「小さな村の物語イタリア」は心豊かな人間らしい生活への郷愁

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小さな村の物語イタリア

皆さんは、BS日テレの「小さな村の物語 イタリア」(毎週土曜日 18:00~18:54、アンコール放送:毎週日曜日10:00~10:54)という番組をご覧になったことがあるでしょうか?

心が癒される大変良い番組なので、ご存知ない方のために、内容をご紹介したいと思います。番組のコンセプトには以下のように書かれています。

 美しく生きるということ・・・。気候や風土に逆らわず、共存しながら暮らす。先人たちが築き守ってきた伝統や文化を誇りに思いながら生きる。人間本来の暮らしが息づく「小さな村」が今、注目されています。海を臨む小さな漁村、山肌にはりつくように佇む村、雪に覆われた山間の寒村・・・。

古き良き歴史と豊穣の大地を持つイタリアで、心豊かに生きる人たち。”豊かに暮らす 美しく生きる”とはどういうことなのか。私たちが忘れてしまった素敵な物語が、小さな村で静かに息づいていました。番組ではありのままの時間の流れを追い、村人たちの普段着の日常を描いていきます。

私は、妻がこの番組をよく見ていたので、何気なく見るようになったのですが、ナレーションが変に感情を入れすぎたり自己主張するところもなく、物静かに淡々と流れて来ます。イタリアの小さな村に生まれて、経済的には決して豊かでなくても、精一杯楽しく心豊かに生きて、そして死んでいく人々を見る温かいまなざしが感じられます。

それもそのはず、このナレーションを担当しているのは、イタリアをこよなく愛する個性派俳優の三上博史さんだったのです。

それと、「オープニング&エンディング曲」の「ラ・プンタメント(L’APPUNTAMENTO)」は、少し哀調を帯びた曲ですが、この「小さな村の物語 イタリア」のテーマに見事にマッチしています。

「小さな村の物語イタリア」テーマ曲 逢いびき(イタリア語歌詞付) 歌手:オルネラ・ヴァノーニ   L'appuntamento, Ornella Vanoni   すぎニャン

イタリアは古代においては、「都市国家」ギリシャの文明の発達・繁栄後を受けて、「都市国家」から始まり、領土を拡大して地中海世界の全域を支配する「世界帝国」である「ローマ帝国」となりました。そして、絵画・彫刻・哲学・文学・歴史学・法律学などの文化のほか、「コロッセオ(円形劇場)」「カラカラ浴場」「コンスタンティヌス帝の凱旋門」や、「水道橋」など上下水道設備を備えた高度な都市文明を誇りました。

しかし、今やギリシャと同様に国家財政は苦しく、「経済危機」で「EUのお荷物」のような状態に転落しています。

一方、イタリアの小さな村では、上記のような「理想的な幸福な人生・生活」が送られています。

老子の言う「知足(ちそく)」(足るを知る者は富む)ということに通じるように思います。「自分の本分・限界を知り、それに見合った生き方をする」「決して欲張らずに、身の丈に合わせて分相応に生きる。それが一番幸福な人生である」ということではないでしょうか?

政治・経済的に見れば、イタリアという国は、今や「負け組」に転落したのかも知れません。しかし、番組で紹介される「小さな村」では、「小さな幸福」かも知れませんが、「心豊かな人間らしい生活」が営まれており、我々が忘れかけている大切なものを示してくれているようです。

前に「江戸時代の庶民は案外幸福だった」という記事を書きましたが、イタリアの小さな村の住人の生活は、江戸時代の庶民の生活に通じるものがあるように思います。

今はイタリアも、「新型コロナウイルス肺炎(COVID-19)」の世界的感染拡大(パンデミック)の猛威で大変な状況のようで、現在は現地での新規撮影が困難なため、2019年に放送した番組を再放送しています。

番組で紹介されていた「小さな村」はどうなっているのでしょうか?心配なところです。

「コロナ疲れ」を感じている皆さん、うんざりするようなコロナ情報を一度遮断して、ぜひこの番組で心の平静を取り戻してください。

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