二十四節気の季節感溢れる季語と俳句 晩春:清明・穀雨(その4)行事

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穀雨

前回まで、「ホトトギス派の俳人」16人(「ホトトギス派の俳人(その16)杉田久女:虚子との確執で有名な悲運の女流俳人」など)と「ホトトギス派以外の俳人」14人(「ホトトギス派以外の俳人(その14)長谷川かな女:大正期を代表する女流俳人」など)を紹介する記事を書いてきました。

ホトトギス派は、「客観写生」「花鳥諷詠」「有季定型(季語のある定型俳句)」を旨としましたが、それに飽き足りない俳人たちが、「無季俳句」や「自由律俳句」などを標榜する「新興俳句運動」を起こしました。

私は、「新興俳句運動」を全否定するつもりはなく、それなりの歴史的意義はあったと思います。しかし、私はやはり季節感溢れる「季語」を詠み込んだ「定型俳句」に魅力を感じます。

そこには、現代の私たちの生活から失われつつある(一部はほとんど失われた)季節感が溢れており、「懐かしい日本の原風景」を見るような気がします。

そこで今回から、「二十四節気」に沿って季節感あふれる「季語」と俳句をご紹介していきたいと思います。

なお、前に「季語の季節と二十四節気、旧暦・新暦の季節感の違い」という記事も書いていますので、ぜひご覧下さい。

季語の季節対比表

二十四節気図

「春」は旧暦1月~3月にあたり、「初春」(立春・雨水)、「仲春」(啓蟄・春分)、「晩春」(清明・穀雨)に分かれます。

今回は「晩春」(清明・穀雨)の季語と俳句をご紹介します。

・清明(せいめい):新暦4月4日頃です。「三月節」 すべてのものが生き生きとして清らかに見えます。

・穀雨(こくう):新暦4月19日頃です。「三月中」 穀物をうるおす春雨が降ります。

5.行事

(1)あ行

・青紫垣神事(あおふしがきしんじ):四月七日、島根県美保関町・美保神社で行われた神事

・蘆辺踊/芦辺踊(あしべおどり):戦前、四月に行なわれた大阪の花街での春の踊

・東踊(あずまおどり):東京新橋の芸妓が新橋演舞場で公演する春の踊り。 毎年4月1日から20日間行われる。 京都の都踊、大阪の芦辺踊、浪花踊などの盛況に刺激されて大正13年(1924年)から催すようになった

・甘茶(あまちゃ):四月八日、花祭の時、花御堂のなかにまつられた釈迦誕生像に注ぎかける

甘茶

・甘茶寺(あまちゃでら):花祭の行なわれている寺

・甘茶仏(あまちゃぶつ):四月八日の花祭に甘茶を注がれる釈迦誕生像

・イースター:イエスが十字架上の死後三日目に復活したことを記念する祝日。肉やパン、染卵(そめたまご)を食べる習慣がある。移動祝祭日であり、春分後の最初の満月の後の第一日曜日がそれにあたる

・イースターエッグ:復活の象徴として、復活祭の贈り物にする彩色をした卵。染卵

イースター

・イースターカード:イースターは、新しい始まりと継続的な祝福を祝う時で、その時に送るグリーティングカード

・イースターホリデー/イースター休暇(いーすたーきゅうか):イースター前後の休暇のこと。

ヨーロッパにはイースターに関する祝日がある。たとえばオランダではイースターの日と前の金曜日、イースター翌日の月曜日は毎年祝日となっていて、 毎年日にちが異なる祝日(移動祝祭日)である。

・イースターリリー:キリスト教のイースター(復活祭)に使われるユリ科の球根草。以前はマドンナリリーが使われていたが、現在ではテッポウユリが使われている

・衣裳競べ(いしょうくらべ):御忌(ぎょき)(*)に派手な衣装をまとって参詣すること

(*)高貴な人や祖師などの年忌の法会

・稲荷神幸祭(いなりしんこうさい)/稲荷祭(いなりまつり)/稲荷のお出(いなりのおいで)/稲荷祭御出(いなりまつりおいで):四月第二の午の日、京都市・稲荷大社で行われる神幸祭のこと

・彩卵(いろたまご):復活の象徴として、復活祭の贈り物にする彩色をした卵

・鶯合(うぐいすあわせ):手飼いの鶯の鳴き声を競う競技

・牛合せ(うしあわせ)/牛角力(うしずもう)/牛の角突き(うしのつのつき):闘牛のこと。牛が角を突き合わせて戦い、弱気を見せた牛が負けとなる。新潟県山古志の牛の角突きが有名で、五月頃からシーズンに入る。

牛合せ

・午の神事(うまのしんじ):4月13日から15日、大津市・日吉神社で行われる山王祭での神事

・梅若忌(うめわかき)/梅若祭(うめわかまつり):謡曲「隅田川」のなかの人物梅若丸の忌日で陰暦3月15日。人買いにかどわかされた梅若丸が隅田川で行き倒れた日である。現在は4月15日に木母寺(もくぼじ)で法要が営まれる

