「幸」は「手枷」の象形文字。「辛」の「入れ墨をする為の針」の象形文字

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辛という漢字の成り立ち

前に「幸という漢字は手枷の象形文字」だという記事を書きました。では「辛」はもっと恐ろしい刑罰の象形文字なのでしょうか?

1.「辛」という漢字の成り立ち

「辛」は「象形文字」です。

「入れ墨をする為の針」の象形から、「つらい」を意味する「辛」という漢字が成り立ちました。

入れ墨を入れるというのは彫る部位によってはかなりの痛みを伴う行為です。

その痛みから「つらい」という苦しい状態を表す言葉になったのでしょう。

また、「からい」というのは実は味覚で感じるものではなく、舌が感じる「痛み」、つまり痛覚であるということが分かっています。

そうした観点から考えると、「からい」というのも拡大解釈をすれば「舌がつらい状態」と考えることができます。

2.「タトゥー」、「入れ墨」、「彫り物・刺青」

(1)「タトゥー」を許容する今の社会風潮は疑問

2021年7月~8月に行われた「東京五輪2020」を見ていて驚いたことがあります。それは水泳選手をはじめ「タトゥー」を入れたアスリートの多さです。かつてはヤクザやプロサッカー選手、一部のミュージシャンなどに見られた程度ですが、今回はその多さに驚きました。

オリンピック選手のタトゥー

続いて8月~9月に行われた「東京パラリンピック2020」でも、車椅子ラグビー選手など身体障害者のアスリートにもタトゥーを入れた人が多くいたのにショックを受けました。

私が現役サラリーマンの頃、夏休みに家族で沖縄へ海水浴に行った時、ホテルのプールに入れ墨をした男がいたのでびっくりした記憶があります。恐くて何も言えませんでしたが・・・

「俱利伽羅紋々」の入れ墨は、善良な日本人には恐怖感を与えます。

今はどうか知りませんが、かつての日本の「銭湯」や「プール」では「入れ墨者お断り」と掲示されていました。ゴルフ場の浴場は今でも多分「入れ墨者お断り」のはずです。

今は欧米など諸外国では、入れ墨は「タトゥーと称するファッション」だそうで、日本でも若い人でタトゥーをする人が増えているようです。

それに伴って、諸外国の選手のタトゥーを許容する人も増えているようで、現にJOCも東京オリンピック組織委員会も、「タトゥーはテープを貼ってを隠すなどの措置」を要求していませんでした。

「多様性の尊重」や「ダイバーシティ」という社会風潮なのかもしれませんが、私は少なくとも日本で開催するオリンピックでは、毅然とした態度で「入れ墨(刺青)やタトゥーは見苦しく、好ましくない」「タトゥーはNOだ」「タトゥーは覆い隠す措置をすべし」と言ってほしかったと思います。

古代中国の孔子の教え「孝経」にも次のような言葉があるではありませんか?

身体髪膚、之を父母に受く。敢て毀傷せざるは、孝の始めなり。(しんたいはっぷ、これをふぼにうく。あえてきしょうせざるは、こうのはじめなり)

(2)日本における「入れ墨」の歴史

土偶に描かれた紋様から、縄文時代には入れ墨をいれていたのではないかと考えられています。その後、どこの誰なのかを示すために入れ墨が用いられるようになったようです。奈良時代頃には入れ墨は刑罰の一種となっていきます。江戸時代には罪人に対して刑罰として入れ墨を入れ、地域によってその入れ墨の内容も異なったようです。

面白いのが、紀州(和歌山)では罪人に対して「悪」と腕に入れ墨を入れたようで、見せしめの対象となっていたと思われます。そのほか、何度も犯罪を繰り返す罪人には「大」や「犬」といった文字を額に入れることも行われていました。その後、明治時代になると、近代国家体制を目指すべく、1872年の太政官令により入墨刑が廃止され、また装飾用途としても入れ墨を入れる行為が禁止されていきます(野蛮に映ったのでしょう)。

それ以降、1948年まで日本において入れ墨は非合法となります。こうした歴史的背景から、現代まで続く「入れ墨」が反社会的といわれる所以だと思われ、入れ墨に対して日本では「マイナス」「ネガティブ」なイメージが定着しました。

(3)日本における「彫り物・刺青」

明和・安永期(18世紀後半)になると、「侠客」の間で「彫り物・刺青」を誇示することが目立ってきました。

「江戸火消し」や「鳶」なども「」を見せるために好んで「彫り物・刺青」を施しました。

明治時代以降は、主としてヤクザ・暴力団員が「彫り物・刺青」をしていたようです。

最近では橋下徹氏が大阪市長の時、「大阪市の職員で入れ墨をしている者がいる」ということで調査をしようとしたところ、大阪市職員組合から反対されるという事件がありました。

<橋下徹元大阪市長と「公務員の入れ墨調査問題」>

これは、2012年5月に職員約3万3500人を対象に行った「入れ墨調査」で、回答を拒否した513人に対し、職務命令違反を理由に減給か戒告の懲戒処分を決定した問題です。この調査では110人が入れ墨をしていると回答しています。

「タトゥー」が外国ではファッションとして一般的になって来ているそうです。しかし日本では常識的に考えて、普通のサラリーマンが入れ墨をするのは大問題だと思います。ましてや公務員が入れ墨をしているというのは論外です。

ところが、橋下徹元大阪市長が調査しようとすると人権問題として反対され、「調査自体」と「回答拒否した職員に対する懲戒処分が違法か否か」が裁判で争われました。「公務員の常識は世間の非常識」の典型的な例の一つです・なおこの問題は、結局最高裁まで行って「調査および懲戒処分は適法ということで確定しました。

ちゃんとした会社のサラリーマンが入れ墨をしていることは、まずないと思いますし、ましてや「公務員が入れ墨をしている」など私には考えられません。その「入れ墨の調査に大阪市職員組合」が反対するというのも全く理解できません。

(4)東京五輪2020に向けた政府の考え方

オリンピック・パラリンピックは結局1年延期の上、ほとんどが無観客となりました。

ところで当初、多くの外国人観光客や試合の観客、アスリートの来日が見込まれる中で、政府は、「タトゥーを入れた観客やアスリートへの対応」をどのように考えていたのでしょうか?

観光庁は2016年3月、入れ墨がある外国人観光客への対応を一般社団法人「日本温泉協会などに通知しました。文書で「入れ墨をしていることのみをもって、入浴を拒否することは適切ではない」と明言しています。シールで覆う▽入浴時間を分ける▽貸し切り風呂を案内する――といった対応事例を紹介しています。安倍政権も2017年2月、入れ墨だけを理由に拒むことは難しいとの答弁書を閣議決定しました。

「温泉場に来る観光客」についてもこのような「寛容な姿勢」ですから、アスリートについては検討すら行われなかったのではないかと思います。

「訪日外国人観光客増強政策」と「インバウンド期待」から、このような甘い対応になったのだと思いますが、私はこの社会風潮は大いに疑問です。

京都などの観光地でも、中国人などの訪日外国人のマナーの悪さが問題になっています。「郷に入っては郷に従え」と毅然とした態度で主張するのが筋だと思います。



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