<2024/2/18追記>「コロナ遺伝情報は、中国当局の発表前の2019年末に中国研究者が特定していた」との報道がありました。コロナは中国の生物化学兵器の疑いもあります。
コロナウイルスのゲノム解析が2019年12月末までになされていたことは、2020年初めには情報として流れていました。
WHOは中国政府に対し情報提供を求めましたが、提供が遅れたことが指摘されています。2020年1月のWHOの専門家会合で「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」宣言が一週間遅れたのも中国の意向ではないかと疑われています。
その後のWHOの調査団派遣時にも全ての機関へのアクセスが得られたわけではありません。
緊急事態宣言がなされるまでには、武漢から国内・国外への航空便が相当数飛び立っており、コロナが全世界に広がりました。
<日本経済新聞(2024/1/18付)報道>
中国国内の研究者が2019年末までに新型コロナウイルス「SARS-CoV-2」を特定し、ゲノム(全遺伝情報)の解析を終えていた可能性があることが分かった。中国政府が世界保健機関(WHO)と解析情報を共有した20年1月よりも前にウイルスの実態を把握していた疑いが浮上してきた。
米国連邦下院エネルギー・商業(E&C)委員会が17日、コロナ発生源についての調査結果として公表した。
E&C委員会の報告によると、コロナウイルスのゲノム情報は19年12月28日、中国政府系の研究機関である病原生物学研究所のウイルス研究者、リリ・レン(Lili Ren)博士が米国立衛生研究所(NIH)傘下機関の遺伝子配列データベースGenBankに提出した。
GenBankは各国の研究者から生物や微生物などの遺伝子情報を集め、一般公開している。レン氏にサイトでの公開に必要な追加情報を求めたところ、返答を得られなかった。そのため、提出されたゲノム情報は未公開のまま消去したという。
内容は中国政府がその後、公式発表したコロナのゲノムと「ほぼ同じ」(米当局)だった。
WHOが20年1月に公表した新型コロナ流行のタイムラインによると、中国は同年1月7日にコロナの原因となったウイルスを特定し、同12日にWHOに対してゲノム解析を完了したと報告していた。今回の調査結果は中国政府がゲノム情報を国際的に公開する2週間以上前に原因ウイルスを調べ終えていたことを示唆する。
新型コロナ禍では原因ウイルスのゲノム情報は各国の感染対策やコロナワクチンの開発の土台となった。中国は初期段階で重要情報を知りながら早期の共有を渋っていた可能性があり、感染被害の拡大につながった疑念も拭えない。
E&C委員会は今回の調査結果について「中国共産党が主張するウイルス認識時期に疑問を抱かせるものだ」とコメントした。
<2023/2/27追記>コロナ起源「中国の研究所から流出か」 米エネルギー省が判断との報道
「朝日新聞デジタル」による次のような報道がありました。
新型コロナウイルスの起源について、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)は26日、中国の研究所から流出した可能性が高い、と米エネルギー省が判断していると報じた。新たな機密情報を根拠としており、ホワイトハウスや米議会幹部に報告されたという。ただ、米政府内でも、動物を介して人に感染した説を有力視する機関もあり、見解が割れている。
WSJによると、エネルギー省は「確信度は低い」としつつも、ウイルスが中国の研究所での不慮の事故によって広まったと判断した。エネルギー省は、先端的な生物学的調査も担う米国立研究所を管轄しており、「相当な科学的知見を有する」という。
他の政府機関では米連邦捜査局(FBI)も研究所流出説を支持する立場をとっている。国家情報会議や他の四つの機関は動物を介した説を支持し、米中央情報局(CIA)など二つの機関は、どちらの説か結論づけていないという。
1.新型コロナウイルスの発生原因についての諸説
「新型コロナウイルス肺炎」は2019年12月に中国・武漢で発生しましたが、瞬く間に全世界に広まりました。
「新型コロナウイルス肺炎」の感染が世界中に急拡大し始めた2020年1月末頃から、その発生原因について、「武漢の海鮮市場から出た」とか「武漢ウイルス研究所から流出した」といった説が流れました。
アメリカのトランプ大統領は「新型コロナウイルス」を「中国ウイルス」「武漢ウイルス」と呼んで、「武漢ウイルス研究所が発生原因」との主張を何度も繰り返していました。
中国はこれに対して「アメリカ軍が武漢に持ち込んだのかもしれない」という根拠不明の反論をしました。
その後は世界中がパンデミックとなった「新型コロナウイルス肺炎(COVID-19)」感染者の治療や対応に追われて、あまり話題にならなくなりました。