梅若祭

・梅若ごと(うめわかごと)/梅若様(うめわかさま):梅若忌の別称

・梅若の涙雨(うめわかのなみだあめ):梅若忌に降る雨。

梅若丸は、謡曲「隅田川」に登場する悲劇の少年の名前。梅若丸は、京で人買いに攫われて東国に下った、この地で重病になったので足手まといになり隅田川に投げ込まれた。里人に助けられたが息絶えてしまった。この梅若を哀れみ、塚がある東京都墨田区の木母寺で4月15日に供養の大念仏会を行われる。この日に梅若の悲しい運命を悼み、天が雨を降らすと言われる

・エイプリルフール:エイプリルフール(April Fools’ Day)とは、毎年4月1日には嘘をついても良いという風習のこと。イギリスではオークアップルデー(Oak-apple Day)(*)に倣い、嘘をつける期限を正午までとする風習があるが、それ以外の地域では一日中行われる。いつ、どこでエイプリルフールの習慣が始まったかは定かでない。「四月馬鹿」「万愚節」

エイプリルフール

(*)王政復古記念日(5月29日)オークの葉を身につけて祝う

・枝の主日(えだのしゅじつ):復活祭の直前の日曜日。受難の主日の別称

・円光忌(えんこうき):御忌(ぎょき)の別称。法然自身は陰暦1月25日に入寂したが、現在御忌は四月に行われる

・黄金週間(おうごんしゅうかん):ゴールデン・ウィークのこと

・大茶盛(おおちゃもり):四月の西大寺大茶盛のこと

大茶盛

・大和神幸祭(おおやまとしんこうさい):4月1日、天理市・大和神社で行われる祭礼

・小木港祭(おぎこうさい):4月17日と18日、石川県内浦町・御船神社で行われる祭礼

・お国忌/阿国忌(おくにき):4月15日、江戸時代初期の歌舞伎創始者出雲のお国の忌日

・御衣井(おころもい):高野山にある「御衣替」のときに使われる井

・御衣替(おころもがえ):弘法大師の入定の地である高野山で、大師の衣をとりかえること

・鬼踊(おにおどり):鬼の面をかぶってする踊り。新年の仏教行事である修正会・修二会にともなう呪師芸からでたもの

・小野小町忌(おののこまちき):陰暦3月18日、平安時代の六歌仙の一人小野小町の忌日。その名は、美人の代名詞として親しまれ、伝説も多い。謡曲には「小町物」として登場する

・御身拭(おみぬぐい):4月19日、京都市・清涼寺で行われる法会。本尊栴檀瑞像釈迦如来を香湯にひたした白布でぬぐう

・御室詣(おむろまいり):三月の第二日曜日に八王子市の高尾山薬王院で行なわれる、水行と並ぶ荒行の一つ

・御室詣(おむろもうで):京都市・仁和寺で行なわれた御影供(みえいく)

(2)か行

・賭鶏(かけどり):雄鶏同士を闘わせて勝負を争う遊び。近世まで3月3日の節句で宮中行事として行われた

・勝鶏(かちどり):鶏合で勝った鳥

勝鶏の 抱く手にあまる 力かな(炭太祇)

・花亭(かてい):潅仏会に釈迦の降誕像を安置する、種々の花で飾られた小さな堂のこと

・鐘供養(かねくよう):年中撞かれている鐘の供養をする日。安珍、清姫の日高川伝説に基づき、道成寺では4月27日に観音会式があり、ジャンジャカ踊りを行う。安珍が隠れた大釣鐘を蛇身で巻き、火を噴きながら果てる清姫の執念を舞台で再現する

鐘供養

・荷風忌(かふうき):4月30日、明治・大正・昭和期の小説家永井荷風(ながいかふう)(1879年~1959年)の忌日

・鴨川踊(かもがわおどり):5月1日から京都・先斗町の芸妓によって行なわれる踊

・鴎忌(かもめき):4月5日、昭和期の詩人三好達治(みよしたつじ)(1900年~1964年)の忌日

・願解踊(がんげおどり)/願解祭(がんげさい):4月14日の万願祭の別称

・灌仏(かんぶつ):4月8日の仏生会で釈迦の誕生像に香湯や甘茶をそそぐこと

灌仏会

灌仏や 皺手(しわて)を合はする 数珠の音(松尾芭蕉)

灌仏の 御指の先や 暮の月(小林一茶)

・灌仏会(かんぶつえ):4月8日の仏生会の別称

・義士祭(ぎしさい)/義士まつり(ぎしまつり):4月1日から7日まで東京高輪の泉岳寺で行われる赤穂義士の御霊祭

義士祭

・行基菩薩忌(ぎょうきぼさつき):陰暦2月2日に死んだ行基を記念して、4月2日と3日、伊丹市・昆陽寺で行なわれる開山忌

・行基詣(ぎょうきもうで):陰暦2月2日に死んだ行基を記念して、4月2日と3日、伊丹市・昆陽寺で行なわれる開山忌に参詣すること

・経の紐解(きょうのひもとき):御忌の風俗

・御忌(ぎょき):浄土宗の開祖法然の命日に行われる法要。命日は陰暦1月25日だが、明治10年より4月15日から25日まで行われるようになった。昔の京都の人は一年の寺参りの始めとして遊山も兼ねて着飾って詣でたため御忌小袖、衣装競べ、弁当始といった

