日本語の面白い語源・由来(る-①)ルビー・坩堝・ルーキー・ルビ・ルンペン

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ルビー

日本語の語源には面白いものがたくさんあります。

前に「国語辞典を読む楽しみ」という記事を書きましたが、語源を知ることは日本語を深く知る手掛かりにもなりますので、ぜひ気楽に楽しんでお読みください。

以前にも散発的に「日本語の面白い語源・由来」の記事をいくつか書きましたが、検索の便宜も考えて前回に引き続き、「50音順」にシリーズで、面白い言葉の意味と語源が何かをご紹介したいと思います。季語のある言葉については、例句もご紹介します。

1.ルビー/ruby

ルビー

ルビー」とは、「酸化アルミニウム鉱物のコランダム(鋼玉)の一つ。7月の誕生石。紅玉」です。1%程度含まれるクロムによって赤色を呈し、良質なものは宝石にします。

ルビーは、英語「ruby」からの外来語です。
英語の「ruby(ルビー)」は、その特徴的な赤い色から、「赤」を意味するラテン語「rubeus」に由来します。

古く、ギリシャやローマでは「燃える石炭」と呼ばれていましたが、これにはルビー以外にも、ガーネットやスピネルなどの赤く硬い石が含まれています。

2.坩堝(るつぼ)

坩堝

坩堝」とは、「物質を溶解・灼熱するための耐火性容器。興奮・熱狂した状態。種々のものが入り混じった状態」のことです。

坩堝は「いるつぼ(鋳る壺)」の約、もしくは「ろつぼ(炉壺)」が転じた語と考えられます。

「興奮のるつぼと化す」など、熱気に溢れた状態を表す「るつぼ」は、坩堝の中が灼熱の状態にあることからの比喩的な表現です。

「人種のるつぼ」など、種々のものが混ざっている状態を表す「るつぼ」は、坩堝が金属を溶融混合することにたとえたものです。

イギリスの作家イズレイル・ザングウィルが「坩堝」を意味する「melting pot(メルティングポット)」を戯曲名にし、多民族が混在したアメリカ社会を「人種の坩堝」と形容したことから広く用いられるようになりました。

ただし、るつぼでは「溶け合う」といった同化の意味が含まれてしまうため、近年、種々のものが混ざっていても個々に味があるという意味から、「salad bowl(サラダボウル)」と表現されることが多くなっています。

3.ルーキー/rookie

ルーキー・佐々木朗希

ルーキー」とは、「プロスポーツ(とくにプロ野球)で、新人選手。新入社員」のことです。

ルーキーは、アメリカ英語「rookie」からの外来語です。
「rookie」は「新兵」や「新入社員」を意味する「recruit(リクルート)」が変化した語で、日本で使われるルーキーの意味のほか、「新兵」や「新任警官」も意味します。

アメリカでは、1890年代から用いられるようになりました。

4.ルビ/ruby

ルビ結婚祝い・ルビ徴兵検査

ルビ」とは、「振り仮名用の活字で、主に4~6ポイントの小活字」のことです。振り仮名だけを指す場合もあります。

5号活字の振り仮名に用いた7号活字の大きさが、イギリスで「ruby」と呼ばれる欧文活字と同じ大きさだったため、仮名用の活字を「ルビ」と呼ぶようになり、振り仮名のことも「ルビ」と呼ぶようになりました。

「ruby」は宝石のルビーのことで、欧米では活字の大きさを宝石名で呼び、5ポイントを「pearl{真珠(しんじゅ)}」、5.5ポイントを「agate{瑪瑙(めのう)}」といいました。

なお、ルビに関しては「新聞は総ルビにして、文字も大きく!記事は簡潔に圧縮を!」という記事も書いていますので、ぜひご覧ください。

5.ルンペン/Lumpen

ルンペン

ルンペン」とは、「襤褸(ぼろ)の服をまとってうろつく人。浮浪者。失業者。乞食」のことです。

ルンペンの語源は、布切れやボロ服を意味するドイツ語「Lumpen」です。
ドイツ語で浮浪者をさす場合は、「Penner」や「Pennbruder」といいます。

「ごろつき」を意味する「Lumepenhund」や、マルクスが労働意欲を失った浮浪的無産者や労働者階級から脱落した極貧層を「Lumpenproletariat(ルンペンプロレタリアート)」と称したことから、日本では浮浪者の意味で「ルンペン」が使われるようになりました。