沢田研二さんの「ドタキャン」への先輩の中尾ミエさんの率直な苦言が素晴らしい

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沢田研二

1.沢田研二さんのドタキャン

ジュリーこと沢田研二さんが、10月17日のさいたまスーパーアリーナで開催予定だった公演を、開演数時間前に急遽中止(ドタキャン)した問題について、今回は考えて見たいと思います。

事の真相は、沢田研二さんの所属事務所が事前に「イベンター」(チケットを販売し、ライブを製作する会社)から「観客数が9,000人」と聞いていたが実際は7,000人で、ジュリー自身が求める満員にほど遠く、意地として中止を決断し、開演前に会場から帰ったというものです。

2.中尾ミエさんの率直な苦言

これについては、ジュリーのファンからは、彼を擁護する意見もありましたが、どちらかと言えば、批判的な意見が多かったようです。かつての所属事務所の先輩に当たる中尾ミエさんは、「贅沢言ってんじゃないわよ。70歳のジジイの歌を7,000人が聴きに来てくれるってだけでありがたいと思わなきゃ」と批判しています。

そして「僕にも意地がある」と歌手のプライドを理由にしたことについても、「意地があるんだったら痩せろって。あの人さ、痩せたらまだ見れるよ?いい男だもの」と話しています。

先輩だけあって、フォローも忘れていませんが、ズバッと私たちが思っていることを代弁してくれたようです。

確かに、彼の「過去の栄光」「プライド」からすれば、当日の観客の入りは不満足だったかも知れませんが、さいたまスーパーアリーナに足を運んだ7千人もの観客に対して失礼極まりない「驕り」と映ります。「契約上の問題」は、後で所属事務所とイベンターとの間で、話し合って解決すべき問題で、当日の観客に迷惑を掛けるべきではなかったと私は思います。

10月21日の大阪狭山市のSAYAKAホールでの公演冒頭で、先日の騒動について、「僕は至らない人間です。全て僕の責任です」と謝罪したそうですが、「後の祭り」です。やはり、「短気は損気」で、「言いたい事は明日言え」ということですね。

我々と同じ「団塊世代」の70歳ですから、孔子が論語で説いているように「七十にして心の欲する所に従えども、矩(のり)を踰(こ)えず」にいてほしいものです。

3.その他の芸能人の驕り

(1)矢崎滋さん

「驕り」と言えば、矢崎滋さんが、ある時、講演を頼まれて行ったところ「駅に誰も迎えに来ず、迎えの車もない」と怒って、講演をドタキャンして帰ってしまったという話を聞いたことがあります。テレビで見る印象が、「腰の低い好人物」だっただけに、幻滅を感じたのを覚えています。

(2)ミヤコ蝶々さん

ミヤコ蝶々さんも晩年、自分が主演する舞台で観客の入りが悪いことについて、周囲に不満を漏らしていたそうです。ミヤコ蝶々さんのような大ベテランの喜劇役者でも、自分の現在の人気度を客観的に冷静に見つめる悟りの境地には、なかなかなれなかったのでしょうか?

(3)五代目古今亭志ん生さん

名人として有名な落語家の五代目古今亭志ん生(三代目古今亭志ん朝の父)には、「高座中に本当に寝てしまった」という伝説があります。弟子の誰かが師匠を起こそうとしました。するとその時「寝かせておきなよ」と客席から声が掛ったそうです。

実際のところは、酒好きな彼が、高座に上がる前に聞し召した酒の酔いが回ったのかも知れません。現代なら「ドタキャン」「職場放棄」と非難されるところでしょうが、そこは「名人落語家」と「粋な客」との関係で「伝説」にまで昇華されたものと思われます。