なには女や 京を寒がる 御忌詣(与謝蕪村)

八郡の 空の霞や 御忌の鐘(黒柳召波)

着だをれの 京を見に出よ 御忌まふで(高井几董)

・御忌小袖(ぎょきこそで):御忌に参詣する際に着られる派手な小袖

・御忌の鐘(ぎょきのかね):法然の忌日法要のときにつかれる鐘

・御忌の寺(ぎょきのてら):法然の忌日法要の行なわれている寺

・御忌詣(ぎょきもうで):4月19日から25日に行われる浄土宗の宗祖法然上人の忌日法要に詣でること

・曲水(きょくすい/ごくすい):昔、陰暦三月上巳の日に宮中などで行なった曲水の宴のこと。曲がりくねった流れの前に座り、酒杯が流れてくる前に詩歌を作り、杯を飲み干す

曲水の宴

・曲水の宴(きょくすいのえん):曲水の別称

・虚子忌(きょしき):4月8日、明治・大正・昭和期の俳人高浜虚子(たかはまきょし)(1874年~1959年)の忌日

・キリスト受難日(きりすとじゅなんび):聖週間中の金曜日。聖金曜日の別称。

「聖週間」は復活祭前の一週間。聖金曜日は、最も早い場合で3月20日、遅い場合だと4月23日になる。イエス・キリストが十字架にかけられた日にあたる。キリストの受難と死を記念して、欧米では祝祭日として休日となる。福音書をもとに、キリスト受難にちなんだ祭礼が催される

キリスト受難日

・空海忌(くうかいき):陰暦3月21日、弘法大師空海(774年~835年)の忌日

・グッドフライデー:イースター(復活祭)の前の金曜日のこと。聖金曜日

・苦難週(くなんしゅう):「受難の主日」より始まる一週間。「聖週間」の別称

・苦難の金曜日(くなんのきんようび):聖週間中の金曜日。聖金曜日の別称

・鞍馬の花供養(くらまのはなくよう):4月18日から22日、京都市・鞍馬寺で行なわれる花供懺法会

鞍馬の花供養

・鶏頭踊(けいとうおどり):4月14日の万願祭の別称

・元巳(げんし):「上巳(じょうし/じょうみ)」(*)の別称

(*)陰暦三月の最初の巳の日(後には陰暦3月3日になった)、禊ぎを行った古代の風俗。のちに雛流しに発展した

・憲法記念日(けんぽうきねんび):5月3日、国民の祝日の一つ。1947年(昭和22年)の日本国憲法施行を記念したもの

・孔子祭(こうしさい):四月第四日曜日の釈奠の別称

・光太郎忌(こうたろうき):4月2日、大正・昭和期の詩人高村光太郎(たかむらこうたろう)(1883年~1956年)の忌日

・降誕会(ごうたんえ):4月8日の仏生会の別称

・弘法忌(こうぼうき):陰暦3月21日、弘法大師空海の忌日

・弘法さん(こうぼうさん):御影供の日に、京都・東寺、仁和寺、西賀茂神光院に参詣すること

・ゴールデンウィーク:四月末から五月初めにかけての休日の多い週をさす。黄金週間、大型連休とも。観光地や各イベント会場はにぎわい、交通機関が混雑する。「ゴールデンウィーク」は和製英語

・五月祭(ごがつさい):5月1日、メーデーのこと

メーデー

・五香水(ごこうすい)/五色の水(ごしきのみず):4月8日、花祭の時、花御堂のなかにまつられた釈迦誕生像に注ぎかける

・事の日(ことのひ)/事日(ことび):謡曲「隅田川」の中の人物の梅若丸の忌日。陰暦3月15日。現在は4月15日に木母寺(もくぼじ)で法要が営まれる

・事祭/こと祭(ことまつり):関西・中国地方で行われる春の民間の祭り。3、4月ごろに行う。餅をついて各家でご馳走を食べ、軒に箸 (はし) のすだれをつるしたりする。事追い祭り。十日坊。春事 (はるごと)

・呉服祭(ごふくさい):染織祭の別称。四月の初めに行なわれていた京都の染織関係者の行事

・小町忌(こまちき):陰暦3月18日、平安時代の六歌仙の一人小野小町の忌日。その名は、美人の代名詞として親しまれ、伝説も多い。謡曲には「小町物」として登場する

(3)さ行

・西翁忌(さいおうき):陰暦3月28日、江戸時代の談林派俳人西山宗因(にしやまそういん)(1605年~1682年)の忌日

・最後の晩餐日(さいごのばんさんび):聖週間中の木曜日。キリストの最後の晩餐の日

・西大寺大茶盛(さいだいじおおちゃもり):四月第二日曜とその前日、奈良市の西大寺で催される鎌倉時代からの行事。高僧叡尊が、八幡神社で修法結願の日、降りはじめた雪の美しさに感動し、神前に茶を供え村人にも振るまったのが始まり。大茶碗に茶を点て、二、三人ががりで持ち上げ飲み回す

