人間の寿命の限界は何歳か?「ギネス記録の世界最高齢の嘘?」発覚を機に考える

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秦の始皇帝

昔から、世界中の王侯貴族は「不老不死」の薬を求め続けて来ました。

1.「不老不死」伝説

「不老不死」とは、「永久に若く、死なないこと」です。中国人の伝統的な生命観で、秦の始皇帝(BC259年~BC210年)は実際に不老不死の薬を求めて、かえって死期を早めたと言われています。

始皇帝は徐福に「蓬莱の国」へ行き仙人を連れて来るように(あるいは仙薬を持って来るように)命じたことが『史記』に記録されています。むろん徐福はそれを探し出せず、日本に亡命したとの伝説が残っています。あとに残された部下たちは、困った挙句「辰砂」という水銀を原料にした丸薬を作り、それを飲んだ始皇帝は猛毒によって死亡したそうです。

最古の不老不死説話は、古代メソポタミアの『ギルガメシュ叙事詩』にあります。ギルガメシュは不老不死の薬を求める旅から帰国した後も、王として国を治め、城壁を完成させるなど為すべきことを果たしたとされています。

ギリシャ神話に登場するティーターン(タイタン)も不老不死です。北欧神話のアース神族も不老不死となっています。

インドの『リグ・ヴェーダ』という聖典には、不死の飲み物「アムリタ」を巡って神と悪魔が争う話があります。

日本の『古事記』『日本書紀』には、垂仁(すいにん)天皇が田道間守(たじまもり)を「常世(とこよ)の国」に遣わして、「非時香菓(ときじくのかぐのこのみ)」と呼ばれる不老不死の霊薬を持ち帰らせたという話があります。

デイリーメイルというイギリスのタブロイド紙(大衆紙)があります。この新聞の記事は、日本の「東京スポーツ」(略称:東スポ)並みに「信用性が極めて低い」のですが、「ハーバード大学医学部の研究者が、アンチエイジングで寿命を150歳まで延ばす薬を開発中」というニュースがありました。

現代では、「不老不死」が不可能なのは明らかですが、いつまでも若々しく健康で長生きするという「不老長寿」は、多くの人の願望だということでしょう。

2.世界最高齢の「嘘?」が発覚

最近、次のようなニュースがありました。

『1997年に死去したフランス人女性が持つ史上最高齢の世界記録について、成り済ました娘の詐称だった可能性をロシアの研究者らが指摘し、広く物議を醸している。

現在「ギネス世界記録(Guinness World Records)」で認定されている世界史上最高齢は、フランス人女性ジャンヌ・カルマン(Jeanne Calment)さんの122歳164日。

しかし、この記録に疑問を抱いたモスクワ大学(Moscow State University)の数学者ニコライ・ザーク(Nikolai Zak)氏は、老年学者のバレリー・ノボセロフ(Valery Novoselov)氏と共同でカルマンさんの生涯を調査。

資料すべてを分析した結果、ジャンヌ・カルマンさんのイボンヌ(Yvonne Calment)さんが相続税の支払いを免れるために母親に成り済ましていたという結論に達した』

そういえば、日本でも数年前に年金の(不正)受給を続けるために、息子や娘が「親の死亡を隠していた」事件がありましたね。

3.幸福な「不老長寿」とは

不自然な、あるいは過度な長寿は求めるべきではないと私は思います。最近よく言われる「健康長寿」を延ばすよう「無理のない程度に努力する」ことが、最も自然で理想的なのではないかと思います。