前に「24時間営業は行き過ぎではないか?」という記事を書きましたが、今回は「年中無休」について考えて見たいと思います。
私が子供の頃は、百貨店でも毎週一回の「定休日」がありました。一般の商店でも同様です。特に「定休日」を設けていない所でも「正月三が日」は休みで「お盆休み」もあったように思います。
1.「定休日」を設けず「年中無休」で営業している店
西武百貨店高槻店は、完全な「年中無休」で、1月1日から営業しています。
スーパーのコーヨー阪急高槻店も、完全な「24時間営業・年中無休」で、1月1日から営業しています。
年始の数日間休む所は割合多いと思いますが、「定休日」を設けず「年中無休」で営業している店は、前の「24時間営業」の記事で挙げたコンビニ店・スーパー・ファーストフード店・ファミリーレストラン・ネットカフェ・カラオケ店・居酒屋チェーン・書店・薬局だけでなく、広範囲にわたっています。
現在、「定休日」を設けているのは、個人商店や理髪店・美容院など少数派のように思います。
2.「年中無休」の問題点
企業もリストラで人員削減する中、「過労死」が問題となり、「ワークライフバランス」や「プライベートの時間の確保」の必要性が叫ばれるようになって来ました。コンビニ業界などでは「人手不足」が深刻になり、オーナーに過大な負担がかかっているのが現状です。
「年中無休」営業をしようとすると、「みんな一斉の休み」が取れなくなり、少ない人員の中でやり繰りする必要があり、どうしても無理が出て来ます。
3.「年中無休」見直しの動き
最近、私が利用している携帯電話ショップのauが毎月第二水曜日を「定休日」にするようになりました。
NTTドコモも同じように月1回の「定休日」を設けているようです。
Yahoo!が2016年に行った意識調査「年中無休のスーパーや百貨店、どう思う?」というアンケート(回答者約175千人)の結果、「休業日を増やした方がよい」が68.4%、「このままでよい」が23.0%、「どちらとも言えない」が6.3%でした。
このアンケート結果でわかることは、約7割の消費者・利用者は、「24時間営業や年中無休でなくてもよい」、むしろ「休業日を増やすべきだ」と考えているということです。
確かに「店が休みで困った」という経験は皆無とは言いませんが、何とかなるものです。
今の日本は「年中無休」の店が多すぎて、その結果、看過できない労働問題が起きている状況です。
第一義的には、企業の経営者が「売上高至上主義」に基づく「年中無休」をやめることを一度考えていただきたいものです。
それとともに、「休業日の設定は企業経営者の自由」とは言え、厚生労働省も、労働者の健康と安全衛生管理の観点から、適切な指導を検討していただきたいものです。