日本語の面白い語源・由来(り-③)栗鼠・リュックサック・立派・リムジン・リヤカー・領袖・力士

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栗鼠

日本語の語源には面白いものがたくさんあります。

前に「国語辞典を読む楽しみ」という記事を書きましたが、語源を知ることは日本語を深く知る手掛かりにもなりますので、ぜひ気楽に楽しんでお読みください。

以前にも散発的に「日本語の面白い語源・由来」の記事をいくつか書きましたが、検索の便宜も考えて前回に引き続き、「50音順」にシリーズで、面白い言葉の意味と語源が何かをご紹介したいと思います。季語のある言葉については、例句もご紹介します。

1.栗鼠(りす)

栗鼠

リス」とは、「ネズミ目リス科に属する哺乳類の総称」です。栗やクルミなどの木の実を食べます。

リスは、漢語「リッス(栗鼠)」の促音「ッ」が脱落し「リス」となりました。
漢語「栗鼠」は、栗などの実を食べるネズミに似た動物であることからの名で、「クリネズミ」の意味です。

「リツ(栗)」は漢音、「ス(鼠)」は唐音と言われますが、「ス」については定かではなく「ショ」の音が日本に入ってから転じたか、慣用音の「ソ」が転じたと思われます。

現在の中国では、リスを「黄鼠」や「松鼠」などと呼んでいます。
リスは、すばしこく木に登ることから「キネズミ(木鼠)」とも呼ばれます。

2.リュックサック/Rucksack

リュックサック

リュックサック」とは、「登山やハイキングなどに行くとき、食糧や装備などを入れて背負う袋」です。背嚢(はいのう)。

リュックサックは、ドイツ語「Rucksack」からの外来語で、「背負う袋」の意味です。
ドイツ語「Rucksack」の発音は「リュックザック」が近いが、日本人には「リュック」に続く「ザ」が発音しにくいことから「リュックサック」と呼ぶことが多いようです。

3.立派(りっぱ)

立派

立派」とは、「非常にすぐれているさま。堂々としているさま。十分に整っているさま」です。

立派の語源には、僧が一派を立てる意味の「立派」に由来する説と、仏教語の「立破文明」に由来する説があります。

僧が一派を立てる説は、もとの流派から分かれて一つの派を立てることは容易ではないため、優れていることを「立派」と言うようになったというものです。

立破文明とは、因明(仏教の論理学)において、立論(自分の義を立証すること)と論破(他人の非説を論破すること)がきちんとしていることで、単に「立破」とも言います。
ここから、きちんとしていることを「りっぱ」と言うようになり、「立派」の字が当てられたというのが「立破文明」の説です。

どちらの説も不自然ではなく、断定することは困難です。

4.リムジン/limousine

リムジン

リムジン」とは、「運転席と客席との間に仕切りをつけた大型高級車。空港の旅客を送迎するバス」です。リムジンバス。

リムジンは、フランス語「limousine」からの外来語です。
元は、御者(馬車に乗って馬を操る人)と客席の間に仕切りのある馬車を指しました。

リムジンの語源となる「limousine(馬車)」は、ケープ付きマントの「limousine」に由来します。
このマントの名は、フランス中部リムーザン地方の飼いが着ていたことから付いたものです。
つまり、リムジンの語源を辿ると、リムーザンという地名からマントの名前が生まれ、マントの名前から仕切りのある馬車の名前となり、車のリムジンになったのです。

しかし、マントの名前がリムジン(馬車)を指すようになった経緯については、はっきりと分かっていません。

その経緯については、リムーザン地方の御者が着ていたため。御者が着るマントと似ているためなど諸説あります。

リムジンの車の色や形が、リムーザン地方で着られる黒くて長いマントに似ていたからという説もありますが、「limousine」は馬車の時代に付いた名なので、この説は考えがたいものです。

5.リヤカー

リヤカー

リヤカー」とは、「自転車の後ろに連結したり、人が引いたりして、荷物を運ぶための荷車」です。ゴムタイヤの二輪車で、鉄パイプの骨組みに底と枠がつけられています。

リヤカーは日本人が発明したもので、その名前も和製英語です。
大正10年頃、バイクのサイドカーが日本に輸入された際、それを鉄パイプで作り、自転車にも取り付けられるようにしました。

更に、横よりも後ろの方が荷物を沢山運べると考え、それまで主流だった大八車の利点も合わせたものが作られました。

「side(横)」に対して「rear(後ろ)」なので、「リヤカー(rear car)」と名付けられました。

6.領袖(りょうしゅう)

領袖

領袖」とは、「集団を率いる人」のことです。かしら。長。

出典は、中国晋代の歴史を記した紀伝体の書『晋書 魏舒伝』です。
領袖の「領」は衣の「えり(襟)」、「袖」は「そで」のことで、本来「領袖」は「襟と袖」を意味する漢語です。

衣服の襟と袖は特に目立つ部分であることから、集団を率いる重要なポストを「領袖」と言うようになりました。

7.力士(りきし)

力士

力士」とは、「相撲取り。力の強い人。金剛力士の略」です。

力士は、1603年『日葡辞書』には「リキジ(Riquiji)力のある者。文語」とあり、漢語で「りきじ」と呉音読みしていましたが、後世に「りきし」と読むようになりました。

力士の「力」は体や腕の力で、「士」は優れた男士の意味です。
『日葡辞書』で力士を「力のある者」としているように、特に「相撲取り」を指す言葉ではなく、「金剛力士」(*)も相撲取りではありません。

(*)金剛力士(こんごうりきし)とは、仏教の護法善神(守護神)である天部の一つ。サンスクリットでは「ヴァジュラパーニ」、または「ヴァジュラダラ(Vajradhara)」といい「金剛杵(こんごうしょ、仏敵を退散させる武器)を持つもの」を意味する。開口の阿形(あぎょう)像と、口を結んだ吽形(うんぎょう)像の2体を一対として、寺院の表門などに安置します。寺院の門に配される際には仁王(におう、二王)の名で呼ばれます。また、伐折羅陀羅(ばざらだら)、跋闍羅波膩(ばじゃらぱに)、密迹金剛、金剛手(こんごうしゅ)、持金剛(じこんごう)とも呼ばれます。

金剛力士

力士が「相撲取り」を指すことが多くなったのは、古くから力持ちの代表的存在であっためと考えられます。