「頁」はなぜ英語のページと読むようになったのか?

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頁という漢字の成り立ち

「頁」という漢字は、何気なく「ページ」と読んでいますが、考えてみると不思議です。

普通、漢字には「音読み」(中国伝来の読み方)と「訓読み」(日本流の読み方)がありますが、「ページ」は「訓読み」になるのだと思いますが、「英語読み」とも言うべきものです。

ほかに高校の地学で習った「頁岩(けつがん)」という名前を覚えておられる方もあると思います。授業で先生が「この頁岩は、ページのように薄くはがれやすい性質を持っている」と説明されたように記憶しています。

1.「頁」という漢字の成り立ち

「頁」は「象形文字」(人の頭を強調したもの)です。象形から「かしら」を意味する「頁」という漢字が成り立ちました。

「部首」は「頁:おおがい(大貝)、いちのかい(一ノ貝)」です。「貝(かい、こがい)」と区別して「おおがい、いちのかい」と言います。

「音読み」は「ケツ」「ヨウ」「ゲチ」「コウ」、「訓読み」は「かしら」「ページ」です。

ちなみに 「(ズ・トウ)」は、頭(あたま)を表す「形声文字」です。もともと「豆」は足の高い食器(たかつき)を表す「象形文字」です。身体の中で豆(たかつき)に似た部分なので頭という漢字が出来ました。(首のある儀式用の食器)+(人間の頭部)=(人間の頭)です。漢字の部首は「頁(おおがい)」、意味は「頭(あたま)」(「筆頭」など)、「頭(かしら)」(「頭領」など)「ほとり」(「巌頭」など)、「大きな動物を数える単位」(「二頭の象」など)です。

余談ですが、「頭蓋骨(ずがいこつ)」は解剖学用語では「とうがいこつ」と漢音で読むのが慣わしだそうです。

2.「頁」を英語のページと読むようになった理由

「頁」の「音読み」に「ヨウ」があります。これが枚数を数える「葉(ヨウ)」の音に通じることから、「ページ」という読みが当てられたのです。

「韓流ドラマ」の時代劇を見ているとよく出てきますが、かつての中国や日本、あるいは朝鮮で印刷された書物は、印刷面を山折りにして順に重ね、端を糸で綴じた形に装幀されました。いわゆる「和綴じ」の本(下の画像)です。

和綴じ

このような「和綴じ」の書物に使われている紙を「葉」という言葉で数えるのが一般的で、この方式による装幀では、一枚の紙が二ページになります。そこでそれぞれのページを「第〇〇葉の表」とか裏というふうに呼びました。

その用語がやがて「西洋式装幀」の本にも適用されてページ数を表現するようになったのですが、その時に「第〇〇葉の表」とか言わずに、一枚の紙の裏表をそれぞれ「葉」と音が同じ「頁」を用いて「ページ」の意味で使うようになったのです。

余談ですが「一葉」と言えば、「一枚の葉」という意味のほかに「平らで薄いもの、または小さいものを数える語」としても用いられます。「一葉の写真」とか「一葉の軽舟」という使い方です。「樋口一葉」のペンネームの由来は、「一葉の軽舟」です。

3.「頁」を含む言葉

(1)頁岩(けつがん)

堆積岩の一つ。粘土が水底で堆積して出来たもの



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