・西東忌(さいとうき)/三鬼忌(さんきき)/三鬼の忌(さんきのき):4月1日、昭和期の俳人西東三鬼(さいとうさんき)(1900年~1962年)の忌日

・竿躑躅(さおつつじ):4月8日の灌仏会に、躑躅などの花を高い竿の先に結びつけて軒先に高くかかげる風習

風吹て 花ふる竿の つヽじかな(正岡子規)

・榊伐(さかきぎり/さかききり):滋賀県大津市坂本の日吉大社の例祭(山王祭)で行われる神事のひとつ。四月初め、大榊を山中から伐り出すことをいう。榊取は、榊に神を移し、四の宮まで曳いて移すこと。十四日の大祭に、本宮へ還幸するのを、榊入という

・盃流(さかずきながし):曲水(きょくすい)の別称

・嵯峨大念仏狂言(さがだいねんぶつきょうげん):四月中旬、京都市・清涼寺釈迦堂で行なわれる嵯峨大念仏の別称

嵯峨大念仏狂言

・嵯峨大念仏/嵯峨念仏(さがねんぶつ)(さがのだいねんぶつ):四月中旬、京都市・清涼寺釈迦堂で行なわれる大念仏会。

京都嵯峨清凉寺(嵯峨釈迦堂)で四月上旬の土、日曜に上演される狂言。鎌倉時代に円覚上人が広めた融通念仏が始まりという無言劇。カンデンデンと独特の鉦や太鼓の音と共に、土蜘蛛、釈迦如来、とろろ等が演じられる。国の重要無形民俗文化財に指定

八分咲く 花の盛や 大念仏(大谷句仏)

・猿の神供(さるのじんく)/申祭(さるまつり):4月13日から15日、大津市・日吉神社で行われる山王祭での神事

申祭

・三月狂言(さんがつきょうげん):弥生狂言の別称

・三月節句(さんがつせっく):3月3日の節句。ふつう、女子の祝日として、雛 (ひな) 祭りをする。雛の節句。桃の節句。上巳 (じょうし) 。重三 (ちょうさん)

・三弘法詣(さんこうぼうまいり):御影供の日に、京都・東寺、仁和寺、西賀茂神光院に参詣すること

・山王祭(さんのうまつり):4月13日から15日、大津市・日吉神社で行われる例祭

・三の替り(さんのかわり):弥生狂言の別称

・四月馬鹿(しがつばか):4月1日。この日に限り、罪のない悪戯や噓で人を驚かしてもかまわないという日

・島原の大夫の道中(しまばらのたゆうのどうちゅう):四月第三日曜日、京都島原の名妓吉野太夫を偲ぶ催し。太夫ゆかりの寺、京都北区の常照寺にて由縁の道中が見られる。禿や男衆を従え、豪華な打掛姿の太夫が、内八文字を踏みながら練り歩く。法要、吉野太夫墓前供養が行われる

島原の大夫の道中

道中や 角屋の前は 道せばく(中田余瓶)

