最近スーパーで販売されているカットされたメロンやスイカには「糖度11」とか「糖度14」のような表示があります。
この「糖度」とは一体何でしょうか?どのような「基準」で、「測定方法」はどのようになっているのでしょうか?
1.「糖度」とは
果物の「糖度」とは、「果汁100グラムの中に糖分が何グラム含まれているかを表したもの」です。
「糖度」は甘さの目安の一つです。そのため「糖度が高いほど甘みも強い」というイメージがありますが、実は糖度が高ければ必ず甘いというわけではありません。
たとえば、「10%の砂糖水」と「10%の食塩水」では、どちらが糖度が高いかというと、食塩水の方が糖度が高いのです。
2.糖度の「基準」
糖度は「Brix」(ブリックス)という値で算出されます。
「Brix値」は、主に果実農業・製糖・食品産業のワインなどで、ショ糖(いわゆる砂糖)・果糖・転化糖・ブドウ糖など、いわゆる糖の含有量を測るために「糖度」として用いられる物理量です。
この「Brix値」は、「水に溶けている固形分の量」の指標で、糖だけの量を示すものではなく、糖分のほかに塩分や酸などが含まれる場合もあります。
そのため、糖度が高いからといって、必ずしも甘いというわけではないのです。
3.果物のおいしさは甘味と酸味のバランスで決まる
果物のおいしさは、甘味と酸味のバランスで決まります。オレンジやグレープフルーツなどのの柑橘類のように酸味の強い果物の場合は、糖度が高くても酸味が勝る場合があります。
逆にスイカやメロンなど酸味の弱いものは、糖度の高さが甘みやおいしさにつながりやすくなります。
平均的な果物の糖度は次のようになっています。(農林水産省の2014年6月「果樹をめぐる情勢」より引用)
グレープフルーツ:10.0%、オレンジ:10.3%、キウイフルーツ:11.2%、みかん:12.1%、りんご:15.0%、ぶどう:17.5%、バナナ:21.0%
4.糖度の「測定方法」
(1)通常の糖度計
糖度計は「糖用屈折計」または「Brix計」とも呼ばれ、光が水中や空気中でまっすぐに進む性質を利用して糖度を計測します。
ショ糖が含まれている液体を計測すると光の屈折が起こるため、「屈折率」によって糖度を算出するわけです。
通常の糖度計には、「アナログタイプ」「デジタルタイプ」「ペンタイプ」の三つがあります。
①アナログタイプ
果汁1~2滴を機器に垂らし、レンズを覗いた窓から見える目盛(めもり)によって糖度を測定するものです。
②デジタルタイプ
果汁を垂らすと、自動的に糖度が数値化されるものです。
③ペンタイプ
果汁に漬けて計測するものです。
(2)非破壊糖度計
通常の糖度計の場合は、糖度の測定のたびに果物をカット(破壊)する必要があります。
しかし、(株)メカトロニクスの「非破壊糖度計」N-1や、(株)アタゴの「ポケット非破壊糖度計」を使えば、果物をカットすることなく糖度を測定することができます。そのため、等級付けやブランディングの強力な味方となります。
この「非破壊糖度計」は果物の表面に「近赤外線」を当ててセンサーで糖度を計測するものです。
これは「糖が特定の波長の光を吸収しやすい性質を持つという原理」を利用したものです。今後「非破壊糖度計」の利用が広まれば、カットされていないスイカやメロンについても糖度表示が一般的になるかも知れません。
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