「海警法」は明確な国際法違反!中国による尖閣諸島での領海侵入が常態化

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中国海警局船が尖閣諸島領海侵入

海警局に武器使用権限を与えた2021年2月1日施行の中国「海警法」は明らかに国際法違反であるにもかかわらず、日本政府がいつまでも「奥歯に物の挟まったような」婉曲な表現で、中国・海警船の尖閣諸島への領海侵入に対して「中国にやめるようお願いする」ような発言を繰り返しているのは、国益を損ねること甚だしいものがあります。

加藤官房長官は、領海侵入について「遺憾である」と繰り返すだけで、茂木外相も、海警法について「国際法に反する形で適用されることがあってはならない」と中国にお願いするだけです。

今や中国海警局の船は「第二の海軍」に変貌しているという事実から目を逸らすべきではありません。

海上保安庁巡視船と中国海警船比較

1.アメリカの発言

沖縄県の尖閣諸島沖合で、中国海警局の船が日本の領海への侵入を繰り返していることについて、2021年2月24日にアメリカ国防総省・カービー報道官が、「誤算や物理的損害にもつながる恐れがある。中国に対して海警局の船を使った行動をやめるよう求める」と述べました。

尖閣諸島地図

アメリカはトランプ政権の時も、バイデン政権になってからも「尖閣諸島が日米安保条約第5条の適用対象」であることを明言しているのですから、当然のコメントです。

日本政府が特別に有難がる話ではありませんが、「アメリカによる中国に対する警告として強力なメッセージ」であることは間違いありません。

2.日本共産党・志位委員長の発言

奇妙なことに日本の政界で中国の海警法と領海侵入を最も強く批判しているのは、日本政府でもなく、野党の日本維新の会・立憲民主党・国民民主党・社民党でもなく、日本共産党です。

日本共産党・志位委員長は2月12日に「海警法の施行は国際法に違反するので撤回を求める」談話を発表しました。

志位委員長は次のように述べています。

海警法は明らかに国際法違反です。国連海洋法条約では、沿岸国の権限を限定的に規定し、国際社会の航行の自由を広く認めている。たとえ領海内であっても無制限な強制措置は取れない。

ところが、中国の海警法の条文を読むと、『我が国(中国)の管轄海域』を一方的に決めて臨検ができるとか、武器使用を含むあらゆる必要な措置を講じて侵害を阻止し、危険を除去する権限を有すると書いてある。しかも、法律上、管轄海域とは何かという規定がない。要するに中国がいくらでも管轄海域を広げられる。これは国際法の秩序に真っ向から反する。だから日本政府は法律自体が国際法違反だと批判し撤回を求める必要がある。

3.日本政府が明確に「海警法は国際法違反」と内外に強く発信すべき

海上保安庁巡視船と中国海警船

日本政府が尖閣諸島の実効支配に向けて具体的な措置を早急に講ずべきことは言うまでもありませんが、「情報戦」(宣伝戦)として、内外に対して「海警法は国際法違反」と繰り返し強く発信すべきです。

2月17日の衆院予算委員会で野党から海警法が国際法違反と認めるよう迫られましたが、「国際法との整合性との観点から問題のある規定を含む」と官僚答弁のような中国に遠慮した言い回しに終始しています。

もし万一菅首相をはじめとする日本政府が、親中派(というよりも媚中派)の二階俊博幹事長に忖度して、中国に対して強硬な態度を取らないでいるのであれば、国益を損なうこと甚だしいものです。

二階俊博と習近平

日本共産党・志位委員長の発言のような内容を、日本政府が率先して中国に対して強く主張すべきなのです。

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