その一方コロナ禍の中で、中国は南シナ海や東シナ海で武力による現状変更の試みを活発化させてきました。
そして「マスク外交」や「ワクチン外交」を通じてアフリカ諸国などへの影響力・支配力強化を図っています。
2.「新型コロナウイルス肺炎」発生当初と感染拡大後の中国の不可解な対応
(1)最初に「新型コロナウイルス肺炎」の発生を知らせた医師を拘束
中国武漢で発生した「新型コロナウイルス肺炎」の危険性を、中国当局が公表する前に世界で最初に知らせた眼科医の李文亮(リー・ウェンリアン)氏(上の画像)に対し、武漢警察は「虚偽の発言をした」「噂をまき散らした」として拘束しました。
李氏は2019年12月30日に新型コロナウイルスについて医師仲間にチャットで警告し、1月3日に警察に一時的に拘束されたのです。
李氏はその後医療の現場に復帰し、新型コロナウイルス肺炎患者を診察したりして自分も感染し、結局2020年2月7日に「新型コロナウイルス肺炎」で亡くなりました。
(2)発生原因と目された「武漢海鮮市場」の封鎖と取り壊し
武漢保健委員会は2019年12月31日、新型コロナウイルスの発生源とされる武漢市内の「華南海鮮市場」を閉鎖しました。
この時点で、中国当局が情報をオープンにして、「華南海鮮市場」にWHOの原因究明チームを受け入れていれば、現在のようなパンデミックにはならなかったかもしれません。
「華南海鮮市場」は2020年1月1日以降、塀で囲んで関係者以外の立ち入りを規制しており、再開の見通しが立たないままでしたが、今年4月8日武漢市当局がこの海鮮市場を取り壊す方針だと報じられました。
これは感染の震源地である市場を取り壊すことで、コロナが中国から世界に広がったとの印象を払拭し、武漢がコロナから復興したと内外にアピールする狙いがあると見られています。
(3)発生源と目された「武漢ウイルス研究所」の閉鎖(あるいは爆破?)
もう一つの発生源と目された「武漢ウイルス研究所」は、2019年10月に一時閉鎖されたとの報道があったり、2020年2月に爆破されたとの話もあります。
また2020年1月に、「湖北省衛生健康委員会が、武漢のゲノミクス企業に新しいウイルスのテストをやめ、検体を全て破壊するように命じた」とか、「中国衛生健康委員会が、未知の疾病に関するいかなる情報も出さぬよう研究機関に命じ、研究所が所持している検体を指定された検査機関に送るか、破壊するように命じた」との話もあります。
(4)WHOの原因究明チームの受け入れを1年も先送り
今年1月末にようやく行われたWHOの国際調査でも、コロナの起源や感染拡大の経緯は判明しませんでした。1年も調査を先送りさせたのは「証拠隠滅を図ったため」と勘繰られてもやむをえません。
また、「海鮮市場の取り壊し」や「武漢ウイルス研究所の閉鎖(あるいは爆破?)」などは、「永久に証拠を隠滅し原因究明を不可能にするため」と疑われても仕方がありません。
3.もし生物化学兵器なら怖い
CDC(米疾病対策センター)の前ディレクターで、ウイルス学者でもあるロバート・レッドフィールド氏は、3月27日のCNNのインタビューに対して研究所からの流出の可能性があるとの見解を述べました。
新型コロナウイルスがコウモリから何らかの方法で人に感染し、その時点でそのウイルスがヒトヒト間で最も感染力があるウイルスの1つになったとは思えません。病原体がヒトヒト間で効率的に感染するようになるには通常時間がかかるのです。人は研究所流出説を信じないでしょうが、最終的に科学がそれを見つけ出すでしょう。私の推測ですが、ウイルスは2019年の9月、10月頃から武漢で感染を始めていたと思います。
レッドフィールド氏は、ラボ内で効率的に感染するように研究されていたコロナウイルスにラボ従業員が2019年の9月か10月に感染したことによりウイルスが流出し、その数ヵ月後に、新型コロナとして人々に認識されるようになったと考えています。
確固たる証拠はありませんが、もし「コロナウイルスが中国による生物化学兵器」だとしたら、大変怖い話です。
1975年に発効した「生物化学兵器禁止条約」(日本語名称は「細菌兵器(生物兵器)及び毒素兵器の開発、生産及び貯蔵の禁止並びに廃棄に関する条約」)に違反することになります。
ちなみに中国はこの「生物兵器禁止条約(BWC)」と「化学兵器禁止条約(CWC)」の締約国です。
発生から1年以上経過している上に、中国が証拠隠滅的な動きをしたこと、WHOが中国寄りの国連機関のため現地調査報告の信憑性も低いことなどから、発生源の真相究明は困難かもしれません。
しかし、武漢ウイルス研究所における「故意によるウイルス拡散」でなく「過失によるウイルス流出」だとしても、あるいは野生のコウモリ由来のウイルスだとしても、武漢から広がったことは間違いなく、今後も同様の事態が起きる可能性があります。
やはりWHOのような中国寄りでない「欧米を主体とした独立した機関による徹底的な調査」が必要だと私は思います。