パプリカは緑色・黄色・赤色とカラフルだが、ピーマンとどう違うのか?

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パプリカ

最近緑色のピーマンだけでなく、黄色や赤色の色鮮やかなピーマンを見かけるようになりました。これはパプリカと呼ばれる品種だそうです。

余談ですが、2019年に小中学生の音楽ユニット「Foorin」(フーリン)の楽曲「パプリカ」(米津玄師作詞・作曲・プロデュース)が大ヒットしましたね。

下の写真は、この歌にも出てくる「パプリカの花」です。

パプリカの花

ピーマンとパプリカはどのような違いがあるのでしょうか?

1.ピーマンとパプリカの違い

見た目が似ているピーマンとパプリカですが、植物としての分類に違いはあるのでしょうか?

実はピーマンもパプリカもどちらも、中南米の熱帯地方原産のナス科のトウガラシ属の植物で、辛みのないトウガラシの一種になります。

ピーマンとパプリカは同じ種ですが、栽培品種が異なります

一般的なピーマン成熟前に収穫するので緑色をしていますが、その時期で収穫せず熟させると、中に含まれる「カプサンチン」という赤い色素が増えて黄色やオレンジ、赤色へと変化していきます。これを「カラーピーマン」と呼びんでいます。

「カラーピーマン」は、大きく分けるとパプリカジャンボピーマントマトピーマン小型カラーピーマンくさび型ピーマンの5種類に分類されます。大型で肉厚な品種パプリカです。

2.ピーマンとパプリカの生産地、日本での歴史の違い

ピーマンは昔から馴染みのある野菜ですが、パプリカは比較的最近になって、スーパーなどで見かけるようになりました。ピーマンとパプリカの歴史や、生産地に違いはあるのでしょうか?

(1)ピーマン

ピーマンはアメリカ原産の野菜です。
日本には明治時代に入ってきました。よく食べられるようになったのは、食卓が西洋化し始めた昭和30年代以降。日本国内でも数多く栽培されています。
主な生産地は茨城県、宮崎県、高知県など。

(2)パプリカ

パプリカは、オランダからの生鮮品輸入が解禁された1993年(平成5年)頃から日本でも普及し始めた野菜です。「パプリカ」という名前は、オランダ語でピーマンという意味だそうです。

お手頃なお値段のパプリカは輸入品が多く、オランダ、韓国、ニュージーランドなどで生産されています。
国内での主な生産地は宮崎県、茨城県、熊本県など。

3.ピーマンとパプリカの色や大きさ、味の違い

パプリカ

(1)ピーマン

実が小さめで皮は薄く、濃い緑色が特徴です。パプリカに比べると細長い形をしています。

味は、青臭さと苦みがあります。苦味が少ないピーマンを選ぶには、「ヘタの形」に注目を。五角形よりも六角形になっているヘタのほうが、苦味が少ないそうです。

(2)パプリカ

実は大きく、肉厚で甘みがあるのが特徴です。形はベル型とよばれピーマンと比べるとふっくらした形をしています。
赤、黄色、オレンジなど、お料理を彩るカラフルな色も魅力の一つですね。

選ぶ時は、色が濃くてツヤ・ハリ、重みがあるものを選びましょう。

パプリカも、未熟果では緑色をしていますが、完熟すると品種によって赤やオレンジ、黄、紫、白、茶、黒、緑などカラフルな色になります。赤はカプサンチン色素、黄色はカロテノイド色素、紫はアントシアニン色素によって発色します。

4.ピーマンとパプリカの栄養価の違い

ピーマンやパプリカは、ビタミンやカロテン、食物繊維などを豊富に含む野菜です。
さらに、パプリカは栄養面で優れており、ピーマンと比較してビタミンCもカロテンも約2倍以上です。

〇緑ピーマン生(100gあたり)ビタミンC: 76mg/βーカロテン当量: 400μg
〇赤パプリカ生(100gあたり)ビタミンC:170mg/βーカロテン当量:1100μg

(参考:レモン果汁(100gあたり)ビタミンC:50mg/βーカロテン当量:6μg)

また、ピーマンやパプリカに含まれるビタミンは、熱によって壊されにくい特徴があります。加熱しても効率よく栄養素を摂取できます。

5.ピーマンとパプリカの調理法の違い

(1)ピーマン

ビタミンCが豊富で、炒めるなど加熱調理をしてもビタミンが損なわれることが少ない野菜です。火を通す炒め物などにも最適です。

皮を剥く必要がなく、洗って中の種を取り除いたら、そのまま切って使えるのでお手軽です。時短で料理したい時などに使うのも良いですね。

(2)パプリカ

パプリカは加熱時間が長いと栄養価が落ちてしまうので、調理の際は注意が必要です。
火を通す場合は、時間をかけずさっと揚げたり炒めたりしましょう。煮込む場合は、栄養素が溶け出しても飲むことのできる、スープやシチューがおススメです。
また、生でも美味しくサラダにも良く合います。