植木等さんの「スーダラ節」は親鸞の教えに通じるって本当か?

フォローする



植木等さん

私が小学生から中学生の頃に、「ハナ肇とクレージーキャッツ」が大人気となり、リーダーのハナ肇さん(1930年~1993年)よりもボーカル・ギターの植木等さん(1926年~2007年)の方が人気は絶大でした。「日本一の無責任男」として「無責任シリーズ」「日本一の男シリーズ」などの映画にも多数出演しています。

ちょうどその後に出て来る「ザ・ドリフターズ」のリーダーのいかりや長介さん(1931年~2004年)、メンバーの加藤茶さん(1943年~ )や志村けんさん(1950年~2020年)のような人気者でした。

今のタレントで言えば、「ミスター無責任」「テキトー男」という愛称を持つ高田純次さんのようなキャラクターが売りでした。

1.「ハナ肇とクレージーキャッツ」とは

「ハナ肇とクレージーキャッツ」は、元々ジャズバンドのコミックバンド・お笑いタレントグループです。

リーダーのハナ肇さんはドラムス担当で、植木等さんはボーカルとギター担当でした。フジテレビ系列の「おとなの漫画」や日本テレビ系列の「シャボン玉ホリデー」は、「ザ・ドリフターズ」の「8時だヨ!全員集合」に匹敵するような人気番組でした。

2.植木等さんの「スーダラ節」とは

「スーダラ節」は、1961年(昭和36年)に発売され、累計売上80万枚を記録しています。

これは「深酒(はしご酒)」「競馬狂い」「恋愛の失敗」を例に出して「わかっちゃいるけどやめられない」と自嘲気味に歌うものです。

「スイスイスーダララッタ~」というのは植木等の口癖で、それをメロディーにして歌詞に取り込んだものです。

この「スーダラ節」の歌詞について、植木等さんの父親の植木徹誠(てつじょう)さん(1895年~1978年)は、「『わかっちゃいるけどやめられないというのは、人間の矛盾を突いた真理で、親鸞の教えに通じる」と語り、「必ずヒットするぞ」と息子を励ましたそうです。

実は植木徹誠さんは、浄土真宗の僧侶で真宗大谷派常念寺の住職でした。この人は、檀家の出征兵士の前で、「戦争は集団殺人」「卑怯と言われても生きて帰ってくること」「人に当たらないように鉄砲を撃つこと」を説いたそうで、なかなか真っ当な意見ですが、戦時下に、しかも出征兵士に向かって説くのはなかなか勇気がいることです。

上に述べた「スーダラ節」についての意見は、植木等さんが青島幸男さん(1932年~2006年)作詞のこの不真面目っぽい歌を歌うべきか相談した時のものだそうです。

植木徹誠さんは、「全国水平社」の活動に参加したり、「日本共産党」に入党したり、一方「家庭内では暴力(DV)を振るったり」と波瀾万丈の人生を送っており、なかなかユニークなお父さんだったようです。

植木等さんは、父親のことを「世の中では立派なお父さんですねと言うけど、僕も妹もあんな嫌やな親父はいないって思ってる。どうも立派な男とは思いにくくてね」と述懐しています。

植木徹誠さんが「スーダラ節」を「親鸞の教えに通じる」と言ったのは、親鸞が20年間も比叡山延暦寺で天台宗の僧として修業したけれども煩悩を解脱することは出来ず。「凡夫」と自覚し「他力本願」「悪人正機説」を唱えたことを指しているのではないかと私は推測しています。



シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする