「枯れ木に花が咲く」という「花咲じいさん」のおとぎ話について考える

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花咲爺

前に「世阿弥」の「風姿花伝」についての記事を書きましたが、その時「枯れ木に花が咲く」ということわざを思い出し、また有名なおとぎ話の「花咲じいさん」を思い出しました。

1.花咲じいさん

2016年のNHK大河ドラマ「真田丸」の中で、小日向文世が演じた豊臣秀吉が、愛児の秀頼に桜の花を楽しませようと木に登って、「花咲じいさん」よろしく「枯れ木に花を咲かせましょう」と言って花びらを撒こうとして、木から転落する場面がありました。

「花咲じいさん」のおとぎ話は、「心優しい子供のいない老夫婦と欲深い隣人夫婦が、不思議な力を持った犬をきっかけに前者は幸福に後者は不幸になる」という内容の「勧善懲悪の民話」です。

日本では室町時代末期から江戸時代にかけて成立した話ですが、中国や朝鮮半島にも似た話があるようです。

蛇足ですが、「日本五大おとぎ話」は「桃太郎・舌切雀・勝勝山・猿蟹合戦・花咲爺」です。

2.枯れ木に花が咲く

エゾマツや屋久杉などで倒木に種がこぼれて実生が育つ「倒木更新」もありますが、桜の老木は、倒れ掛かって枯れ木のようなっても、新しい枝に蕾が付いて花が咲くことがよくあります。

「枯れ木に花が咲く」(「老い木に花」「埋もれ木に花」もよく似た意味)ということわざは、「一度衰え果てたものが、再び栄えて華やかになること」とか、「本来あり得ないことが、不思議な力によって実現することのたとえ」です。

このことわざは、「花咲じいさん」より以前からあるようで、平安時代末期に編まれた今様歌謡集の「梁塵秘抄」にも次のような文章があります。

「よろずの仏の願よりも 千手の誓いぞたのもしき 枯れたる草木も忽ちに 花咲き実なると説いたまふ」

似たような言葉に、「炒り豆に花」「朝日が西から出る」「石が流れて木の葉が沈む」「川の石星となる」「石に花咲く」というのがあります。

それにしても、「絶対にあり得ないことのたとえ」として、昔の人はずいぶん奇想天外な発想をしたものだと感心します。

「炒り豆に花」「朝日が西から出る」の出典は定かではありませんが、「石が流れて木の葉が沈む」は中国漢時代の陸賈(りくか)が編纂した「新語」にある「夫(それ)衆口の毀誉(きよ)は石を浮かべて木を沈ます」から来ています。

「川の石星となる」は日本書紀の神功皇后紀にある「河の石の昇りて星辰に為るに及ぶ」から来ています。「石に花咲く」は史記が出典です。

3.返り咲き

「返り咲き」とは、「春の花が、秋の小春日和に誘われて、時節でもないのにまた咲くこと」で、「狂い咲き」「二度咲き」「帰り(返り)花」「忘れ花」とも言い、冬の季語となっています。

派遣社員の方は、会社のリストラの影響で、「派遣止め」「派遣切り」の憂き目に遭った人も多いと思います。しかし、現場では中堅社員が少ない空洞化現象で、経験豊富なベテランが再び戦力として必要とされるケースも必ず出て来ると思います。

私は、もう71歳を超えましたので対象外ですが、まだ60代の皆さんは「返り咲き」の日に備えて隠忍自重してください。「一陽来復」を期待して・・・



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