「人口減少」と「高齢化問題」についてわかりやすくご紹介します

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生産年齢人口と高齢化率

<2021/7/31追記>2020年、日本人の平均寿命は過去最高を更新

2020年の日本人の平均寿命は、男性が81.64歳(2019年は81.41歳)で、スイスに次いで世界第2位、女性が87.74歳(2019年は87.45歳)で引き続き世界第1位です。

「少子化」が叫ばれるようになったのは、1980年頃からでしょうか?かなりの月日が経つように思います。そして最近は、「高齢化」と合わせて「少子高齢化問題」と呼ばれています。

1.日本の人口予測

内閣府は、2014年(平成26年)に「選択する未来委員会」がまとめた「未来への選択」という報告書を、若い世代にもわかりやすいように「きみに質問BOOK」という小冊子にまとめて小中学生に配布するとともに、内閣府のホームページでも公開しています。

これによれば、日本の人口は、2110年(今から91年後)には4,286万人、なんと今の3分の1になってしまい、うち半分は高齢者と予想されています。

国土交通省は、日本は急激な人口減少・少子化、高齢化が進み、2050年の人口は約9700万人になり、約6割の地域で人口が半減以下に、うち三分の一の地域は人が住まなくなり、どの国も経験したことのない「65歳以上の高齢者の割合が約4割」の状態に進むと予想しています。

2.少子高齢化のメリットとデメリット

(1)メリット

普通、「少子高齢化」イコール「悪いこと、問題」と思われていますが、果たしてそうでしょうか?何か良いことはないのでしょうか?

①労働力が減ることで、AIやロボットによる「効率化」が進み、輸出ビジネスにもつながる

②メイドインジャパンの製品価格を適正価格に上げやすくなり、商品価値・希少価値が上がる

③子供が減ることで、通勤ラッシュや二酸化炭素排出が減り、地球環境に良い

④人口が減ることで、居住スペースが広がる

⑤子供が減ることで、一人当たりにかける予算を増やせる

⑥人口が減ることで、食料自給率が改善する

⑦若者が減り、高齢者が増えることで、選挙の投票率が上がる

(2)デメリット

①労働力が減少し、自動化や高齢者雇用でまかないきれない部分を外国人労働者に依存せざるを得なくなる

②人口が減ると税収が減り、一方高齢者への年金支給の必要があり、増税や年金支給時期の先送りで生活が苦しくなる懸念がある

③医療機関や介護施設が不足し、自宅での老老介護も増加する

④老後も働く必要が出てくる

⑤人口・労働者の減少が、生産・消費の減少を生む悪循環に陥り、日本経済が縮小・衰退する

⑥若者が減ることで、社会の活力が低下する

3.少子高齢化の現状と原因と対策

(1)現状

2019年8月1日時点の日本の総人口は、1億2,623万人で、2019年9月15日時点の人口推計によると65歳以上の高齢者は、3,588万人です。

平均寿命は、2018年で、女性が87.32歳、男性が81.25歳となっており、女性が香港に次いで世界第2位、男性は香港、スイスに次ぐ世界第3位の長寿国となっています。

(2)原因

①女性の社会進出による晩婚化

②出産年齢の高齢化

③未婚の増加、あえて結婚しなくてもよいと考える人の増加(価値観の変化)

④パラサイト・シングル(親と同居し、親のすねかじりをする独身者)の増加

⑤子供をあえて作らなくても良いと考える夫婦の増加(価値観の変化)

⑥核家族化で3人とか4人の子育てが難しいこと

⑦子育てに対する金銭的負担(養育費・教育費)の増加

⑧国民の健康意識の高まりや医療技術の発達による高齢者の増加

(3)対策

上記1で述べた「人口予測」は、「現状のままで、何の対策も打たなかった場合」という前提です。

①働く女性が、子供を産み育てやすい環境を整える(託児所や子育て世代への給付増加など)

②定年制を廃止する

③地域社会での助け合い・ボランティア活動を促進する

④「移民」ではない「日本社会に適応できる日本語能力と技術力の高い外国人労働者」を増やす

⑤AI化・ロボット化をさらに推進する

⑥各人が「寝たきり老人」にならないよう、健康維持・増進を図り、「健康長寿」を伸ばす