「ビール」と「発泡酒」「第三のビール」との違いは何か?「生ビール」との違いも紹介。

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ビール

最近、「ビール」とよく似た「発泡酒」「第三のビール」が出回っていますが、それぞれの違いは何なのでしょうか?

1.「ビール」とは

ビールとは、「麦芽や水、ホップを原料として発酵させたもの。もしくは、上記にプラスして麦や米、果物など特定の副原料を加えて発酵させたもので、麦芽の使用割合(麦芽比率)が50%以上のもの」と定義されています。

2018年の酒税法の改正によって、「どんなものがビールと呼べるか」というルールに変更が加えられました。ビールの麦芽比率67%以上から50%以上に落とされ使用できる副原料の種類が増加しました。

2.「ビール」と「発泡酒」「第三のビール」との違い

・麦芽比率
・使用できる副原料の種類
・使用できる副原料の量

の観点から、「ビール」と「発泡酒」「第三のビール」との違いをわかりやすくご説明します。

(1)「ビール」の定義

①原料の一部に麦芽が使用されているもの
② 麦芽比率が50%以上であること
③ 規定の副原料が使われている
こと(それ以外のものが使われていないこと)
④ 副原料の重量が、使用されている麦芽の重量の5%以下
であること

(2)「発泡酒」の定義

 麦芽ではなく麦を原料の一部として使用したもの
② 麦芽を使用したもので、麦芽比率が50%未満であるもの
 麦芽を使用したもので麦芽比率が50%以上であっても、ビールに規定されていない副原料を使用しているもの
麦芽を使用したもので麦芽比率が50%以上であっても、副原料の使用比率が5%以上のもの

(3)「第三のビール」の定義

①糖類・ホップ・水および、大豆・えんどう・とうもろこしを発酵させたもの
②麦芽比率50%未満の発泡酒にスピリッツ(蒸留酒)を加えたもの

3.「ビール」「発泡酒」「第三のビール」の見分け方

スーパーやコンビニなどで商品を購入する際は、パッケージをよく見てみる必要があります。

ビールには「生ビール」「生・非熱処理」などといった表記があることが多く、発泡酒には「発泡酒」と表記があることが多いです。第三のビール(新ジャンル)の場合は、「リキュール(発泡性)」や「その他の醸造酒(発泡性)」と書かれていることが多いです。

4.「ビール」「発泡酒」の健康への有効な作用

ビールや発泡酒には、ホップや大麦が含まれています。

ホップ

ホップにはイソアルファ酸が含まれていて、アルツハイマー病の進行を抑制する効果が期待できます。また、ポリフェノールも含まれていて、抗酸化作用があります。

大麦

大麦にはβ-グルカンやビタミンB群などが含まれています。β-グルカンには免疫力を高めたり、コレステロール値を下げる働きや、腸内環境を整える働きが。ビタミンB群には、体内に吸収された栄養素をエネルギーに変換する働きがあります。

しかし、健康への有効な作用があるからといって、アルコールの飲み過ぎ身体に悪影響をおよぼす可能性がありますので、注意が必要です。

5.「いわゆるビール」と「生ビール」の違い

材料を酵母によって発酵させて作られたものがビールですが、その仕組みは、酵母と材料の中にある「糖分」を結合させ、アルコールと炭酸ガスを発生させるというものです。このとき、ビールをおいしくするために大切なのが「発酵度」です。

(1)「いわゆるビール」

適度な発酵がビールの味わいには必要不可欠です。例えばあまりにも発酵が進みすぎると酸味が強くなり、品質が低下してしまうことがあります。日本では過去、加熱処理によって酵母の動きを止めたり、雑菌の働きを抑えたりすることで、発酵を適度に保って品質を維持していました。これが、「いわゆるビール」です。

(2)「生ビール」

一方「生ビール」とは、加熱をおこなわないビールのことです。酵母を加熱ではなく、ろ過処理によって取り除いたものをいいます。現在、各メーカーから販売されているビールは製造技術の向上により、熱処理をおこなわず、ろ過によって作られた「生ビール」が大半です。

ただし、熱処理されたビールが完全になくなったわけではなく、「サッポロラガービール」や「キリン クラシックラガー」、「アサヒスタウト」など、一部熱処理済みのビールが販売されています。

6.「ノンアルコールビール」とは

余談ですが「ノンアルコールビール」とは、アルコール度数が0.00%または0.05%以下のビール風飲料です。

ノンアルコールビールの種類には、次のようなものがあります。

(1)ビールと同じ製法で発酵を途中で止めたもの。海外産のノンアルコールビールに多く、ビールに近い味わいがします。

(具体例)ビットブルガーの「ドライヴ」など

(2)アルコール分を一切含まない無発酵のもの。日本のノンアルコールビールのほとんどがこれに当たります。

(具体例)キリンの「グリーンズフリー」やアサヒの「ドライゼロ」など

(3)フルーツやハーブなどを加えたもの。さわやかな味わいが楽しめます。

(具体例)タイルの「GESE」やサントリーの「オールフリー ライムショット」など