・十三詣(じゅうさんまいり):4月13日(もとは陰暦3月13日)に京都市・法輪寺の本尊虚空蔵菩薩に参詣する行事。十三歳になった子供が智恵を授かろうと参詣する

京都市・法輪寺十三参り

・受苦節(じゅくせつ):受難節の別称

・受難週(じゅなんしゅう):受難の主日より始まる一週間。聖週間の別称

・受難節(じゅなんせつ):四旬節中の第五日曜日から復活祭の前日まで、キリストの受難と死去とを特に記念する二週間

・受難の金曜日(じゅなんのきんようび)/受難日(じゅなんび):聖週間中の金曜日。聖金曜日の別称

・受難の主日(じゅなんのしゅじつ):復活祭の直前の日曜日

・棕櫚の主日(しゅろのしゅじつ)/棕櫚の聖日(しゅろのせいじつ):復活祭の直前の日曜日。受難の主日の別称

・俊寛忌(しゅんかんき):陰暦3月2日、平家物語に登場する俊寛僧都(しゅんかんそうず)(1143年~1179)の忌日

・招魂祭(しょうこんさい):4月21日、東京九段・靖国神社で行なわれる春季大祭

招魂祭

・上巳(じょうし/じょうみ):陰暦三月の最初の巳の日(後には陰暦3月3日になった)、禊ぎを行った古代の風俗。のちに雛流しに発展した

・正御影供(しょうみえいく):4月21日に、京都・東寺で開かれる講会

・白き日曜日(しろきにちようび):復活祭後の第一日曜日。復活祭に受洗した新しい信者が司祭より受けた白衣を土曜まで着け、翌日曜には平服でミサに臨んだこと

・渝越祭(すぎこしまつり):春分後の最初の満月の後の第一日曜日。復活祭の別称

・硯石取る(すずりいしとる):昔、土佐の海岸で上巳の日の干潮の時、硯の材料にする石を拾ったこと

・須磨の祓(すまのはらい):須磨の御禊の別称

・須磨の御禊(すまのみそぎ):光源氏が須磨に流されていた時、三月上巳の日に祓を行ったという「源氏物語」の挿話

・聖金曜(せいきんよう):聖週間中の金曜日。聖金曜日の別称

・聖金曜日(せいきんようび):イースター(復活祭)の前の金曜日のこと

・聖枝祭(せいしさい):復活祭の直前の日曜日。受難の主日の別称

・聖週間(せいしゅうかん)/聖週期(せいしゅうき)受難の主日より始まる一週間。

・聖体制定日(せいたいせいていび):聖週間中の木曜日。聖木曜日の別称

・聖土曜(せいどよう)/聖土曜日(せいどようび):聖週間中の土曜日

・聖木曜(せいもくよう)/聖木曜日(せいもくようび):聖週間中の木曜日

・釈菜(せきさい):釈奠の別称

・釈奠(せきてん):四月第四日曜日、湯島聖堂で行われる孔子の祭り。昔は陰暦二月と八月の最初の丁の日に行われた

・泉岳寺義士大祭(せんがくじぎしたいさい):4月1日から7日まで東京高輪の泉岳寺で行われる赤穂義士の御霊祭。義士祭

泉岳寺義士大祭

・浅間祭(せんげんまつり):4月1日から5日、静岡市・浅間神社で行われる祭礼

・染織祭(せんしょくさい):四月の初めに行なわれていた京都の染織関係者の行事

・先帝会(せんていえ)/先帝祭(せんていさい):山口県下関市の赤間神宮で5月2日から4日にかけて行う祭礼。後白河院が、壇ノ浦の戦いで入水した安徳帝を悼んだ法会に始まる。

先帝会

・善導忌(ぜんどうき):陰暦3月14日、中国浄土宗の僧、善導の忌日。中国浄土教を大成し善導流の念仏を称する。日常の行持精謹を大事とし、道を歩くに目を上げて女人を見なかったという。「観経疏」以下五部九巻を著わす。法然の浄土開宗に重要な役割をもつ

青柳に 游ぶ糸あり 善導忌(松瀬青々)

・宗因忌(そういんき):陰暦3月28日、江戸時代の談林派俳人西山宗因(1605年~1682年)の忌日

・蒼虬忌(そうきゅうき):陰暦3月13日、江戸時代後期の俳人成田蒼虬(なりたそうきゅう)(1761年~1842年)の忌日

・染卵(そめたまご):復活の象徴として、復活祭の贈り物にする彩色をした卵

(4)た行

・大週間(だいしゅうかん):復活祭直前の棕梠の日曜日より始まる一週間

・高雄山女詣(たかおさんおんなもうで):御影供の時に限り女人が高雄山に登るのを許され詣でたこと

・高花(たかばな):4月8日に山からツツジ・フジなどの花を取ってきて、高いさおの先に結んで立てるもの。中国・四国地方で行われる。八日花。天道花(てんとうばな)

・高山祭(たかやままつり):4月14日と15日、岐阜県高山市・日枝神社で行われる祭礼

高山祭

・啄木忌(たくぼくき):4月13日、明治期の歌人・詩人石川啄木(いしかわたくぼく)(1886年~1912年)の忌日

・達治忌(たつじき):4月5日、昭和期の詩人三好達治(みよしたつじ)(1900年~1964年)の忌日

・たなん棒(たなんぼう):春の水口祭で、田の神の形代として苗代の水口に挿したもの

・種祭(たねまつり):農事始として、籾種を苗代におろす際に行う田祭。苗代田の水口に盛り土をして、栗、躑躅、山吹、うつ木などの花や枝を挿し、種籾の残りを炒った焼き米や神酒を供え、稲の生長を祈願する。農家が各家で行う場合と神社で行う場合とがあり、供物も地方によってさまざま。水口祭(みなくちまつり)

