2019年4月に「資産家女子高生育成プロジェクト~『不労所得装置』をわが子に~」という衝撃的なタイトルの面白い本が出ました。著者は久保龍太郎氏です。
1.この本の「資産家女子高生育成プロジェクト」の内容とは
銀行預金は低金利で、株式投資はリスクが高く、不動産価格はバブル崩壊後回復の兆しが見えない中、今やブームが去った感のある「太陽光発電投資」を勧める本です。
2.著者の久保龍太郎とはどんな人物か
久保龍太郎氏は1981年生まれで、アメリカノースカロライナ州のWarren Wilson College出身です。生命保険のコンサルティングセールスからスタートし、ファイナンシャルプランナーとして資産形成・資産運用のアドバイスを行うとともに、2005年に法人化し、「太陽光発電投資」の勧誘などを行っています。
3.「太陽光発電投資」のメリットとデメリット
「太陽光発電投資」というと、一時大変なブームになりましたが、思ったほど儲からないのか今では下火になっているように思います。ですから、この手の本は、他の「投資話の本」と同様に「眉に唾を付けて」考えた方がよさそうです。
(1)メリット
メリットとして挙げられるのは、次の3点です。
①投資利回りが高い
②リスクが少ない
③節税できる(「グリーン投資減税」という優遇措置)
確かに太陽光発電システムの価格が以前よりも下がっているので、「導入コスト」は割安になっています。
以前は、土地の取得や太陽光発電システムの導入にかなりの費用が必要でしたが、今は大きな資金がなくても投資できる「投資商品」ができているからです。
(2)デメリット
デメリットとして挙げられるのは、次の4点です。
①天候によって収入が左右される
②出力抑制のリスクがある
③パネルの交換が必要
④売電価格の「固定」が終わるリスク
以前は「全量買い取りの売電」で1kwhの売電価格が@40円ほどでした。しかし、現在は@20円ほどまで下がっています。
しかし、この売電価格は現状では「固定」なので、@40円で始めた人は現在もそのまま@40円で、今から始める人は今後も@20円のままです。
ただ、この点については2020年の法改正により、「固定価格買取制度」が終了し、「入札制度」に移行する予定です。
もし、「太陽光発電投資」に興味をお持ちの方は、一度読んでみると面白いかもしれませんが、上記のようなデメリットも十分考慮する必要があると思います。