雑学のすすめ!「雑学王」やくみつるさんの「雑学の威力」をご紹介します

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やくみつる

1.「雑学王」やくみつるさんが勧める「雑学の威力」

(1)「雑学」の力

毎年年末になると、「日本漢字能力検定協会」がその年の世相を最も表す漢字を選定し、「今年の漢字」として発表しますが、やくみつるさんは、「自分の漢字」を一文字で表すと「知」だと述べています。

これは「知識の知」ではなく「知るという動詞としての知」だそうです。彼は「私の活動の原動力の正体は、『知りたい』という好奇心に基づいている」とも述べています。

彼は、『雑学の威力』という本の中で、「雑学的知識を身につけ、それを正しく使うことができれば、人生が好転する」と述べ、雑学の力を次のように紹介しています。

①コミュニケーション力、会話力がアップする

②周囲の人から面白がられ、ウケがよくなる

③好奇心が高まり、色々なものに興味がわいてくる

④趣味の幅が広がり、人生が格段に楽しくなる

⑤発想が豊かになり、仕事にもいい影響を与える

⑥物事に対する理解力が格段に上がり、自分に自信がつく

(2)「物知り」になる習慣

そして、どうすれば切れ味鋭い雑学を身につけることができるのか、著者が30年かけて会得した「物知り」になる習慣を公開しています。

①すきま時間の10分を活用した知識の収集

②「物の名前」を調べてみる

③気になったものは全てメモに残す

④雑学の真髄は「地理」にあり

これは、芸術や文学、歴史、生物などあらゆる雑学のジャンルの全てが、何らかの形で「場所」に連関しているということです。

余談ですが私は、個人的には「雑学の真髄は『歴史』にあり」と考えています。歴史的事件だけでなく、人物や動植物、言葉、スポーツにも歴史があります。

そういう思いから、私はブログのハンドルネーム(ニックネーム)を「historia(ヒストリア)」としました。

⑤身近なところに雑学のネタはある

たとえば、「菓子折り」(銘菓ならそのお菓子の歴史や逸話)や「商品のラベル」(成分の表示)にも珍発見のネタは転がっているということです。

⑥1日3つ覚えること

「あー、今日もひとつ頭が良くなったよね」と自分にかける「おまじない」をあざとくも口に出すと長続きするそうです。

テレビタレントのデーブ・スペクターさんも、「1日に3つの新しい日本語の単語を覚える」ように心がけているそうです。

⑦興味は幼少期に原点あり

子供は好奇心の塊で、誰でも幼少期に興味を持って夢中になっていたものがひとつやふたつはあったはずです。

それを思い出して、大人になった今、改めて情熱を傾けられそうなテーマを見つければよいわけです。

私の場合は、昆虫や植物、雲や星などの自然が第一で、歴史上の人物がどのような思いで生きたのかということにも興味があります。それに加えて、「政治・経済・環境問題、教育問題などで『正しい』と思われている常識が本当に正しいのか?」(常識を疑う)という疑問です。

これらが私のブログのベースになっています。

⑧この世界は全て謎でできている

⑨周囲の興味に乗っかってしまう

⑩常にアウトプットの場面を意識する

⑪自分の全く興味のない雑誌を買ってみる

これは私も「書店での立ち読み」や「図書館でいろいろな分野の本を眺める」ことで実践しています。

⑫インターネットより「図鑑」を情報源に

これについては、私はやくみつるさんとは異なる意見で、「インターネットの情報の信頼性」には注意しつつも、紙ベースの「図鑑」よりもインターネットを活用するようにしています。