・田の神の腰掛(たのかみのこしかけ):春の水口祭で、田の神の形代として苗代の水口に挿したもの

・誕生仏(たんじょうぶつ):4月8日の仏生会で香湯や甘茶が注がれる釈迦の誕生像のこと

・知恵詣(ちえもうで)/知恵貰い(ちえもらい):十三詣の別称

・ちゃんちゃん祭(ちゃんちゃんまつり):4月1日の大和神幸祭の別称

・重三(ちょうさん):上巳の別称

・鎮花祭(ちんかさい/はなしずめまつり):昔、サクラの花の散るのを疫神跳梁のきざしとみる信仰があり、そのため、花の飛散を防ぎ、疫神をしずめる祭りを行なったこと

鎮花祭

・椿寿忌(ちんじゅき):4月8日、明治・大正・昭和期の俳人高浜虚子(たかはまきょし)(1874年~1959年)の忌日

・天狗の強飯(てんぐのごうはん):5月2日、日光市・輪王寺三仏堂で行なわれる修験道の行事

天狗の強飯

・天津司舞(てんずしまい):4月10日前後の日曜日、甲府市・天津司神社で行われる祭礼

・天道花(てんとうばな/てんどうばな):4月8日の仏生会の日、野の草花を高い竿の先に結びつけて庭先に立てる風習

・天皇誕生日(てんのうたんじょうび):昭和天皇の誕生日

・桃花の節(とうかのせつ):3月3日の節句。一般には雛祭りが行われる

・闘牛(とうぎゅう):牛同士を角突き合わせて互いに押し合わせ、勝負を争うもの。夏の季語ともみなされる

・闘鶏(とうけい):鶏を闘わせて見物すること

・闘鶏師(とうけいし):鶏合用の鶏を調教する人

・土佐の海に硯石取る(とさのうみにすずりいしとる):「硯石取る」に同じ

・伴旗祭(ともばたまつり):4月17日と18日、石川県内浦町・御船神社で行われる祭礼

・鶏合(とりあわせ):雄鶏同士を闘わせて勝負を争う遊び。近世まで3月3日の節句で宮中行事として行われた

時を感じ 花に鳴くなり 鶏合せ(惟中)

鶏合 目も見えずなり あはれなり(加藤暁台)

・鶏の蹴合(とりのけあい):雄鶏同士を闘わせて勝負を争う遊び。近世まで三月三日の節句で宮中行事として行われた

・どんたく:5月3〜4日に福岡市で行われる行事。「博多どんたく」のこと。また港祭とあわせて「松囃子(まつばやし)どんたく港祭」とも呼ぶ。室町時代に始まる松囃子の民俗が残ったもので、3日、櫛田神社に松囃子が勢ぞろいして市内を練り歩き、仮装行列・踊屋台などが各町内から出てにぎわう。なお、どんたくはオランダ語のZontag(日曜日)の転化したもの

どんたく

・どんたく囃子(どんたくばやし):どんたくで囃される松囃子の別称

(5)な行

・苗尺(なえじゃく)/苗じるし(なえじるし)/苗棒(なえぼう)/苗みだけ(なえみだけ):春の水口祭で、田の神の形代として苗代の水口に挿したもの

・長浜曳山狂言(ながはまひきやまきょうげん)/長浜曳山祭(ながはまひきやままつり):4月13日から15日、長浜市・八幡宮で行われる祭礼

長浜曳山祭

・啼合/鳴合(なきあわせ):鶯合の別称

・浪花踊(なにわおどり):戦前、大阪の花街で春に行われた春の踊り

・苗代祭(なわしろまつり):水口祭の別称

・日光強飯式(にっこうごうはんしき)/日光責(にっこうぜめ):5月2日、日光市・輪王寺三仏堂で行なわれる修験道の行事

(6)は行

・梅翁忌(ばいおうき):陰暦3月28日、江戸時代の談林派俳人西山宗因(1605年~1682年)の忌日

・二十日会祭(はつかえさい):4月1日からの浅間祭の別称

・花折始め(はなおりはじめ):4月8日の仏生会(花祭)の日、墓参りをすること

・花換祭(はなかえまつり):福井県敦賀市の金崎宮で、四月の花時に行われる祭。祭神の尊良 親王と恒良親王の御命日がこの頃なので花を捧げたのが始まり。造花の花が社前で売られ、参詣人がその花を交換しあう。当り花を手にした人に神鏡が贈られる。美しい春の祭

花換祭

・花供懺法(はなぐせんぽう)/花供養(はなくよう):4月18日から22日に行なわれる「鞍馬の花供養」の別称

・鎮花祭(はなしずめまつり):4月18日、桜井市・大神神社で行われる祭礼

・花の塔(はなのとう):仏生会の時に灌仏のため釈迦誕生像を安置する、いろいろな花で飾られた小さな御堂のこと

・花祭(はなまつり):潅仏会のこと。4月8日、釈迦の誕生日を祝う行事である。花御堂の釈尊に甘茶をかけるのは、釈迦誕生のおりに、龍が天から飛来して香湯をそそいだという故事に基づく

・花御堂(はなみどう):仏生会の時に灌仏のため釈迦誕生像を安置する、いろいろな花で飾られた小さな御堂のこと

・春事(はるごと)/春の事(はるのこと):関西地方で行われる節日の祝事。とくに日にちは定まっておらず、陰暦二月から四月にかけて行われる。日を決めて餅をついたりご馳走をいただいたりする。農作業が忙しくなる前のくつろぎの日でもある

・万愚節(ばんぐせつ):「四月馬鹿」のこと

・低い主日(ひくいしゅじつ)/低き主日(ひくきしゅじつ):復活祭後の第一日曜日。白き日曜日の別称

・未の御供(ひつじのごく):4月13日から15日、大津市・日吉神社で行われる山王祭での神事

・人丸忌(ひとまるき)/人麿忌(ひとまろき)/人丸祭(ひとまるまつり):陰暦3月18日、万葉の歌人柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)(660年頃~724年)の忌日

