2020/12/4午前に厚生労働省が発表した「新型コロナ感染の10代女性死亡」はデータの入力ミスだったことがわかり、夕方になって訂正記者会見をしました。
私はこの報道を聞いて、驚くというよりも「呆れてものが言えない」という気持ちになりました。
1.最初の報道に対する私の感想
今まで10代の子供が新型コロナで死亡した例がないので、強い関心を持ちました。
「どこの都道府県の子供か?」「感染経路はどこからか?」「基礎疾患はなかったのか?」「発症から死亡までの詳しい状況はどんなものだったのか?」などの疑問が次から次へと湧いてきました。
しかし、発表ではそのようなことは「個人情報の保護」という理由からか、一切明らかにされませんでした。中でも「基礎疾患の有無」などは、「個人情報とは全く無関係なのに」です。
「これでは何のための発表か?」と失望感が募りました。
2.最初の報道は「誤報」で「データ入力ミスが原因」と判明
夕方の厚生労働省の謝罪会見によると、「新型コロナ感染の10代女性は死亡していない」「データの集計作業を委託している業者が、電話で自治体に聞き取りをした際、誤ったデータを入力していた」とのことです。
報道各社からの問い合わせがあってはじめて、厚生労働省が女性の居住自治体に確認したところ、誤りが判明したということです。
3.厚生労働省の管理体制の問題点
(1)新型コロナに関するヒアリングの「業者への丸投げ」体制
(2)委託した業者からの報告の「委託作業結果のノーチェック」体制
(3)「10代の子供の新型コロナによる死亡」という「異常事態に対する感度の鈍さ」
これでは、厚生労働省の発表する統計データ全体の信頼性が揺らぎます。厚生労働省の担当者の「10代の子供の新型コロナによる死亡」という異常事態に対する意識の低さや、それを疑問視せずにノーチェックで発表する上司の能天気さにはあきれるばかりです。
「謝れば済む」話ではない事態です。厚生労働省に猛省を促したいと思います。