「メラビアンの法則」とは?

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メラビアンの法則

1995年の流行語に「見た目で選んで何が悪いの!」というのがありましたね。

これはコダックのテレビCMから生まれた流行語です。瀬戸朝香の「挑発的なCM」で、視聴者に強いインパクトを与えました。強い口調、挑戦的な眼差しで「見た目で選んで何が悪いの」と瀬戸が迫ると、「そのとおりです」と思わず納得してしまいます。ギャルに受けて街中で多用気味でした。

ところで「メラビアンの法則」という心理学の法則があるのをご存知でしょうか?

1.「メラビアンの法則」とは

「メラビアンの法則」とは、会話やコミュニケーションの際に相手に与える印象を、言語情報・聴覚情報・視覚情報の3つの要素を数値で表したものです。

本法則では、言語情報が7% 、聴覚情報が38% 、視覚情報が55% の割合で、相手の印象に影響を与えるとされていることから、別名「7-38-55ルール」とも言われています。

ただし、この広く行われている「メラビアンの法則」の解釈は、不正確な俗流解釈です。

「矛盾したメッセージ」が発せられたときの人の受けとめ方について、人の行動が他人にどのように影響を及ぼすかを判断するアルバート・メラビアンが行った実験についての「俗流解釈」です。

2.アルバート・メラビアンとは

アルバート・メラビアン(Albert Mehrabian)(1939年~  )はアメリカの心理学者です。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)心理学名誉教授。

メラビアンは、「言語によるメッセージ」と「非言語メッセージ」を比較してどちらが重要か調査した結果を出版したことによって世間に知られるようになりました。

人間の感情やコミュニケーションに関する研究を行ってきたほか、投資の心理学や子供に与える名前の良し悪しなど一般の関心の高い事柄に関しても著書を出しています。

彼が発見した、感情や態度について矛盾したメッセージが発せられたときの人の受けとめ方は、世界中の人間関係についての研修やセミナーなどで誤解して引用され、「メラビアンの法則」、「7-38-55のルール(7%-38%-55% Rule)」と呼ばれています。

1971年の著書『Silent messages(邦題:非言語コミュニケーション)』における調査では、メラビアンは次のような結論を出しました。

まず、人と人とが直接顔を合わせるフェイス・トゥー・フェイス・コミュニケーションには基本的に三つの要素があることです。

  • 言語
  • 声のトーン (聴覚)
  • 身体言語(ボディーランゲージ) (視覚)

そして、これら三つの要素は、メッセージに込められた意味・内容の伝達の際に占める割合が違います。彼によれば、これらの要素が矛盾した内容を送っている状況下におい言葉がメッセージ伝達に占める割合は7 %、声のトーンや口調は38 %、ボディーランゲージは55 %でした。

この割合から「7-38-55のルール」とも言われます。「言語情報=Verbal」「聴覚情報=Vocal」「視覚情報=Visual」の頭文字を取って「3Vの法則」ともいわれています。

効果的で意義のあるコミュニケーションをするためには、これら三つのメッセージ要素が、メッセージの意味を正しく伝えるように互いに支えあう必要があります。つまり三つの要素は一致する必要があります。

しかし要素間に不一致・矛盾が発生した場合は、メッセージの受け手は異なる回路から異なる伝言を受け取り、異なる情報を与えられるため、不快な思いをすることとなります。

次の例は、言語コミュニケーションと非言語コミュニケーションに不一致が生じた場合です。

  • 言葉: 「君は悪くなんかないよ!」
  • 態度: 目線を合わせない、浮かない表情をする、等

この場合、受け手はコミュニケーションにおいて優勢な要素のほうを受け入れる傾向があります。すなわちメラビアンに拠れば非言語コミュニケーション(38 + 55 %)のほうを、言ったとおりの言葉(7 %)よりも信用します。

ここで重要なことは、それぞれの研究において、メラビアンは感情や態度(すなわち、好意・反感の伝達を扱う実験を行ったことです。つまり単に事実のみを伝えたり要望をしたりするコミュニケーションの場合には無関係です。

加えて、メッセージの受け手が声の調子や身体言語といったものを過度に重視するのは、メッセージの送り手がどちらとも取れるメッセージを送った状況でのみ発生することです。非言語コミュニケーションの占める合計が93 %に及ぶのは、言っている言葉(言語)取っているいる口調や表情(視覚、聴覚)に矛盾が発生する場合のことです。

3.「メラビアンの法則」の誤解

メラビアンの「7-38-55のルール(7%-38%-55% Rule)」は彼の研究結果より誇張されて一人歩きしています。

中には、どのような内容のコミュニケーションや、どのような状況下でもメッセージの意味大半が非言語コミュニケーションによって伝達される、と主張する者もいます。

限定された状況下でのメラビアンの調査の結果をどのような状況にもあてはめる過度の一般化、いわゆる「メラビアンの法則」をめぐる基本的な誤りです。

メラビアン自身も自分のウェブページで、「好意の合計 = 言語による好意7% + 声による好意38% + 表情による好意55%」という等式は好意・反感などの態度や感情のコミュニケーションを扱う実験から生み出されたものであり、話者が好意や反感について語っていないときは、これらの等式はあてはまらないと言明しています。

この内容が次第に一人歩きをし、この法則から「見た目が一番重要」あるいは「話の内容よりも喋り方のテクニックが重要」という結論が導き出され認知されています。

就職活動の面接対策セミナー、営業セミナー、自己啓発書、話し方教室などでこの解釈がよく用いられます。

ただしこの実験は「好意・反感などの態度や感情のコミュニケーション」において「メッセージの送り手がどちらとも取れるメッセージを送った」場合、「メッセージの受け手が声の調子や身体言語といったものを重視する」ということを言っているに過ぎません。

したがしたがって、単に事実のみを伝えたり要望をしたりするコミュニケーションの場合には触れておらず、コミュニケーション全般においてこの法則が適用されるというような解釈はメラビアン本人が提唱したものとは異なるものです。



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