・雛の節句(ひなのせっく):3月3日の桃の節句の別称

・白衣の主日(びゃくいのしゅじつ):復活祭後の第一日曜日。白き日曜日の別称

・白衣の土曜日(びゃくいのどようび):復活祭後の第一土曜日。白き日曜日の前日

・百鬼園忌(ひゃっきえんき)/百閒忌(ひゃっけんき):4月20日、大正・昭和期の小説家・随筆家内田百閒(うちだひゃっけん)(1889年~1971年)の忌日

・日吉祭(ひえまつり):滋賀県大津市坂本に鎮座する日吉(ひよし)大社で、4月14日を中心に行う祭り。山王祭ともいった

・平泉藤原祭(ひらいずみふじわらまつり):5月1日から5日、岩手県平泉町・中尊寺で行われる藤原三代の栄華を偲ぶ行事

平泉藤原祭

・河豚供養(ふぐくよう):晩春河豚の季節が終わる頃、下関の業者が主催して行なう供養の行事

・福野の夜高(ふくののよたか):5月1日から3日、富山県福野町・神明神社で行われる豊年祈願行事

福野の夜高

・復活祭(ふっかつさい):イエスが十字架上の死後三日目に復活したことを記念する祝日。肉やパン、染卵を食べる習慣がある。移動祝祭日であり、春分後の最初の満月の後の第一日曜日がそれにあたる。「イースター」ともいう

復活祭

・復活節(ふっかつせつ):春分後の最初の満月の後の第一日曜日。復活祭の別称

・仏生会(ぶっしょうえ):旧暦の4月8日、釈尊の誕生の日の法会。美しく飾った「花御堂」をしつらえて、その中に安置した誕生仏に杓子で甘茶をかけて祝う。新暦になってからは桜の時期と重なるので「花祭」ともいう

灌仏会

額づけば 我も善女や 仏生会(杉田久女)

大雨の 降りかくす嵯峨や 仏生会(渡辺水巴)

・古川の起し太鼓(ふるかわのおこしだいこ):4月19日と20日、岐阜県古川町・気多若宮神社で行われる祭礼

・弁当始め(べんとうはじめ):一年の遊山の始めの意。昔、京都で、陰暦1月19日から25日まで(現在は4月19日から25日)の法然上人の御忌(ぎょき)には、とりわけ知恩院が参詣者でにぎわい、これを年中の遊覧の始めとした

・放哉忌(ほうさいき):4月7日、明治・大正期の俳人尾崎放哉(おざきほうさい)(1885年~1926年)の忌日

・法然忌(ほうねんき):御忌(ぎょき)の別称。法然自身は陰暦1月25日に入寂したが、現在御忌は四月に行われる

・仏の産湯(ほとけのうぶゆ):4月8日、花祭の時、花御堂のなかにまつられた釈迦誕生像に注ぎかける

(7)ま行

・負鶏(まけどり):鶏合で負けた鶏

・万願祭(まんがんさい):4月14日、山口県豊田町・亀ノ尾山八幡宮で行われる祭礼。江戸時代に流行した疫病退散のための鶏頭踊が始まり

・万年願(まんねんがん):4月14日の「万願祭」の別称

・御影供(みえいく):真言宗で、空海入定の日に営む法要。京都東寺では、毎月21日を御影供、4月21日を正御影供とする。境内に弘法市が立ち、京都人は「弘法さん」と呼んで親しむ。昔は、御室詣・三弘法「東寺、仁和寺、神光寺」詣・高雄山女人詣等の風習があった

・御影講(みえいこう):陰暦3月21日の弘法大師の忌日に、真言宗の寺院で開かれる講会

・御車山祭(みくるまやままつり):5月1日と2日、高岡市・高岡関野神社で行われる祭礼

・みと祭(みとまつり):「水口祭」の別称

・水口祭(みなくちまつり):農事始として、籾種を苗代におろす際に行う田祭。苗代田の水口に盛り土をして、栗、躑躅、山吹、うつ木などの花や枝を挿し、種籾の残りを炒った焼き米や神酒を供え、稲の生長を祈願する。農家が各家で行う場合と神社で行う場合とがあり、供物も地方によってさまざま

小魚まで 遊ぶ水口 祭り哉(柳几)

蛙皆 うたふ水口 まつりかな(正岡子規)

・巳の日の祓(みのひのはらい):昔、陰暦三月上巳の日の禊祓行事で中国から伝来したもの。雛流しの原形ともいわれる

・美濃祭(みのまつり):4月14日と15日、美濃市・八幡神社で行われる祭礼

・壬生踊(みぶおどり)/壬生狂言(みぶきょうげん)/壬生祭(みぶさい)/壬生の鉦(みぶのかね):4月21日から29日、京都市・壬生寺の大念仏法要で行われる行事

壬生踊

・壬生念仏(みぶねんぶつ):4月21日から日、京都市・壬生寺で行なわれる大念仏法要。

鰐口、太鼓、笛に合わせくり広げられる無言の仮面劇。演目は三十あり、毎日最初の演目に「炮烙割り」がある。国の重要無形民俗文化財に指定されている

長き日を 云はで暮れ行く 壬生念仏(与謝蕪村)

墨染の うしろ姿や 壬生念仏(炭太祇)

山吹や いはでめでたき 壬生ねぶつ(黒柳召波)

