「アメリカツアー」で現在大活躍の「松山英樹」と「石川遼」の対照的な歩み

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松山英樹

1.「じっくり型」でスロースタートの松山英樹

石川遼選手(1991年9月生まれ)の「好敵手」と言えば、やはり同年代の松山英樹選手(1992年2月生まれ)ですね。石川選手は、高校時代から目覚ましい活躍をして、史上最年少の高校生プロになり、史上最年少で賞金王になるなど、「ロケットスタート」のような素晴らしいスタートダッシュを見せました。

それに比べると、松山選手は大きく出遅れたように見えました。大学のゴルフ部の合宿所で、石川選手の活躍を報じるスポーツ新聞を読んでいるところを、「石川選手の活躍は気になりますか?」と記者から質問され、「別に」とぶっきらぼうに答えている記事があったように思います。

内心には、色々な思いが去来していたと思いますが、「隠忍自重」して、ゴルフの技術に磨きをかける毎日だったのではないでしょうか?

私などは、松山選手がアマチュアとして国内ツアーに参戦して、ベスト10入りも珍しくない活躍をしているのを見ると、「早くプロテストを受けてプロになれば、賞金が沢山貰えるのに勿体ない」と思っていました。

しかし、彼は大学3年までは、アマチュアを貫き、2011年には「日本人アマチュア初」のマスターズ出場者となり、「日本人最年少マスターズ予選通過者」(当時19歳)となっています。マスターズでは2011年に「ローアマチュア」を獲得し、2014年以降プロとして5回出場しています。(2015年の5位が最高順位)

そして、2013年には日本ツアー史上初の「ルーキーイヤー賞金王」となりました。年間4勝(史上最多タイ)で、史上最速での年間獲得賞金2億円突破を成し遂げました。2014年には、米国ツアーで「日本人最年少優勝」(当時22歳)を果たしています。

現在、日本ツアー8勝(うちメジャー1勝)、米国ツアー5勝しており、現在「ゴルフ世界ランク」で19位となっています。

2.「急がば回れ」の勝利

彼は、石川選手のような派手さはなく、どちらかと言えば地味な感じですが、やはり「天才」だと思います。「兎と亀」のたとえ話とは少し違いますが、「急がば回れ」という諺を地で行くようなゴルフ人生ですね。

ゴルフに「たら、れば」が無いように、人生にも「if(もし)」はありませんが、もし石川選手が大学に進学してゴルフ部でじっくり技術を磨いたり、大学に行かなくてもアマチュアとして、余裕を持ってゴルフと向き合う時間を持てていたら、その後のゴルフ人生が変わっていたのではないかとも思います。

「進む者は退き易し」とか「進むを知りて退くを知らず」ということわざがあります。

私などが言うのはおこがましい限りですが「急がば回るな」がモットーの石川遼選手には、この言葉の意味も噛みしめてほしいものです。

プロ野球の大谷翔平選手も、本人の希望としては最初から「メジャーリーグ」に挑戦するということでしたが、日本ハムの栗山監督の説得で、まずは日本のプロ野球でプレーし、数年後にメジャーに挑戦することで納得し、その通りになりました。

今年のメジャーリーグでの大谷選手の大活躍は、皆さんご存知の通りです。これは大変うまく行ったケースだと思います。栗山監督が入団交渉で提示した資料(過去のメジャーリーグ挑戦者の失敗の実例や過酷なメジャーの実情を詳細に記したもの)も、大変説得力のあるものだったようです。

石川選手が調子に乗ったとは言いませんが、彼に冷静に思いとどまるよう説得する人が誰もなく、「米国ツアー挑戦」という希望に逸って、可惜(あたら)数年間を無駄にしたと思うのは私だけでしょうか?