2020年2月16日実施予定の「鵜殿のヨシ原焼き」は高槻の早春の風物詩!

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鵜殿のヨシ焼き

1.「鵜殿(うどの)のヨシ原焼き」とは

「鵜殿のヨシ原焼き」は、毎年2月中旬~下旬の日曜日に「ヨシ原の保全」と「害草・害虫の駆除、不慮の火災防止などの目的」で行われている野焼きです。昭和50年に復活した高槻市の恒例行事で、今や高槻の早春の風物詩」となっています。

珍しい行事なので、毎年遠方からも、歴史好き、カメラ好きの方が多く訪れてにぎわいます。

日時:2020年2月16日(日)午前9時~12時ごろまで(雨天の場合は2月23日に順延)

場所:道鵜町淀川河川敷(イオン高槻店の南東方向です)

アクセス:高槻市営バス 「JR高槻駅南」または「阪急高槻市駅」から「道鵜町」行き(乗車時間約20分)で、「道鵜町」下車 徒歩5分

(注)駐車場はありませんので「公共交通機関」又は自転車か徒歩でお越しください

問い合わせ先:高槻市にぎわい部観光シティセールス課(TEL:072-674-7830)

鵜殿ヨシ原

私は家から近いので、自転車で何回も見に行ったことがあります。

何か所かに分けて順次火を放ち、それが燎原の火のように燃え広がり連なって、やがて大きな紅蓮の炎を上げます。時にはつむじ風を伴って大きな炎が舞い上がります。それに魅入られたように見入っていると、瞑想的な気分になります。太古の昔の人々も火を見てこんなふうに感じたのではないかと錯覚したりします。

2.「鵜殿のヨシ原」とは

鵜殿のヨシ原」というのは、「高槻市南部の鵜殿から上牧(かんまき)に広がる淀川右岸河川敷のヨシの自生地」のことです。長さ2.5km、幅400mで総面積は75ha(甲子園球場18個分)もあります。

「大阪みどりの百選」「関西自然に親しむ風景100選」にも選定されています。

この地域に生える「ヨシ」は、古来多くの歌人に詠まれています。

「難波江の 蘆のかりねの 一夜ゆへ 身をつくしてや 恋わたるべき」(皇嘉門院別当)

「難波潟(なにわがた) 短き蘆(あし)の ふしの間(ま)も 逢はでこの世を 過ぐしてよとや」(伊勢)

紀貫之が土佐から舟で京へ帰る時の様子を記した「土佐日記」の「2月9日」の箇所にもその記述があります。

「渚の院」(現在の枚方市渚元町)について、『かくて船ひきのぼるに渚の院といふ所を見つゝ行く。その院むかしを思ひやりて見れば、おもしろかりける所なり。しりへなる岡には松の木どもあり。中の庭には梅の花さけり。こゝに人々のいはく「これむかし名高く聞えたる所なり。故惟喬のみこのおほん供に故在原の業平の中將の「世の中に絶えて櫻のさかざらは春のこゝろはのどけからまし」といふ歌よめる所なりけり。』と述べた後、当日は鵜殿に宿泊したことを記しています。『こよひ宇土野といふ所にとまる。』

また「鵜殿のヨシ」は、雅楽の楽器の篳篥(ひちりき)のリードに欠かすことのできないものです。江戸時代の古楽書にも「鵜殿の葦が最高のものである」と書かれています。明治時代から宮内庁式部職楽部で使用する篳篥の葦は、現在も鵜殿のヨシのみを使用しているそうです。

なお、谷崎潤一郎の小説「蘆刈」は鵜殿を舞台にしたものです。

ちなみに、1917年(大正6年)に台風による大雨で淀川堤防が決壊(淀川大塚切れ)した大塚3丁目は、鵜殿のヨシ原からさらに南西に下った所にあります。

3.「奈良の若草山の山焼き」

奈良の若草山の山焼きは、「鵜殿のヨシ原焼き」とは起源・由来が異なるかも知れません。毎年1月第4土曜日に行われる「若草山の山焼き」の起源は「東大寺と興福寺の境界争い」とも言われています。「若草山の山焼き」の由来は「山頂にある鶯塚鎮魂目的」のようですが、「害虫駆除や災害防止の目的」も兼ねた行事となっています。

4.野火不焼尽 春風吹又生

私は16年前に家を新築した時、早春に掛ける掛け軸として「土筆画」を京都の骨董店で求めました。土筆の絵の上に元大徳寺の高僧による「野火不焼尽 春風吹又生」という画賛が添えられています。「鵜殿のヨシ原焼き」を連想させるような掛け軸です。

これは白居易(772年~846年)の「古原草(こげんそう)を賦し得て別を送る」という漢詩から取った文章です。

原文は『離離原上草 一歳一枯榮 野火焼不盡 春風吹又生』という「五言律詩」です。

読み下し文は『離離(りり)たり原上(げんじょう)の草 一歳(いっさい)一(ひと)たび枯栄(こえい)す 野火(やか)焼けども尽きず 春風(しゅんぷう)吹いて又生(しょう)ず』です。

なお、入矢義高監修/古賀英彦編著の「禅語辞典」によれば、『・・・野火が焼いても根絶やしにはできず、春風が吹くと又萌え出でる、そのような雑草の根強さを煩悩妄想のきりのなさに喩える』とあります。



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