・壬生の面(みぶのめん):「壬生狂言」の役者が被るお面のこと

・都踊(みやこおどり):四月、京都・祇園新地甲部の歌舞練場で現在も催される春の踊

・三好忌(みよしき):4月5日、昭和期の詩人三好達治(みよしたつじ)(1900年~1964年)の忌日

・メーデー:5月1日に世界各地で行われる労働者の祭典。日本では1920年5月2日の日曜日に第一回のメーデーが上野公園で行われた。参加者は約五千人。翌年からは5月1日となり、参加人員も次第に増えていった

・メーデー歌(めーでーか):メーデーで歌われる歌

・メーデー旗(めーでーき):メーデーで掲げる旗

・曲水の豊明(めぐりみずのとよあかり):「曲水」の別称

・木母寺大念仏(もくぼじだいねんぶつ):「梅若忌」の別称

・木蓮忌(もくれんき):4月20日、大正・昭和期の小説家・随筆家内田百閒(うちだひゃっけん)(1889年~1971年)の忌日

・餅配り(もちくばり):歳末に搗いた餅を近隣や縁戚に配ること。年の暮れも押し詰まる頃になると家族や奉公人や小作人などが集まり餅搗きをして、配って歩いた。少なくなった行事の一つである

白砂糖 すゝふく塵や 餅配(池西言水)

わが門へ 来さうにしたり 配り餅(小林一茶)

・桃の節句(もものせっく)/桃の日(もものひ):3月3日の節句。上巳(じょうし)の節句。ひなまつり

(8)や行

・靖国祭(やすくにまつり):1869年(明治2年)の靖国神社創立より始められた。4月21日から23日までの行事。21日午後から清祓が始まり、22日は全国から集まった遺族、戦友らが参列し戦没者の冥福を祈る

・康成忌(やすなりき):4月16日、大正・昭和期の小説家川端康成(かわばたやすなり)(1899年~1972年)の忌日

・やすらい:四月の第二日曜日の「安良居祭」の別称

やすらゐや 鬼も籠れ 若草野(高井几菫)

・やすらい花(やすらいはな):四月の第二日曜日の「安良居祭」の別称

やすらひの 花よふまれな 跡なる子(加藤暁台)

尻餅も やすらひ花よ 休らひよ(小林一茶

・安良居祭(やすらいまつり):四月の第二日曜日、京都市・今宮神社で行われる花鎮めの祭礼。厄よけの風流花傘を先頭に、鬼に扮装した男と少年が羯鼓を持ち踊りつつ町内を巡り、最後は社前で舞い納める。花傘に入ると厄のがれができるという。祇園祭の原形となる花鎮めの祭

・柳祭(やなぎまつり):昭和三十年代まで四月に行われた、東京銀座にある柳の街路樹にちなんだ商業祭

・弥生狂言(やよいきょうげん):陰暦三月から興行された歌舞伎芝居のこと

・弥生の節句(やよいのせっく):三月三日の桃の節句の別称

・浴仏(よくぶつ):四月八日の仏生会で釈迦の誕生像に香湯や甘茶をそそぐこと

・浴仏会(よくぶつえ):陰暦四月八日(現在では多く陽暦)の釈迦の誕生日に修する法会。誕生仏の像に甘茶をそそぎかけて供養する。灌仏会(かんぶつえ)。浴仏節

・浴仏盆(よくぶつぼん):4月8日の仏生会の別称

・吉崎詣(よしざきもうで):陰暦3月25日、室町時代の浄土真宗の僧蓮如上人(れんにょしょうにん)(1415年~1499年)の忌日

・吉野花会式(よしののはなえしき):4月11日と12日、吉野の金峯山寺蔵王堂で行なわれる花会式。蔵王権現の神木である吉野山の桜を神前に供える儀式。竹林院から大名行列や稚児行列が練り歩く。蔵王堂前では、大護摩が焚かれ、堂内では鬼踊が行われる。吉野の春の最大行事

吉野花会式

花会式 かへりは国栖に 宿らんか(原石鼎)

・吉原の夜桜(よしわらのよざくら):江戸時代、吉原遊郭で毎年三月中は桜を植えて夜は雪洞に火をとぼし、華やかに夜桜を演出したこと

・夜高行灯祭(よたかあんどんまつり):5月1日から3日、富山県福野町・神明神社で行われる豊年祈願行事

(9)ら行

・竜華会/龍華会(りゅうげえ):4月8日の仏生会の別称

・流觴(りゅうしょう):曲水(きょくすい)の別称

・輪王寺強飯式(りんのうじごうはんしき):5月2日、日光市・輪王寺三仏堂で行なわれる修験道の行事

・連翹忌(れんぎょうき):4月2日、大正・昭和期の詩人高村光太郎(たかむらこうたろう)(1883年~1956年)の忌日

・蓮如忌(れんにょき):陰暦3月25日、室町時代の浄土真宗の僧蓮如上人の忌日

なつかしき 鐘の蓮如忌 曇りかな(大谷句仏)

蓮如忌や 猟すなどりの 一在所(松瀬青々)

・労働祭(ろうどうさい)/労働節(ろうどうせつ):5月日、メーデーのこと

(10)わ行