置いた可能性もあります。

現在、中国にある日本の在外公館(大使館1、総領事館6、領事事務所1)で採用されている現地職員は282人もいます。そのうち110人が「ビザ発給業務」に関わっています。

山尾氏は弾圧を受けているウイグル族の個人情報が中国当局に洩れることを懸念して冒頭の質問をしたそうです。

現地職員は、中国語ネイティブであることや人件費が安いというメリットもあるのかもしれませんが、日本の安全保障に関わる問題でもあり、機密漏洩防止の観点から全員日本人にすべきではないかと思います。

今の中国は、日本国憲法前文にある「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、我々の安全と生存を保持しようと決意した」ような国ではないことを再認識すべきです。

2.戦前のアメリカの日本大使館でも現地採用職員による機密漏洩があった?

太平洋戦争開戦前のアメリカの日本大使館でも、現地採用職員であるアメリカ人の女性タイピストなどを通じて日本の機密情報が筒抜けになっていたという話を聞いたことがあります。

当時の日本の暗号には、外務省・海軍・陸軍の3系統がありましたが、開戦前にアメリカに解読されていたのは外務省系統だけで、海軍の暗号は昭和17年頃に撃沈した潜水艦から回収した暗号書・乱数表によって解読されるようになったそうです。陸軍の暗号は最後まで解読できなかったそうです。

これを見ると、外務省の暗号や機密情報管理は戦前から甘かったようです。

日本の外務省からアメリカの通信会社を経由してワシントンの日本大使館に送信された日本側の暗号機密電文は、すべてアメリカ側に傍受され、暗号解読班によって解読されていたそうです。

愛国心の強い気の利いた日本大使館の女性タイピストであれば、はっきりとした機密漏洩はしていなくても、日本側の動きを察知して、その情報をアメリカ政府に逐一通報していたことは十分に考えられます。また重要な機密電文のタイプもアメリカ人タイピスト任せだったかもしれません。

日本も「スパイ防止法」制定と、アメリカのCIAやFBIのような「専門諜報機関」の設置が早急に必要だと思いますが、中国における日本の在外公館の現地採用職員の問題は喫緊の課題だと思います。



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