昔は、「左ハンドル」と言えば「外車」のことでした。最近は輸入車も、「左側通行」という日本の交通ルールに合わせて「右ハンドル」が増えたようです。
ところで、日本の車が左側通行になった理由と世界での左側通行の国はどこかなどについてご紹介したいと思います。
1.日本の車が左側通行になった理由
これについては諸説ありますので代表的なものをご紹介します。
(1)侍の時代から左側通行だったため
最も有力な説で、「日本は古来から左側通行だったため」というものです。
侍は、自身の左側に刀を差していました。右側通行になると、その刀を納める鞘が向こうから歩いてくる侍とぶつかることがあり、それが原因で争いに発展することがよくあったようです。それを避けるために左側通行にしたということです。
(2)イギリスを模範にしたため
日本が明治時代に鉄道を敷設した時、「技術指導を受けたイギリスが左側通行だったため」、それに倣ったというものです。
イギリスも日本と同様、刀を差した騎士がおり、そのため左側通行になったようです。
(3)人類の9割が右利きのため
きちんと道路が整備される以前の中世においては、一般市民も護身のために武器を所持していました。
敵を迎え撃つためには、左側を通行して右側を空けておく方が都合がよかったのです。そのため昔は、世界的にも左側通行が多かったようです。
2.日本と同じ左側通行の国
世界で約70カ国が左側通行です。
主な国々は、オーストラリア・ニュージーランド・香港・パプアニューギニア・インド・マレーシア・シンガポール・パキスタンなどです。
この左側通行の約70カ国は、ほとんどがイギリスの植民地だった国々です。
アメリカもイギリスの植民地でしたが、独立戦争が起こったことからも、アメリカには反イギリス志向があり、それが原因で右側通行になったという説もあります。アメリカと親密だったフランスが右側通行だったことも影響しているかも知れません。
沖縄もアメリカから日本に返還される前はアメリカと同じ右側通行でした。
3.日本以外の多くの国が右側通行になった理由
ヨーロッパの多くの国々は、ナポレオンによって征服された結果、右側通行にさせられたと言われています。ナポレオンが右側通行にしたのは、彼が左利きだったためと言われています。
イギリスはナポレオンによる征服を免れたため、左側通行のままになったようです。
4.電動ゴルフカートが左ハンドルの理由
ゴルフが日本で流行し始めたころは、フェアウェイを歩いてラウンドするのが普通(下手な私はよくラフを渡り歩いていました)で、電動ゴルフカートを設置しているゴルフ場はほとんどありませんでした。キャディーが4人分のゴルフバッグをカートに乗せて、カート道を歩いていました。
その頃は、国産の電動ゴルフカートはなく、全て輸入品でした。その後、電動ゴルフカートの需要が増えて来たので、コピーライセンスに基づく左ハンドルの電動カートが国内生産されるようになり、そのまま左ハンドルが定着したようです。
現在、ゴルフ場の電動カートは、ほとんど電磁誘導の自動運転ですが、手動運転でもゴルフ場には対向車がないので、左ハンドルでもさほど危険は感じません。