香港で「抱きつきスリ」の被害に遭いそうになった恐怖体験

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スリ

1.抱きつきスリ

455年ほど前、仕事で香港に出張した時、街を歩いていて集団の「抱きつきスリ」の被害に遭いそうになりました。

日本から出張した他の人達と一緒に歩いていたのですが、突然私の前に見知らぬ男が立ち塞がって私の足を踏みつけました。次の瞬間後ろから別の男に羽交い絞めされました。両側にも仲間がいたようで、数人の男に取り囲まれる格好になりました。

私は何が起きたのかわからず、恐怖で声が出せませんでした。暴行被害に遭った女性が「恐怖で声が出なかった」と言う恐怖体験の話をよく聞きますが、確かに「息を飲む(吸う)」「息が詰まる」ような形になって声が出せないのです。「息を吐く」ことが出来ないと声も出せないことを実感しました。

しかし、何秒後かわかりませんが、必死で羽交い絞めを振りほどいて前を行く同じ会社の人に追いつきました。

あとで聞いた話では、当時香港をはじめ東南アジア各国で「抱きつきスリ」が頻発していたそうです。私はたまたま「地図」を片手に持ってキョロキョロしていたので、「旅行者」だと目を付けられたようです。

2.昏睡スリ

「スリ」と言えば、前に記事にも書きましたが、私は若いころに終電近くの電車で帰宅途中に「昏睡スリ」に遭いかけたこともあります。

3.古典的なスリ

もう一つ、私は「スリ」の被害に遭いかけた経験があります。それは、大学を受験するために試験会場に向かう電車内での出来事です。

満員の電車でしたが、私の手首のあたりに何やら触れて来るものがあるのです。普通の押し合いへし合いの動きとは異なるものでした。

やがて私は「腕時計を狙ったスリ」だと悟って、左手を上げてつり革を握りました。すると不審な動きはぴたりとやみました。やはりこれは「古典的なスリ」だったのです。

受験生にとって、腕時計は不可欠ですし、これを盗まれてしまっては大変です。

よく死を覚悟した瞬間に「目くるめくような過去の記憶が、走馬灯に映る影のように脳裏に現れては過ぎ去る」という話を聞きますが、私のこの場合も、数秒間の出来事だったと思うのですが、さまざまな思いが駆け巡ったような感じがしました。

余談ですが「古典的なスリ」と言えば、高校生の時、ホームの端で電車を待っていると、見知らぬ男が近づいてきて、「兄ちゃん、この時計何と書いてあるか読めるか?」と聞いてきました。「オメガ」か「ロレックス」ならわかったと思うのですが、イタリア語かフランス語か何か知らない言葉でしたので、「わかりません」と答えると、その男は「そうか、わからんか」と言って去って行きました。

後で考えると、その男は「スリ」で、今しがた乗客からすり取った腕時計を質屋へ売り飛ばすにあたって、名前もわからなければ「盗品」と怪しまれる恐れがあるので、ホームにいた高校生の私に聞いてきたのかもしれません。