コロナワクチンの「交差接種」は有効なのか?安全性に問題はないのか?

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交差接種

コロナのワクチン接種については、日本でもようやく64歳未満の人にも始まりました。

ただ「ワクチンの供給不足や遅延」あるいは「ワクチンの追加調達はしない」等の報道がある中で、気になることがあります。

それは、「1回目でファイザー(あるいはモデルナ)のワクチンを接種したが、2回目も同種のワクチンを定められた間隔を置いて所定の時期に確実に打てるのか」ということです。

欧米や韓国では、「アストラゼネカ(AZ)とファイザー」あるいは「アストラゼネカ(AZ)とモデルナ」のように異なるワクチンを接種する「交差接種」の試みが始まっています。

今は「治験」のような段階なので、データも少ないため、有効性・安全性についての確実な判断は難しいと言えます。

1.欧米の状況

最も気になるのが「交差接種の安全性」ですが、「AZ製とファイザー製の交差接種」について、ドイツの研究チームが成人250人を対象に調べたところ、他社製に比べて有効性の劣るAZ製2回よりも抗体量が10倍多かったと発表しました。スペインの研究所の調査でも、ドイツチームと同様の傾向でした。

ドイツのメルケル首相は、「AZ製とモデルナ製の交差接種」をしました。

カナだ政府も6月に「AZ製とファイザー製(またはモデルナ製)の交差接種」を強く推奨しました。

イギリスのオックスフォード大学などの研究チームが、「交差接種」の免疫効果を調査しています。

これによると、「抗体反応」について最も反応が高かったのが、「1回目ファイザー、2回目ファイザ-」、2番目が「アストラゼネカ→ファイザー」、3番目が「ファイザー→アストラゼネカ」、4番目が「アストラゼネカ→アストラゼネカ」でした。

また「免疫効果」については、「1回目アストラゼネカ、2回目ファイザー」が最も高く、2番目が「ファイザー→アストラゼネカ」、3番目が「ファイザー→ファイザー」、4番目が「アストラゼネカ→アストラゼネカ」でした。

2.韓国の状況

韓国では、4月以降に1回目でアストラゼネカ(AZ)製を打った76万人を対象に、2回目の時期が到来する7月からファイザー製を打つ「交差接種」を実施予定です。

これは「AZ製の供給が6月末から7月以降に延期されたこと」が大きな理由のようです。

その他の理由としては、「接種率アップを急いだため、2回目の接種分を残さず1回目で全部使い切ったこと」や、「韓国自慢の特殊注射器を需要の130%確保したものの、現場では不足したこと」、「韓国自慢の国内生産ワクチンも、『アストラゼネカとは単純な委託生産契約』のため、韓国で必要な量を自由に確保できなかったこと」などです。

韓国でも専門家の意見は分かれています。

高麗(コリョ)大学安山病院感染内科のチェ・ウォンソク教授は、「海外で公開された資料によると、免疫反応が悪くなく熱が出て筋肉痛を訴えるなどの異常反応がちょっと多いという結果もあるが、そうではない結果もある。受け入れられる水準」と話しています。

このように大きく懸念することではないという主張もありますが、大韓ワクチン学会のマ・サンヒョク副会長は、「原則的に交差接種はダメだ。効果の持続力と異常反応など考えることは多いのに根拠がとても不足する」と懸念を示しています。

高麗大学予防医学科のチェ・ジェウク教授も、「科学的な根拠が不明な中で公式に交差接種を政策化したのは早すぎる決定」と話しています。

悪く言えば「国民が交差接種の実験台になっている」と懸念しているようです。

3.日本の状況

(1)河野ワクチン担当相は「日本では交差接種はしない」と明言

感染症学が専門の山野医療専門学校副校長の中原英臣氏は「医学的見地から言えば、同じ製品を2回打つのが原理原則です」と話しています。

河野ワクチン担当相は、6月24日の「ひるおび!」(TBS系)で、「日本では交差接種はしない」と明言しました。

(2)厚労省はAZ製容認の動き

しかし、現在日本政府が「公的接種には使用しないとしているAZ製」について、厚労省が「60歳以上へのAZ製容認」に動く中、額面通りに受け取ってよいかどうかは不透明です。

どうも、欧米や韓国の状況を見ていると、「1回目・2回目ともにアストラゼネカ」の場合は「抗体反応」や「免疫効果」が最も低いため、「交差接種」を試みることになったようです。

日本政府には、欧米や韓国で「交差接種」を実施した結果の「多数の有効性や安全性のデータ」をよく見極めた上で、「交差接種」を導入するかどうかを判断してほしいものです。

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