⑬審査員になったつもりで物事を捉えてみる

これは自分の好物である食べ物や飲み物を極めることで、知識をふんだんに蓄える手法です。

⑭クイズ仲間による自前のクイズ大会

これは宮崎美子さんなどとの切磋琢磨のことです。

⑮細分化によるアプローチ法

特定の分野に凝り固まらず、雑学的な観点から広く浅く知識を得ていると、物事の意外な関連性などに気付くケースも多くなり、視野がより広がっていきます。

⑯「耳学問」を大いに取り入れるべき

この本の中で、彼は雑学について次のように書いていますが、言い得て妙だと思います。

過去(知識の蓄積)という名の羊水に浸って生きている」とも表現できましょうか。こんな心地よい居場所はほかに求めようがありませんね。

2.やくみつるさんのユニークなところ

漫画家が本業の「やくみつる」(本名:「畠山秀樹(はたけやまひでき)」)さん(1959年~ )は、今やテレビのクイズ番組に引っ張りだこで「雑学王」とも呼ばれており、コメンテーターやエッセイストとしても活躍しています。

ちなみにペンネームの「やくみつる」は、麻雀の「役満」が由来です。子供の頃から昆虫好きで、現在は「日本昆虫協会」副会長も務めています。好角家(相撲好き)としても知られています。

(1)パソコンもスマホも持たない

彼は「ガラケー」は持っているそうですが、「パソコン」も「スマホ」も持っていないそうです。

私などよりはるかに「アナログ人間」のようです。パソコンやスマホの利便性は認めつつも、今のところ、この「アナログ主義」は変えないそうです。

(2)種々雑多の物の収集家(珍品コレクター)

「著名人のタバコの吸い殻や使用済みストロー」や「世界各国のトイレットペーパー包装紙」「横浜ベイスターズが1998年の日本シリーズで優勝した時に祝勝会で使われた酒樽(使用後で空の状態)」など種々雑多な「珍品コレクター」です。

(3)「断捨離」推進の「ミニマリスト」とは正反対の「マキシマリスト」と開き直る

彼は、「持ち物を出来るだけ減らし、自分にとって本当に必要最小限の物だけで暮らすこと」を理想とする「ミニマリスト(minimalist)」とは正反対の「マキシマリスト(maximalist)」です。彼は大変な「収集家」なので、今流行の「断捨離」とは無縁の生活をしているようです。

ちなみに、「ミニマリスト」とは元々「最小限綱領派」と呼ばれる「最小限度の要求を掲げる社会主義者の一派」の名前です。今では、「大量生産・大量消費の現代社会において生まれた新しいライフスタイルで、自分にとって本当に必要な物だけを持つことでかえって豊かに生きられるという考え方」を指します。

一方、「マキシマリスト」とは元々「最大限綱領派」と呼ばれる「要求の全てを主張し、決して妥協しない社会主義者の一派」の名前です。今では「管理できる範囲で、お気に入りの物をたくさん持っている人」を指します。

そういう意味で、彼は山下英子さんが提唱する「断捨離」には反対の立場です。

(4)多種多様な図鑑を所有

彼によれば、日本の図鑑はカラー写真の印刷技術も優れており、記載内容も充実していて世界最高水準だそうです。ちなみに日本最初の図鑑は、1925年に出版された牧野富太郎博士の「日本植物図鑑」です。

しかし今はインターネットの普及もあって、昆虫に関して言えばインターネットで最新の画像や動画も見られますし、虫の鳴き声も動画付きで見ることができます。

高度経済成長期以降の「理科離れ、昆虫採集などの自然史系の趣味を持つ層の高齢化などによって、古典的な図鑑の出版は頭打ちとなって行きました。

そのため図鑑専門の出版社の経営は苦しく、過去の図鑑の「再版」や「解説文の補筆だけした改訂版」の出版にとどまっているようです。

(5)雑学ネタを不断に収集しメモ

「これはいつか使えそうなネタだな」というネタを見つけた時は、必ずメモを取るだけでなく、その事柄のキーとなりそうな言葉を何度か口に出して唱えるそうです。

ある種の「おまじない」のようなものですが、これを行った後に頭の中の引き出しに放り込むのだそうです。

(6)クイズ番組出演者仲間と雑学の切磋琢磨

同学年で同じく「雑学王」でもある宮崎美子さん(1958年~ )は、彼の好敵手です。宮崎さんらとはプライベートに雑学問題を出し合い、切磋琢磨しているそうです。

余談ですが、61歳の宮崎美子さんが「インスタグラム」を開設し、40年ぶりのビキニ姿を披露して話題になっているそうです。水泳などの運動による体型維持の努力もさることながら、61歳でインスタグラムを始めるという好奇心の強さと前向きさにも敬服します。

宮崎美子

(7)「物知り」と言われることに快感を覚え「衒学的(げんがくてき)」を肯定

明治の文豪森鴎外(1862年~1922年)の「舞姫」に次のような文章があります。

かくて三年ばかりは夢の如くにたちしが、時來れば包みても包みがたきは人の好尚なるらむ、余は父の遺言を守り、母の教に從ひ、人の神童なりなど褒むるが嬉しさに怠らず學びし時より、官長の善き働き手を得たりとはげますが喜ばしさにたゆみなく勤めし時まで、たゞ所動的、器械的の人物になりて自ら悟らざりしが、今二十五歳になりて、既に久しくこの自由なる大學の風に當りたればにや、心の中なにとなくおだやかならず、奧深く潜みたりしまことの我は、やう/\表にあらはれて、きのふまでの我ならぬ我を攻むるに似たり。余は我身の今の世に雄飛すべき政治家になるにも宜しからず、また善く法典をそらんじて獄を斷ずる法律家になるにもふさはしからざるを悟りたりと思ひぬ。

これは子供の頃から神童と呼ばれながらも怠けずに勉強に励んだ主人公の太田豊太郎が、飛び級で19歳の時に帝国大学法学部を首席で卒業してエリート外交官となり、ドイツに留学してヨーロッパの街や大学の自由な風に触れ、踊り子エリスと出会って仕事と恋のはざまで揺れる物語です。

これは鴎外自身をモデルにした小説で、鴎外は帝国大学医学部を最年少の19歳で卒業(席次は8番)して陸軍軍医となり、ドイツに留学しています。

私がここで注目したいのは、「神童と褒められても、天狗になったり怠けたりせずに勉強した」点です。これは「勉強する→褒められる→うれしいのでさらに勉強する→さらに褒められる」の「好循環」です。

雑学を多く知っていると、「物知り」と褒められます。これには素直に喜べばよいわけです。「衒学的(ペダンティック)」(pedantic)というと、「学問・知識をひけらかす」という否定的なイメージがありますが、他人の気を悪くさせない程度に衒学的であることは良いことだと私も思います。

ただし他人の言葉遣いの誤りや読み方の誤りを指摘するのはなかなか難しいことで、気を使います。

(8)「好奇心」が「雑学」の原動力

好奇心があると、物事に対する考え方に深みが出て来ます。理解力も高まりますので、新しいことに触れても吸収できる度合いが高くなります。

雑学が豊富になってくると、発想が豊かになり、仕事にも良い影響を与える場面が出て来ます。

3.このブログも雑学ネタが満載

実は私も「雑学」が大好きで、このブログにも随所に「雑学ネタ」を盛り込んでいます。

そのために、71年間の私の人生で学んだ経験や知識に加えて、新しいネタも積極的に仕入れるようにしています。

雑学を仕込んでいると、不思議なことに「芋づる式に知識が増えていく」ように感じます。それに、「今まで無関係に思われていたいろいろな知識がつながる」という発見もあります。

「目から鱗が落ちる」ような体験をすることも時たまありますし、「長年の疑問が氷解した」「今まで知らなかった真相がよくわかった」という経験もあります。

私は読者の皆さんが、「このブログを気楽に読んで楽しんでいただくこと」と、「このブログを『触媒』として知識や興味の幅を広げ知的好奇心を持ち続けられること」を願っています。

ちなみに私のこのブログの原点ともいうべきテレビ番組が、私が小学6年の頃から大学1年の頃まで放送されていた「ものしり博士」です。

ものしり博士NHK